第37話 対決
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一年は組の裏山での訓練が終わり、私は山田先生と職員室に戻ってきた。
シュッ、と何かが飛んでくる気配を感じ飛び退く。
床には、一本の矢文が突き刺さっていた。
「矢文…?」
それを手に取り目を通す。
「なっ…!」
『たまみさんを返してほしければ月見亭まで来られよ』
山田先生も髭をさすりながらその文を見る。
「見覚えのある筆跡だな。曲者ならもっと別の場所を指定してくるだろうから、生徒の誰かがやってるんじゃないかね?」
「一体何のためにっ…!?」
山田先生は暫し考えてから、フッと笑った。
「まぁ、何となく予想はつくがな。」
「どういう意味ですか山田先生?」
「行けば分かるだろう。」
山田先生は片手を上げて職員室に入っていった。
私は腑に落ちないまま矢文を握りしめて指定場所へ向かった。
一体誰がこんなことを。
何の目的で…。
彼女は無事なのか。
考えていると、突如、風を切る気配とともに小石が飛んできた。
最小限の動きでかわし、飛んできた方角に目をやる。
するとまた別の方角から小石が飛んできた。
紙一重で避けて飛び退いた瞬間、
「いけいけどんどーん!」という声とともに小平太が飛びかかってきた。
「小平太!?」
サッと腕をかわし距離をとると、それを予測していたように留三郎が木の上から飛びかかってきた。
「ちょっ、どうしたんだお前たち…!」
最小限の動きで避けると、今度は文次郎が「ぎんぎーん!」と後ろから飛びかかってきた。
「なっ…!?」
更に斜め後方から掴みかかろうとしてくる長次をかわし、4人からの息つく間もない攻撃を最小限の動きで避けていく。
「土井先生、さすがですね!」
小平太が楽しそうに飛びかかってくる。
4人の動きはバラバラだが、狙いはどうやら私の頭巾を取りたいようだ。
なんだ、なぜ私の頭巾を…?!
冷静に動きを観察しながらギリギリのところで躱していく。
どういうことかと考えながらも、こいつらと組み手をするのは久しぶりだなと…なかなかどうして成長したなと、少し感慨深い気持ちになる。
しかし一体突然どうしたというのか…。
すると、当たらない攻撃に業を煮やしたのか文次郎が口を開いた。
「土井先生、忍者の三禁を破るおつもりですか!」
「三禁?」
何のことだ…?
私は心当たりがなく首を傾げた。
…いや。
全く心当たりがないとも…言いきれないような……。
えっ…、待て待て、どのことを言っている?
あれか、膝枕で寝ていたとか…はからずも一緒に入浴してしまったとか…?
僅かに私が動揺した隙をついて文次郎の手が私の忍装束の端をかすめる。
「学園の風紀を乱す破廉恥な行い!!」
「まっ、待て!破廉恥とはなんだ、そこまで言われるようなことは…!何か誤解して…!?」
文次郎の腕を横に凪ぐように払うと、次いで留三郎が勢いをまして言った。
「証拠はあがっています!土井先生、今からそんなことで彼女を守りきれますか!?」
「証拠!?」
証拠って何の!?
やはり何か勘違いを……!?
「三禁について教えてくださったのは土井先生ではありませんか…!」
文次郎が大声でとびかかってくる。
後ろに跳び退きひらりと躱すも、だんだん腹がたってきた。
私は4人にチョークを投げると大きく距離をとって大声で返した。
「何を勘違いしてるのか知らないが、そもそも三禁とは、その三つにかまけて他の大事なものを疎かにしないようにというものだ!」
4人の動きがぴたりと止まった。
「私は、忍であっても大切な人をもって人間らしく生きることがいけないとは思わないし、お前たちにも忍という道のなかでも人としての幸せをもって生きてほしいと思っている。」
文次郎が納得できないという顔で返してきた。
「…でしたらせめてもっと生徒の目につかないようにですね…。」
「あー、いや、それはその……すまん、気をつける。」
どのことを指しているのだろうと振り返っていると、留三郎が静かに厳しい目で言った。
「…我々のような忍と一緒にいたら、相手にも危険が及ぶかもしれません…手を出すべきではないと、思わなかったのですか。」
私はぐっと拳を握った。
そんなことは何度も自問自答したことだ。
「…それができるならとうにしてるさ。私には、彼女が…たまみさんが必要だったから……だから、私が必ず守ると決めたんだ!」
シュッ、と何かが飛んでくる気配を感じ飛び退く。
床には、一本の矢文が突き刺さっていた。
「矢文…?」
それを手に取り目を通す。
「なっ…!」
『たまみさんを返してほしければ月見亭まで来られよ』
山田先生も髭をさすりながらその文を見る。
「見覚えのある筆跡だな。曲者ならもっと別の場所を指定してくるだろうから、生徒の誰かがやってるんじゃないかね?」
「一体何のためにっ…!?」
山田先生は暫し考えてから、フッと笑った。
「まぁ、何となく予想はつくがな。」
「どういう意味ですか山田先生?」
「行けば分かるだろう。」
山田先生は片手を上げて職員室に入っていった。
私は腑に落ちないまま矢文を握りしめて指定場所へ向かった。
一体誰がこんなことを。
何の目的で…。
彼女は無事なのか。
考えていると、突如、風を切る気配とともに小石が飛んできた。
最小限の動きでかわし、飛んできた方角に目をやる。
するとまた別の方角から小石が飛んできた。
紙一重で避けて飛び退いた瞬間、
「いけいけどんどーん!」という声とともに小平太が飛びかかってきた。
「小平太!?」
サッと腕をかわし距離をとると、それを予測していたように留三郎が木の上から飛びかかってきた。
「ちょっ、どうしたんだお前たち…!」
最小限の動きで避けると、今度は文次郎が「ぎんぎーん!」と後ろから飛びかかってきた。
「なっ…!?」
更に斜め後方から掴みかかろうとしてくる長次をかわし、4人からの息つく間もない攻撃を最小限の動きで避けていく。
「土井先生、さすがですね!」
小平太が楽しそうに飛びかかってくる。
4人の動きはバラバラだが、狙いはどうやら私の頭巾を取りたいようだ。
なんだ、なぜ私の頭巾を…?!
冷静に動きを観察しながらギリギリのところで躱していく。
どういうことかと考えながらも、こいつらと組み手をするのは久しぶりだなと…なかなかどうして成長したなと、少し感慨深い気持ちになる。
しかし一体突然どうしたというのか…。
すると、当たらない攻撃に業を煮やしたのか文次郎が口を開いた。
「土井先生、忍者の三禁を破るおつもりですか!」
「三禁?」
何のことだ…?
私は心当たりがなく首を傾げた。
…いや。
全く心当たりがないとも…言いきれないような……。
えっ…、待て待て、どのことを言っている?
あれか、膝枕で寝ていたとか…はからずも一緒に入浴してしまったとか…?
僅かに私が動揺した隙をついて文次郎の手が私の忍装束の端をかすめる。
「学園の風紀を乱す破廉恥な行い!!」
「まっ、待て!破廉恥とはなんだ、そこまで言われるようなことは…!何か誤解して…!?」
文次郎の腕を横に凪ぐように払うと、次いで留三郎が勢いをまして言った。
「証拠はあがっています!土井先生、今からそんなことで彼女を守りきれますか!?」
「証拠!?」
証拠って何の!?
やはり何か勘違いを……!?
「三禁について教えてくださったのは土井先生ではありませんか…!」
文次郎が大声でとびかかってくる。
後ろに跳び退きひらりと躱すも、だんだん腹がたってきた。
私は4人にチョークを投げると大きく距離をとって大声で返した。
「何を勘違いしてるのか知らないが、そもそも三禁とは、その三つにかまけて他の大事なものを疎かにしないようにというものだ!」
4人の動きがぴたりと止まった。
「私は、忍であっても大切な人をもって人間らしく生きることがいけないとは思わないし、お前たちにも忍という道のなかでも人としての幸せをもって生きてほしいと思っている。」
文次郎が納得できないという顔で返してきた。
「…でしたらせめてもっと生徒の目につかないようにですね…。」
「あー、いや、それはその……すまん、気をつける。」
どのことを指しているのだろうと振り返っていると、留三郎が静かに厳しい目で言った。
「…我々のような忍と一緒にいたら、相手にも危険が及ぶかもしれません…手を出すべきではないと、思わなかったのですか。」
私はぐっと拳を握った。
そんなことは何度も自問自答したことだ。
「…それができるならとうにしてるさ。私には、彼女が…たまみさんが必要だったから……だから、私が必ず守ると決めたんだ!」