第19話 腕枕
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「その…昨夜お仕事してたら土井先生が眠ってしまって。」
たまみさんは話しにくそうにもじもじと指を動かしていた。
「もうこのまま寝かせてあげようと思ってお布団をひいて土井先生を運んだんですけど…。」
「…ありがとうございます。」
「いえ、その…ですね。あんまりぐっすり寝てるから…」
「?」
「その、ちょっとだけ…ほんのちょっとだけ、土井先生の横に、私も寝てみようかなー、なんて…。そしたら、その、逞しい腕だなぁなんて思っちゃってですね…ちょっとだけ腕枕とかしちゃったらどんな感じなのかなって……つい……。それで、私もそのまま眠ってしまったみたいで…!」
いたずらが見つかった子どものように気まずそうに説明するたまみさん。
その様子が可愛らしくて、私は静かに話を聞いた。
「その…すみません。…あの、怒ってますか…?」
たまみさんは泣きそうな顔でおずおずと聞いてきた。
「たまみさん…」
眠る私の横で腕枕してみたくてつい添い寝してしまったということか…。
なんて可愛らしい…怒るわけがない。
むしろ、私の方がそれ以上のことをしようとしていたのに、彼女は寝ぼけていたのかよく分かっていなかったようだ。
私は苦笑してたまみさんの頭を撫でた。
「そんなことで怒るわけないでしょう。顔をあげて。」
「土井先生…」
「さっき胃薬と思って飲んだのが、どうやら睡眠薬だったみたいで。…起きたとき、たまみさんが隣にいてびっくりしましたが…可愛い寝顔が見れて、よかったです。」
「!…か、からかわないでください!」
「はは、からかってなど…。…さぁ、もう夜更けです。今度はちゃんと寝ましょう。」
私は半ば強引に彼女を隣の部屋まで見送った。
「では、おやすみなさい。」
「はい…おやすみなさい。」
彼女の部屋の障子が閉まると、私は夜空を見上げて息を吐いた。
ここは忍術学園で、いつ誰が来るともしれないのに…私の理性はいつまでもつのだろう。
今夜の月は随分明るくみえた。
たまみさんは話しにくそうにもじもじと指を動かしていた。
「もうこのまま寝かせてあげようと思ってお布団をひいて土井先生を運んだんですけど…。」
「…ありがとうございます。」
「いえ、その…ですね。あんまりぐっすり寝てるから…」
「?」
「その、ちょっとだけ…ほんのちょっとだけ、土井先生の横に、私も寝てみようかなー、なんて…。そしたら、その、逞しい腕だなぁなんて思っちゃってですね…ちょっとだけ腕枕とかしちゃったらどんな感じなのかなって……つい……。それで、私もそのまま眠ってしまったみたいで…!」
いたずらが見つかった子どものように気まずそうに説明するたまみさん。
その様子が可愛らしくて、私は静かに話を聞いた。
「その…すみません。…あの、怒ってますか…?」
たまみさんは泣きそうな顔でおずおずと聞いてきた。
「たまみさん…」
眠る私の横で腕枕してみたくてつい添い寝してしまったということか…。
なんて可愛らしい…怒るわけがない。
むしろ、私の方がそれ以上のことをしようとしていたのに、彼女は寝ぼけていたのかよく分かっていなかったようだ。
私は苦笑してたまみさんの頭を撫でた。
「そんなことで怒るわけないでしょう。顔をあげて。」
「土井先生…」
「さっき胃薬と思って飲んだのが、どうやら睡眠薬だったみたいで。…起きたとき、たまみさんが隣にいてびっくりしましたが…可愛い寝顔が見れて、よかったです。」
「!…か、からかわないでください!」
「はは、からかってなど…。…さぁ、もう夜更けです。今度はちゃんと寝ましょう。」
私は半ば強引に彼女を隣の部屋まで見送った。
「では、おやすみなさい。」
「はい…おやすみなさい。」
彼女の部屋の障子が閉まると、私は夜空を見上げて息を吐いた。
ここは忍術学園で、いつ誰が来るともしれないのに…私の理性はいつまでもつのだろう。
今夜の月は随分明るくみえた。