第24話 熱
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その日は夕方までいつも通りの1日だった。
そろそろ夕食作りのお手伝いに行かなければと思い身支度していると、急に寒気がしてきた。
少し熱っぽいかもしれない…と思いながら廊下に出たとたん、足元がふらついて。
あっ、と思ったときには肩が壁にぶつかっていた。
「たまみさん?!」
その音で土井先生が職員室から出てきて私に駆け寄った。
「大丈夫ですか?!」
土井先生は壁にもたれた私の体を慌てて支え、すぐにおでこに手を当てた。
「…すごい熱ですね。保健室へ行きましょう。」
土井先生は山田先生に一言告げてから、私を横抱きに抱えて医務室へ連れていってくれた。
「熱は高いですが、風邪の症状はありませんね。しばらく様子をみないとわかりませんが、もしかすると疲労から体が弱っているのかもしれません。しばらく休みをとって安静にしたほうがいいでしょう。」
新野先生は私の顔をじっと見た。
「頑張りすぎはいけませんよ。休息も必要です。私がいいと言うまでは休日にバイトをするのも夜中まで勉強するのもだめです。…もちろん、寝ていて暇だからといって内職をするのもだめですよ。」
「わ、わかりました…。」
最近どんな生活を送っていたかと色々聞かれて正直に答えていくと、新野先生の顔が段々厳しいものになり怒られてしまった。
でも思い返せば確かに、私は平日朝と晩に食堂のお手伝いをして昼間は一年は組の補佐をしたり子どもたちと遊んだり。
休みの日は補習が終わったあとバイトをしたり自分で文字の勉強をしたり。
振り返ると体をゆっくり休めるような日はなかったなと思う。
やるべきだと思うことを優先して自分の体調は二の次にしていたのだと、体調を崩して気づいた。
自分のやれる限界を過信していたのかもしれない…。
新野先生は善法寺くんに薬草の指示をだしてお薬を調合してくれた。
土井先生が心配そうな顔で私を見つめている。
私は申し訳ない気持ちで謝った。
「すみません…急にこんな……」
「謝らないでください、いまは何も気にせずゆっくり休んで……。」
どうして土井先生が辛そうな顔をしているのだろう…。
私はぼんやりと土井先生を眺めて、正座する膝のうえで固く握られている彼の拳に、手を重ねた。
そっと重ね返されたその大きな手の感触が心地好くて。
そうしてそのまま、うとうとと目を閉じた。
そろそろ夕食作りのお手伝いに行かなければと思い身支度していると、急に寒気がしてきた。
少し熱っぽいかもしれない…と思いながら廊下に出たとたん、足元がふらついて。
あっ、と思ったときには肩が壁にぶつかっていた。
「たまみさん?!」
その音で土井先生が職員室から出てきて私に駆け寄った。
「大丈夫ですか?!」
土井先生は壁にもたれた私の体を慌てて支え、すぐにおでこに手を当てた。
「…すごい熱ですね。保健室へ行きましょう。」
土井先生は山田先生に一言告げてから、私を横抱きに抱えて医務室へ連れていってくれた。
「熱は高いですが、風邪の症状はありませんね。しばらく様子をみないとわかりませんが、もしかすると疲労から体が弱っているのかもしれません。しばらく休みをとって安静にしたほうがいいでしょう。」
新野先生は私の顔をじっと見た。
「頑張りすぎはいけませんよ。休息も必要です。私がいいと言うまでは休日にバイトをするのも夜中まで勉強するのもだめです。…もちろん、寝ていて暇だからといって内職をするのもだめですよ。」
「わ、わかりました…。」
最近どんな生活を送っていたかと色々聞かれて正直に答えていくと、新野先生の顔が段々厳しいものになり怒られてしまった。
でも思い返せば確かに、私は平日朝と晩に食堂のお手伝いをして昼間は一年は組の補佐をしたり子どもたちと遊んだり。
休みの日は補習が終わったあとバイトをしたり自分で文字の勉強をしたり。
振り返ると体をゆっくり休めるような日はなかったなと思う。
やるべきだと思うことを優先して自分の体調は二の次にしていたのだと、体調を崩して気づいた。
自分のやれる限界を過信していたのかもしれない…。
新野先生は善法寺くんに薬草の指示をだしてお薬を調合してくれた。
土井先生が心配そうな顔で私を見つめている。
私は申し訳ない気持ちで謝った。
「すみません…急にこんな……」
「謝らないでください、いまは何も気にせずゆっくり休んで……。」
どうして土井先生が辛そうな顔をしているのだろう…。
私はぼんやりと土井先生を眺めて、正座する膝のうえで固く握られている彼の拳に、手を重ねた。
そっと重ね返されたその大きな手の感触が心地好くて。
そうしてそのまま、うとうとと目を閉じた。