第25話 繕い物
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「失礼します」
突然声がして、利吉くんが障子をあけた。
「やぁ利吉くん、山田先生はもうすぐ戻ると思うよ。」
「そうですか、ではここで待たせて貰ってもいいですか?…って、たまみさん、何ですかその服の山は…。」
「一年は組の子達の繕い物です。みんなあちこち破けたまま着てたみたいで…」
たまみさんは困ったように笑うと、何かに気づいたように利吉くんの袖をひいた。
「利吉さんも、ここがほころんでいますね。一緒に縫いましょうか?」
「いえ、これくらい…いや、ではお願いしてもいいですか?」
「はい、じゃあちょっと脱いでもらって…」
「いえ、これなら着たままでも縫えると思うのでこのままお願いします。」
「んー、そうですか、ではちょっとじっとしててくださいね……。」
たまみさんが利吉くんに近づいて袖を手にした。
俯く彼女を、利吉くんが口づけでもしそうな距離でじっと見つめる。
私は考えるより先に行動に出ていた。
「たまみさん、12人分も縫って大変でしょうから、私も手伝います。」
私は針と糸を手にして、スッと二人の間に割り込んで利吉くんの袖を持った。
たまみさんが不思議そうにこちらを見る。
「土井先生、お忙しいんじゃ…」
「いま、終わりました。」
にっこりと笑顔を張りつけた私の横顔を、利吉くんがじとっとした目で睨む。
矢羽根がとんできた。
『随分大人げないことをなさるのですね。』
『なんのことかな。たまみさんも疲れてるだろうから手伝うだけだ。』
『12人ってことは、土井先生も縫ってもらったってことでしょう?自分だけ…』
『…』
私はささっと縫いあげて、利吉くんの袖を離した。
「さ、できたよ。」
「……ありがとうございます。」
不満げな利吉くんに気づかないふりをして机に戻る。
「前から思ってましたけど、土井先生と利吉さんって仲良しですねぇ。」
たまみさんが微笑ましそうに私と利吉くんを見てそう言った。
その様子に、我々は目をあわせて苦笑いしたのだった。
突然声がして、利吉くんが障子をあけた。
「やぁ利吉くん、山田先生はもうすぐ戻ると思うよ。」
「そうですか、ではここで待たせて貰ってもいいですか?…って、たまみさん、何ですかその服の山は…。」
「一年は組の子達の繕い物です。みんなあちこち破けたまま着てたみたいで…」
たまみさんは困ったように笑うと、何かに気づいたように利吉くんの袖をひいた。
「利吉さんも、ここがほころんでいますね。一緒に縫いましょうか?」
「いえ、これくらい…いや、ではお願いしてもいいですか?」
「はい、じゃあちょっと脱いでもらって…」
「いえ、これなら着たままでも縫えると思うのでこのままお願いします。」
「んー、そうですか、ではちょっとじっとしててくださいね……。」
たまみさんが利吉くんに近づいて袖を手にした。
俯く彼女を、利吉くんが口づけでもしそうな距離でじっと見つめる。
私は考えるより先に行動に出ていた。
「たまみさん、12人分も縫って大変でしょうから、私も手伝います。」
私は針と糸を手にして、スッと二人の間に割り込んで利吉くんの袖を持った。
たまみさんが不思議そうにこちらを見る。
「土井先生、お忙しいんじゃ…」
「いま、終わりました。」
にっこりと笑顔を張りつけた私の横顔を、利吉くんがじとっとした目で睨む。
矢羽根がとんできた。
『随分大人げないことをなさるのですね。』
『なんのことかな。たまみさんも疲れてるだろうから手伝うだけだ。』
『12人ってことは、土井先生も縫ってもらったってことでしょう?自分だけ…』
『…』
私はささっと縫いあげて、利吉くんの袖を離した。
「さ、できたよ。」
「……ありがとうございます。」
不満げな利吉くんに気づかないふりをして机に戻る。
「前から思ってましたけど、土井先生と利吉さんって仲良しですねぇ。」
たまみさんが微笑ましそうに私と利吉くんを見てそう言った。
その様子に、我々は目をあわせて苦笑いしたのだった。