第6話 花売り
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「たまみさん、お化粧のせいか髪を束ねていないからか、雰囲気変わりますねぇ。」
花畑へ向かう道中、乱太郎くんがまじまじと私を見て言った。
「そ、そうかなぁ。」
「たまみさんならお化粧しなくても十分売れると思いますけど、やっぱりしてもらってよかったです!可愛い方がよく売れますからね~今日は多めに花を摘んでいきましょう!」
「う、うん、頑張ろうね」
目を小銭にするきり丸くんの隣で、私は内心ヒヤヒヤして先刻の出来事を思い出した。
それは忍術学園を出る直前のこと。
きり丸くんから急にお化粧をしてほしいと言われて焦ったのだ。
私はこの世界のお化粧道具を知らない。
誰に聞いたらよいかすらも分からなかった。
とりあえず土井先生に聞こうと職員室へ歩きかけると、急に声をかけられた。
「たまみくん、難しい顔をしてどうした?」
「山田先生!」
向こうから山田先生が歩いてくる。
私は意見を聞こうと山田先生に事の詳細を説明した。
「なるほど、それなら大丈夫だ。」
「えっ」
見上げると、そこにはいつの間にか
「伝子にお・ま・か・せ!」
バチコーンッ!とウインクが飛んできて、とても衝撃的な髭の濃い女性…?…が居た。
「あ、あの…!?」
「ささ、私がお化粧してあげるから目を閉じて。」
えっ、ちょ、これは山田先生なの!?
色々言いたいことが多過ぎて言葉にならず、私は言われるがまま目を閉じた。
「さあ、これで大丈夫よ!頑張ってらっしゃい。」
目を開けると目前に鏡があって、ほどよいお化粧具合の自分が映っていた。
「あ、ありがとうございます…!」
驚いて伝子さんを見ると、伝子さんは「いいのよ~。」と女性らしい歩き方で去っていった。
…何からつっこめばいいのかな。
いや、もしかするとこれも忍術なのかもしれない。
私は疑問を色々そのままに、きり丸くん達と合流したのだった。
花畑では思ったより色んな花が咲いていて、それを摘んでいくのは楽しかった。
「ちょっ、しんべえくん、これ、虫…取ってー!」
「虫苦手なんですかぁ?」
「うん、そう!は、はやく…!」
しんべえくんはニコニコと虫を取ってくれた。
無邪気な笑顔が可愛すぎる。
「乱太郎くん、薬草あった?」
「多分これだったと思うんですけど…持って帰って新野先生に確認してみます。」
「普通の草っぽいのに、見分けられるとかすごいねぇ。」
エヘヘと照れたように笑う乱太郎くんも可愛い。
きり丸くんは一心不乱に売れそうな花を探していた。
私も虫への恐怖と格闘しながら花を探す。
みんなで背中のかごに花を抱えて歩いていると、ふと重要なことに気づき、つい言葉にしてしまった。
「そういえば、私、お金の数え方が分からない…」
「えぇっ!?」
みんな驚いて私を見る。
とりわけきり丸くんは衝撃を受けたようだった。
「…そういう記憶もなくなっちゃってて。教えてもらってもいい?」
「もちろんいいですけど、そんなことも知らなかったら悪いやつらに騙されちゃいますよ!」
「お金全く持ってないから騙されてもどうしようもないんだけどね…」
すると、きり丸くんは神妙な顔で「これから一緒に稼ぎましょう!」と力強く言ってくれた。
「たまみさん、大変だったんですね…」
乱太郎くんもしんべえくんも涙目でしんみりしてしまった。
まさか戦で全財産を奪われたと思わせてしまったのだろうか。
余計なことを喋ってしまったと後悔すると同時に、本当のことを言えない罪悪感にかられた。
そうしてそこからの道中、きり丸くん達は通貨と物価の相場、買い物するときの交渉術を熱心に教えてくれたのだった。
花畑へ向かう道中、乱太郎くんがまじまじと私を見て言った。
「そ、そうかなぁ。」
「たまみさんならお化粧しなくても十分売れると思いますけど、やっぱりしてもらってよかったです!可愛い方がよく売れますからね~今日は多めに花を摘んでいきましょう!」
「う、うん、頑張ろうね」
目を小銭にするきり丸くんの隣で、私は内心ヒヤヒヤして先刻の出来事を思い出した。
それは忍術学園を出る直前のこと。
きり丸くんから急にお化粧をしてほしいと言われて焦ったのだ。
私はこの世界のお化粧道具を知らない。
誰に聞いたらよいかすらも分からなかった。
とりあえず土井先生に聞こうと職員室へ歩きかけると、急に声をかけられた。
「たまみくん、難しい顔をしてどうした?」
「山田先生!」
向こうから山田先生が歩いてくる。
私は意見を聞こうと山田先生に事の詳細を説明した。
「なるほど、それなら大丈夫だ。」
「えっ」
見上げると、そこにはいつの間にか
「伝子にお・ま・か・せ!」
バチコーンッ!とウインクが飛んできて、とても衝撃的な髭の濃い女性…?…が居た。
「あ、あの…!?」
「ささ、私がお化粧してあげるから目を閉じて。」
えっ、ちょ、これは山田先生なの!?
色々言いたいことが多過ぎて言葉にならず、私は言われるがまま目を閉じた。
「さあ、これで大丈夫よ!頑張ってらっしゃい。」
目を開けると目前に鏡があって、ほどよいお化粧具合の自分が映っていた。
「あ、ありがとうございます…!」
驚いて伝子さんを見ると、伝子さんは「いいのよ~。」と女性らしい歩き方で去っていった。
…何からつっこめばいいのかな。
いや、もしかするとこれも忍術なのかもしれない。
私は疑問を色々そのままに、きり丸くん達と合流したのだった。
花畑では思ったより色んな花が咲いていて、それを摘んでいくのは楽しかった。
「ちょっ、しんべえくん、これ、虫…取ってー!」
「虫苦手なんですかぁ?」
「うん、そう!は、はやく…!」
しんべえくんはニコニコと虫を取ってくれた。
無邪気な笑顔が可愛すぎる。
「乱太郎くん、薬草あった?」
「多分これだったと思うんですけど…持って帰って新野先生に確認してみます。」
「普通の草っぽいのに、見分けられるとかすごいねぇ。」
エヘヘと照れたように笑う乱太郎くんも可愛い。
きり丸くんは一心不乱に売れそうな花を探していた。
私も虫への恐怖と格闘しながら花を探す。
みんなで背中のかごに花を抱えて歩いていると、ふと重要なことに気づき、つい言葉にしてしまった。
「そういえば、私、お金の数え方が分からない…」
「えぇっ!?」
みんな驚いて私を見る。
とりわけきり丸くんは衝撃を受けたようだった。
「…そういう記憶もなくなっちゃってて。教えてもらってもいい?」
「もちろんいいですけど、そんなことも知らなかったら悪いやつらに騙されちゃいますよ!」
「お金全く持ってないから騙されてもどうしようもないんだけどね…」
すると、きり丸くんは神妙な顔で「これから一緒に稼ぎましょう!」と力強く言ってくれた。
「たまみさん、大変だったんですね…」
乱太郎くんもしんべえくんも涙目でしんみりしてしまった。
まさか戦で全財産を奪われたと思わせてしまったのだろうか。
余計なことを喋ってしまったと後悔すると同時に、本当のことを言えない罪悪感にかられた。
そうしてそこからの道中、きり丸くん達は通貨と物価の相場、買い物するときの交渉術を熱心に教えてくれたのだった。