第69話 いつか ~夏休み編③~
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
飴湯を作る半助さんの背中を見ながら、赤ん坊を腕に抱いてぼんやりと考えた。
隣のおばちゃんの勘違いには驚かされたけれど、もしそれが本当だったとしたら…。
そう、例えば…私が家事をしている間に半助さんが子どもの相手をしてくれて…きりちゃんも一緒にあやしてくれたりして…。
想像するだけで顔がにやけそうになる。
…でも。
そこまで考えて、私はいつも頭の片隅にひっかかる不安を思い出した。
…私は…本当にずっとこの世界にいることができるのだろうか…。
そっと赤ん坊の頬を触りながら、私は花火の帰り道のことを思い出した。
半助さんの隣で見た花火はとても綺麗で印象深かった。
よく二人で見ていた夜空は星が綺麗で静かな世界だったけれど、今日は明るく賑やかな夜でみんなも一緒で楽しかった。
そして、来年だけじゃなくて、その先もずっと一緒に花火を見ようと言ってくれた半助さんの言葉が嬉しかった。
…ずっと。
それは、将来を誓ってくれる言葉のようで。
とても嬉しい反面、自分はこの世界にずっと居ることができるのだろうかと不安がよぎった。
…いつも心の奥にしまいこんで蓋をしている一抹の不安。
半助さんには言えない…。
彼を不安にさせたくないということもあるし、言葉にすると何かが起こってしまいそうな気がした。
…でも、もしかしたら半助さんは私のそういう不安もお見通しなのかもしれない。
私を安心させるためにも、あえてそういう言葉を選んでくれているのかもしれない。
暗い帰り道を歩きながら私は目を伏せた。
…今、目の前にある幸せに目を向けよう。
先のことは考えても分からない。
前を歩くきりちゃん、乱太郎くん、しんべヱくん達の話し声が聞こえる。
顔をあげると、半助さんが心配そうに私の顔を覗きこんでいた。
「大丈夫かい?疲れた?」
「いいえ!」
慌てて手を振ると、半助さんがじっと私の目を見つめた。
「あ…その…、幸せだなぁと、思いまして…!」
てへへと笑ってごまかすと、半助さんは微笑んで私の頭を優しく撫でた。
「…大丈夫だよ。」
「!」
その一言に、私の不安を見透かされたような気がした。
「大丈夫。」
そう言いきった彼の力強い言葉に、とても安心する自分がいた。
「さ、お風呂に入って帰ろう。」
優しい笑顔を向けられて、私は笑顔で頷いたのだった。
「…たまみ?」
赤ん坊を見つめて物思いに耽っていると、半助さんが不思議そうに私を覗きこんだ。
「あ…すみません、ちょっと考え事をしてて…飴湯ありがとうございます。」
「たまみが飲ませるかい?」
「はい!」
ごくごくと飲む姿を見ながら、可愛いなぁと微笑ましい気持ちになる。
すると暫くして、半助さんがオホン!と咳払いした。
「あの、な…たまみ。」
「はい?」
「その…隣のおばちゃんの言葉は、そんなに気にしなくていいから。私達は、私達のペースでいこう。」
頬を赤くして頭をかきながら、困ったように優しく笑う半助さん。
私を気遣うその優しさにますます胸がしめつけられる。
…離れたくない。
私は微笑んで頷いた。
…先のことは分からないけれど。
半助さんが望んでくれるなら、ずっと共に在ろう。
そしてその先に、新たな家族が増えることがあれば…それはとても嬉しいことで。
私は腕の中の赤ん坊をゆっくり撫でた。
…きっと大丈夫。
そう思って歩いていこう。
…いつか。
半助さんと一緒になって、子どもにも恵まれたらいいな…。
でも、今はまだ夫婦というよりも恋人としての時間を楽しみたい気もする。
「…半助さん。」
「ん?」
「……赤ちゃん、可愛いですね。」
遠回しに、いつかあなたとの子どもが欲しいなと…そんな気持ちを伝えたつもりだったけれど、半助さんには伝わっただろうか。
「…そうだな。」
彼は嬉しそうに微笑んだ。
そうして私達は、飴湯を飲んでうとうととしている赤ん坊を見つめ続けた。
隣のおばちゃんの勘違いには驚かされたけれど、もしそれが本当だったとしたら…。
そう、例えば…私が家事をしている間に半助さんが子どもの相手をしてくれて…きりちゃんも一緒にあやしてくれたりして…。
想像するだけで顔がにやけそうになる。
…でも。
そこまで考えて、私はいつも頭の片隅にひっかかる不安を思い出した。
…私は…本当にずっとこの世界にいることができるのだろうか…。
そっと赤ん坊の頬を触りながら、私は花火の帰り道のことを思い出した。
半助さんの隣で見た花火はとても綺麗で印象深かった。
よく二人で見ていた夜空は星が綺麗で静かな世界だったけれど、今日は明るく賑やかな夜でみんなも一緒で楽しかった。
そして、来年だけじゃなくて、その先もずっと一緒に花火を見ようと言ってくれた半助さんの言葉が嬉しかった。
…ずっと。
それは、将来を誓ってくれる言葉のようで。
とても嬉しい反面、自分はこの世界にずっと居ることができるのだろうかと不安がよぎった。
…いつも心の奥にしまいこんで蓋をしている一抹の不安。
半助さんには言えない…。
彼を不安にさせたくないということもあるし、言葉にすると何かが起こってしまいそうな気がした。
…でも、もしかしたら半助さんは私のそういう不安もお見通しなのかもしれない。
私を安心させるためにも、あえてそういう言葉を選んでくれているのかもしれない。
暗い帰り道を歩きながら私は目を伏せた。
…今、目の前にある幸せに目を向けよう。
先のことは考えても分からない。
前を歩くきりちゃん、乱太郎くん、しんべヱくん達の話し声が聞こえる。
顔をあげると、半助さんが心配そうに私の顔を覗きこんでいた。
「大丈夫かい?疲れた?」
「いいえ!」
慌てて手を振ると、半助さんがじっと私の目を見つめた。
「あ…その…、幸せだなぁと、思いまして…!」
てへへと笑ってごまかすと、半助さんは微笑んで私の頭を優しく撫でた。
「…大丈夫だよ。」
「!」
その一言に、私の不安を見透かされたような気がした。
「大丈夫。」
そう言いきった彼の力強い言葉に、とても安心する自分がいた。
「さ、お風呂に入って帰ろう。」
優しい笑顔を向けられて、私は笑顔で頷いたのだった。
「…たまみ?」
赤ん坊を見つめて物思いに耽っていると、半助さんが不思議そうに私を覗きこんだ。
「あ…すみません、ちょっと考え事をしてて…飴湯ありがとうございます。」
「たまみが飲ませるかい?」
「はい!」
ごくごくと飲む姿を見ながら、可愛いなぁと微笑ましい気持ちになる。
すると暫くして、半助さんがオホン!と咳払いした。
「あの、な…たまみ。」
「はい?」
「その…隣のおばちゃんの言葉は、そんなに気にしなくていいから。私達は、私達のペースでいこう。」
頬を赤くして頭をかきながら、困ったように優しく笑う半助さん。
私を気遣うその優しさにますます胸がしめつけられる。
…離れたくない。
私は微笑んで頷いた。
…先のことは分からないけれど。
半助さんが望んでくれるなら、ずっと共に在ろう。
そしてその先に、新たな家族が増えることがあれば…それはとても嬉しいことで。
私は腕の中の赤ん坊をゆっくり撫でた。
…きっと大丈夫。
そう思って歩いていこう。
…いつか。
半助さんと一緒になって、子どもにも恵まれたらいいな…。
でも、今はまだ夫婦というよりも恋人としての時間を楽しみたい気もする。
「…半助さん。」
「ん?」
「……赤ちゃん、可愛いですね。」
遠回しに、いつかあなたとの子どもが欲しいなと…そんな気持ちを伝えたつもりだったけれど、半助さんには伝わっただろうか。
「…そうだな。」
彼は嬉しそうに微笑んだ。
そうして私達は、飴湯を飲んでうとうととしている赤ん坊を見つめ続けた。