第21.5話 誰の気持ち
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ある日の夕食。
俺はいつも通り乱太郎、しんべヱと食堂でご飯を食べていた。
「ねぇ、土井先生なんで玉子焼きをあんなにじっと見つめてるの?」
しんべヱが遠くにいる土井先生を見ながら聞いてきた。
見ると、確かに玉子焼きが半分だけ残っていて、土井先生はそれをお箸でつつきながら泣きそうな顔になっている。
しかも、お醤油をかけすぎて玉子焼きがもう全体的に茶色くなっていた。
「土井先生って玉子焼きも苦手だっけ?」
乱太郎が不思議そうに首を傾げる。
「いや、普通に食べてたけどなぁ…。」
もしかして…。
カウンターの奥に目をやると、思った通りたまみさんがドキドキした顔で土井先生をチラチラと見ている。
そして、もう一度土井先生に目線を戻すと、土井先生もまた悲しげにたまみさんの方を見ていた。
「あー…、あれ、きっと玉子焼きに練り物混ぜたんじゃないかな。」
「えっ!そういえば今日は酢の物にちくわが入ってたけど…それが玉子焼きに?」
「土井先生が食べれるようにちくわを小さく刻んだりして玉子に混ぜたとか…。」
「あちゃ~、土井先生少しだけ食べて気づいちゃったんだねぇ。僕、食べに行ってあげようかなぁ。」
「いや…、ちょっと待て。」
泣きそうな土井先生のもとにたまみさんが寄っていった。
「土井先生…」
「たまみさん…これ……。」
「ばれちゃいましたか…。」
「なんの嫌がらせですかこれはっ…!」
「すみません、嫌がらせじゃなくて、土井先生の好き嫌いがなくなったらいいなぁと思って…。」
「玉子焼きに混ぜてもすぐ分かるし、余計に体積が増えて苦痛が倍になるんですけど…!」
土井先生が涙目で訴えている。
たまみさんは困ったように笑うと土井先生の隣に座った。
そしてお箸を握りしめている土井先生の手に手を重ね、スッとお箸を取る。
すると、たまみさんはじっと土井先生を見つめて…
「せんせ、わたしを食べて…?」
「へっ!?」
突然可愛くおねだりされて驚く土井先生。
口をポカンとあけた瞬間。
ひょいっ
「!!」
あいたままの口に玉子焼きが入れられた。
土井先生は真っ青な顔になったが、吐き出すこともできず慌ててお茶で飲み込もうとした。
「食べられましたね!」
「ん、ん、ん…っ!?」
「おばちゃん!言われた通りたまご焼きの気持ちをお伝えしたら食べてくれました!!」
「おや、ほんとかい!練り物も他の食材も命をありがたく頂戴してるんだから、食べられる側の気持ちも考えて残さず食べないとね。土井先生にもやっと分かってもらえたならよかったよ。」
「はい!完食してもらいたい食べ物の気持ち、土井先生にも伝わったと思います…!」
カウンターの奥で盛り上がる食堂のおばちゃんとたまみさん。
いやいや、玉子焼きの気持ちって…
さっきのあれじゃあまるで………。
土井先生は無理矢理飲み込んだのか激しく咳き込んでいた。
明らかに動揺していて、赤くなったり青くなったり…練り物を食べたダメージだけではないような。
咳き込んで涙目になる土井先生を心配して、たまみさんが背中を擦りに戻ってきた。
すごく複雑な表情でたじろぐ土井先生。
そんな二人をニヤニヤと眺める俺達3人。
あんまりあからさまに見ていたらチョークが飛んできそうになったので、俺達は急いで残りのご飯をたいらげた。
俺はいつも通り乱太郎、しんべヱと食堂でご飯を食べていた。
「ねぇ、土井先生なんで玉子焼きをあんなにじっと見つめてるの?」
しんべヱが遠くにいる土井先生を見ながら聞いてきた。
見ると、確かに玉子焼きが半分だけ残っていて、土井先生はそれをお箸でつつきながら泣きそうな顔になっている。
しかも、お醤油をかけすぎて玉子焼きがもう全体的に茶色くなっていた。
「土井先生って玉子焼きも苦手だっけ?」
乱太郎が不思議そうに首を傾げる。
「いや、普通に食べてたけどなぁ…。」
もしかして…。
カウンターの奥に目をやると、思った通りたまみさんがドキドキした顔で土井先生をチラチラと見ている。
そして、もう一度土井先生に目線を戻すと、土井先生もまた悲しげにたまみさんの方を見ていた。
「あー…、あれ、きっと玉子焼きに練り物混ぜたんじゃないかな。」
「えっ!そういえば今日は酢の物にちくわが入ってたけど…それが玉子焼きに?」
「土井先生が食べれるようにちくわを小さく刻んだりして玉子に混ぜたとか…。」
「あちゃ~、土井先生少しだけ食べて気づいちゃったんだねぇ。僕、食べに行ってあげようかなぁ。」
「いや…、ちょっと待て。」
泣きそうな土井先生のもとにたまみさんが寄っていった。
「土井先生…」
「たまみさん…これ……。」
「ばれちゃいましたか…。」
「なんの嫌がらせですかこれはっ…!」
「すみません、嫌がらせじゃなくて、土井先生の好き嫌いがなくなったらいいなぁと思って…。」
「玉子焼きに混ぜてもすぐ分かるし、余計に体積が増えて苦痛が倍になるんですけど…!」
土井先生が涙目で訴えている。
たまみさんは困ったように笑うと土井先生の隣に座った。
そしてお箸を握りしめている土井先生の手に手を重ね、スッとお箸を取る。
すると、たまみさんはじっと土井先生を見つめて…
「せんせ、わたしを食べて…?」
「へっ!?」
突然可愛くおねだりされて驚く土井先生。
口をポカンとあけた瞬間。
ひょいっ
「!!」
あいたままの口に玉子焼きが入れられた。
土井先生は真っ青な顔になったが、吐き出すこともできず慌ててお茶で飲み込もうとした。
「食べられましたね!」
「ん、ん、ん…っ!?」
「おばちゃん!言われた通りたまご焼きの気持ちをお伝えしたら食べてくれました!!」
「おや、ほんとかい!練り物も他の食材も命をありがたく頂戴してるんだから、食べられる側の気持ちも考えて残さず食べないとね。土井先生にもやっと分かってもらえたならよかったよ。」
「はい!完食してもらいたい食べ物の気持ち、土井先生にも伝わったと思います…!」
カウンターの奥で盛り上がる食堂のおばちゃんとたまみさん。
いやいや、玉子焼きの気持ちって…
さっきのあれじゃあまるで………。
土井先生は無理矢理飲み込んだのか激しく咳き込んでいた。
明らかに動揺していて、赤くなったり青くなったり…練り物を食べたダメージだけではないような。
咳き込んで涙目になる土井先生を心配して、たまみさんが背中を擦りに戻ってきた。
すごく複雑な表情でたじろぐ土井先生。
そんな二人をニヤニヤと眺める俺達3人。
あんまりあからさまに見ていたらチョークが飛んできそうになったので、俺達は急いで残りのご飯をたいらげた。