第20話 似顔絵
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「…きり丸、その手に何を隠してるんだ?」
私がそう言ったとき、まるでその言葉を予想していたかのようにきり丸は落ち着いていた。
すんなりと渡された1枚の紙。
…おかしい。
これは、本当に隠したかったものではないな?
わざと私に見つかるようにしたのか…囮?
一体何が書いてあるのかと目を向けた瞬間、私は固まった。
「…!」
そこには、たまみさんの笑顔が描かれていた。
……なんて可愛い…すごく嬉しそうな……花が綻ぶように笑うとはこういう………
ハッ!
ちがう違う、そうじゃなくて…!
見惚れかけたが我にかえってきり丸を見た。
一体どういうつもりで…!
「その似顔絵、実は注文が多いんです。ちょっと頼んで描いてもらってました。」
きり丸はさらっとそう答えた。
注文が多い?
たまみさんの似顔絵を乱太郎に頼む輩が多いということか?
つまり…きり丸はこれを他の生徒に売ろうと…?
こんな時間にたまみさんにモデルになってもらって?
…いや、そうであれば、きり丸がこんなに落ち着いて私に白状していることに違和感がある。
何故そんな嘘を?
………これは、もしかすると……。
私は、その似顔絵を懐にしまって、もっともらしく言ってみた。
「また変な小銭稼ぎをするんじゃない!…これは没収しておく。」
ちらりときり丸の顔を見ると、目元が微かにニッと笑っていた。
…やはり、そうか。
きり丸はわざと私が没収するように仕向けたのか。
…おそらくこのたまみさんの絵を私に受け取らせたかったのだろう。
回りくどいことを…。
…まぁでも確かに、もし普通に渡されたなら恥ずかしくて到底受け取れなかっただろうが…。
そして、たまみさんの慌てた様子から察するに。
もしかすると彼女は本当は誰かの似顔絵でも描いて貰っていたのではないだろうか。
一体誰の…?
………気になる。
しかし、ここで深く聞くこともためらわれて……。
結局、私はきり丸の策にはまったふりをしてやることにした。
私がそう言ったとき、まるでその言葉を予想していたかのようにきり丸は落ち着いていた。
すんなりと渡された1枚の紙。
…おかしい。
これは、本当に隠したかったものではないな?
わざと私に見つかるようにしたのか…囮?
一体何が書いてあるのかと目を向けた瞬間、私は固まった。
「…!」
そこには、たまみさんの笑顔が描かれていた。
……なんて可愛い…すごく嬉しそうな……花が綻ぶように笑うとはこういう………
ハッ!
ちがう違う、そうじゃなくて…!
見惚れかけたが我にかえってきり丸を見た。
一体どういうつもりで…!
「その似顔絵、実は注文が多いんです。ちょっと頼んで描いてもらってました。」
きり丸はさらっとそう答えた。
注文が多い?
たまみさんの似顔絵を乱太郎に頼む輩が多いということか?
つまり…きり丸はこれを他の生徒に売ろうと…?
こんな時間にたまみさんにモデルになってもらって?
…いや、そうであれば、きり丸がこんなに落ち着いて私に白状していることに違和感がある。
何故そんな嘘を?
………これは、もしかすると……。
私は、その似顔絵を懐にしまって、もっともらしく言ってみた。
「また変な小銭稼ぎをするんじゃない!…これは没収しておく。」
ちらりときり丸の顔を見ると、目元が微かにニッと笑っていた。
…やはり、そうか。
きり丸はわざと私が没収するように仕向けたのか。
…おそらくこのたまみさんの絵を私に受け取らせたかったのだろう。
回りくどいことを…。
…まぁでも確かに、もし普通に渡されたなら恥ずかしくて到底受け取れなかっただろうが…。
そして、たまみさんの慌てた様子から察するに。
もしかすると彼女は本当は誰かの似顔絵でも描いて貰っていたのではないだろうか。
一体誰の…?
………気になる。
しかし、ここで深く聞くこともためらわれて……。
結局、私はきり丸の策にはまったふりをしてやることにした。