第69話 いつか ~夏休み編③~
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共同井戸でたまみから受け取った洗濯物をゴシゴシと洗う。
「これ以上は落ちないな。これくらいでいいんじゃないか。」
「そうですねぇ、ありがとうございます。」
たまみが洗濯物を受け取り干しに行く。
背が低い彼女には少し干しにくそうに見えたので横から手伝うと、たまみは嬉しそうに微笑んだ。
「あ、半助さん泡がついてますよ。」
たまみが私の頬を拭ってクスクスと笑う。
私もつられて笑いながら頭をかいた。
「あら、二人ともお揃いで。」
後ろから声がして振り返ると、隣のおばちゃんがにこにこしながらやってきた。
挨拶すると、背中におぶっていた赤ん坊が急に泣き出した。
「元気で可愛い子だねぇ。」
隣のおばちゃんが赤ん坊の顔を覗きこむ。
「あっ、すみません。泣き声とかうるさくなかったですか?」
たまみが心配そうに聞くと、隣のおばちゃんはにこにこと首をふった。
「全然!赤ん坊は泣くのが仕事なんだからそんなの気にしなくていいのよ。それよりたまみさん、あなた、ちゃんとご飯は食べてる?」
「えっ、私ですか?」
「そうよ。ちゃんと食べないと母乳が出なくなるからね。忙しくてしんどくてもちゃんとお水も飲むのよ。」
「…え?」
「困ったこととかあれば遠慮せずにいつでも言ってくれたらいいからね。」
隣のおばちゃんの言葉に、たまみと目をあわせて固まった。
「あの…隣のおばちゃん?」
まさかと思って口を開くと、隣のおばちゃんが私の腕をバシンと叩いた。
「半助、あんたも父親になったんだからこれからはもっと家に帰るなり手伝ってあげなくちゃだめよ。」
「ち、違います!この子は子守りのアルバイトで預かっているだけです!」
私が慌てて否定すると、隣のおばちゃんがきょとんとした顔で私とたまみを交互に見た。
「え、でも最近毎日ずっと赤ん坊の声がしてたわよ?」
「連日で昼間だけ預かってたんです。」
隣のおばちゃんが驚いて確認するようにたまみを見る。
彼女も苦笑いしながら頷いた。
「あら、そうなの!私ったらてっきりあんた達の子が産まれたんだとばかり…。」
「違います!」
動揺しながら否定する私の横で、たまみが顔を赤くして苦笑いしていた。
「どおりで…たまみさんそんな風に見えなかったし、一体いつ産まれたのかなって皆で話してたのよ。あらあら、違ったのね~。」
そして隣のおばちゃんは「じゃあ皆にそう伝えとかなきゃ」と気になる発言をしながら自分の家に戻っていった。
あとに残ったのは、私とたまみとまだ泣いている赤ん坊。
「…お、お腹がすいたんだろう。飴湯を作るよ。」
少し気まずく思い、視線を家の方にさ迷わせながらそう言った。
「じゃあ飴湯を作っている間、抱っこしておきましょうか。」
「ああ、頼むよ。」
たまみに赤ん坊を渡し、井戸の水をくんで家に向かう。
彼女が赤ん坊をあやしながらにこにこと後ろをついてくる。
…確かに、端からみたら夫婦の会話のようにも聞こえるな。
毎日赤ん坊の声もして、これでは夫婦とその子どもに勘違いされても仕方がないかもしれない…。
ちらりとたまみを見てみると、赤ん坊を見ながらとても優しく微笑んでいた。
…もしもこの子が我々の子どもだったら…。
そんな考えが頭に浮かび、私は口角をあげた。
それはきっと、大変な毎日だが楽しいに違いない。
「たまみ、足元の段差気を付けて。」
私は彼女の背に手を当てて家のなかに入った。
「これ以上は落ちないな。これくらいでいいんじゃないか。」
「そうですねぇ、ありがとうございます。」
たまみが洗濯物を受け取り干しに行く。
背が低い彼女には少し干しにくそうに見えたので横から手伝うと、たまみは嬉しそうに微笑んだ。
「あ、半助さん泡がついてますよ。」
たまみが私の頬を拭ってクスクスと笑う。
私もつられて笑いながら頭をかいた。
「あら、二人ともお揃いで。」
後ろから声がして振り返ると、隣のおばちゃんがにこにこしながらやってきた。
挨拶すると、背中におぶっていた赤ん坊が急に泣き出した。
「元気で可愛い子だねぇ。」
隣のおばちゃんが赤ん坊の顔を覗きこむ。
「あっ、すみません。泣き声とかうるさくなかったですか?」
たまみが心配そうに聞くと、隣のおばちゃんはにこにこと首をふった。
「全然!赤ん坊は泣くのが仕事なんだからそんなの気にしなくていいのよ。それよりたまみさん、あなた、ちゃんとご飯は食べてる?」
「えっ、私ですか?」
「そうよ。ちゃんと食べないと母乳が出なくなるからね。忙しくてしんどくてもちゃんとお水も飲むのよ。」
「…え?」
「困ったこととかあれば遠慮せずにいつでも言ってくれたらいいからね。」
隣のおばちゃんの言葉に、たまみと目をあわせて固まった。
「あの…隣のおばちゃん?」
まさかと思って口を開くと、隣のおばちゃんが私の腕をバシンと叩いた。
「半助、あんたも父親になったんだからこれからはもっと家に帰るなり手伝ってあげなくちゃだめよ。」
「ち、違います!この子は子守りのアルバイトで預かっているだけです!」
私が慌てて否定すると、隣のおばちゃんがきょとんとした顔で私とたまみを交互に見た。
「え、でも最近毎日ずっと赤ん坊の声がしてたわよ?」
「連日で昼間だけ預かってたんです。」
隣のおばちゃんが驚いて確認するようにたまみを見る。
彼女も苦笑いしながら頷いた。
「あら、そうなの!私ったらてっきりあんた達の子が産まれたんだとばかり…。」
「違います!」
動揺しながら否定する私の横で、たまみが顔を赤くして苦笑いしていた。
「どおりで…たまみさんそんな風に見えなかったし、一体いつ産まれたのかなって皆で話してたのよ。あらあら、違ったのね~。」
そして隣のおばちゃんは「じゃあ皆にそう伝えとかなきゃ」と気になる発言をしながら自分の家に戻っていった。
あとに残ったのは、私とたまみとまだ泣いている赤ん坊。
「…お、お腹がすいたんだろう。飴湯を作るよ。」
少し気まずく思い、視線を家の方にさ迷わせながらそう言った。
「じゃあ飴湯を作っている間、抱っこしておきましょうか。」
「ああ、頼むよ。」
たまみに赤ん坊を渡し、井戸の水をくんで家に向かう。
彼女が赤ん坊をあやしながらにこにこと後ろをついてくる。
…確かに、端からみたら夫婦の会話のようにも聞こえるな。
毎日赤ん坊の声もして、これでは夫婦とその子どもに勘違いされても仕方がないかもしれない…。
ちらりとたまみを見てみると、赤ん坊を見ながらとても優しく微笑んでいた。
…もしもこの子が我々の子どもだったら…。
そんな考えが頭に浮かび、私は口角をあげた。
それはきっと、大変な毎日だが楽しいに違いない。
「たまみ、足元の段差気を付けて。」
私は彼女の背に手を当てて家のなかに入った。