第35話 噂の調査
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
数刻後。
「…あの、利吉さん。噂の調査って…」
着いたのは、若者がたくさん並んでいる甘味屋さんだった。
「はい、ここがすごく美味しくて人気だという噂です。」
利吉さんはにっこりと言いきった。
「…!」
また何だかんだで連れ出されてしまった!?
利吉さんはにこにこしながら、「今日は他に仕事もありませんしノンビリいきましょう。」と爽やかに笑った。
「ちょ、ちょっと待ってください。厄介な調査って…!?」
「実は学園長先生が、彼女さんを怒らせてしまったらしいんです。」
「…?」
「それで、お詫びにここの人気のあんみつをご馳走したいから実際どんなものか調べてきてほしいと頼まれまして。しかしそのあんみつ、特別メニューなんです。」
「特別メニュー?」
「はい。世話好きの店主が、男女ペアの客にだけ特別に出すメニューなんです。これは一人では注文できないので誰かを連れてこなくてはいけなくて。たまみさんもお疲れのようでしたので一緒にどうかなと。」
利吉さんは楽しげに他のお客さんを見渡して観察している。
一見するとただ甘味を食べに来ただけに見えるのが、調査を自然にできるプロ忍の技なのか本当に楽しんでいるのか分からないのがすごい。
利吉さんは感心する私を不思議そうに見たあと言葉を続けた。
「あと学園長先生が、お詫びの完全なデートプランを立ててほしいと仰っていて…。」
「完全なデートプラン?」
「女性が喜びそうなおすすめの場所が知りたいそうです。…もしたまみさんなら、どんなところに行きたいですか。」
「えぇー…。でもそれはその彼女さんの好みにもよるのでは…。個人的には小物やさんとか景色の綺麗なところとかが好きですけど…。」
「なるほど。」
「何が見たいか直接本人に聞くのが一番なのでは…。」
「そうですね、とりあえず参考意見だけ報告しておきます。…ちなみに普通メニューだと、みたらし団子が一番人気なんですよ。」
「…みたらし団子。」
つい想像してしまって、ごくりと唾を飲み込む。
「他にも、草団子とか三色団子とかあんこの乗ったお団子とかもありますよ。」
利吉さんがちらりと私を見た。
私の気持ちはもうどのお団子にしようかなという方向に向いていて、こどものようにワクワクとした顔になっていた。
「なんなら全部食べてもいいですよ。余ったら食べてあげますから。」
利吉さんがクスクス笑いながらからかうように言う。
「いえ、全部頼んでも完食できる自信はありますが太ってしまうので…!」
私はどれにしようか真剣に迷いだした。
結局、あんみつとお団子全種類を頼んで利吉さんと半分こにしてしまった。
私は普段食べられない甘いものにお腹も心も満たされてほくほくとした気分で店を出た。
「たまみさんってほんとに嬉しそうに食べますね。」
利吉さんも嬉しそうに笑っていた。
食いしん坊な子どもみたいだったかと少し恥ずかしくなって、私は下を向いた。
「すみません、私に付き合って半分ずつ食べてもらって…。」
「たまみさんと半分こにできるなんて嬉しい限りですよ。それに、噂は本当だったと分かりました。」
「…利吉さんって、甘いもの好きなんですか?詳しいですよね。」
利吉さんは食堂でお昼が一緒になったときもよくその手の話題をふってくるし、お土産を持ってきてくれるときも甘いものが多かった。
私が不思議に思って聞いてみると、
「たまみさんが甘いものが好きだから、調べるようになったんですよ。」
利吉さんはそう言うと微笑んだ。
「仕事柄あちこち行くことが多いですが、機会があれば美味しい甘味屋さんがないか聞くようにしてるんです。…またたまみさんと一緒に行けたらいいなと思いまして。お店の場所が遠いときはお土産にしたりとか。」
真っ直ぐに見つめてくる利吉さんを直視できなくて、私は俯いた。
「あ、ありがとうございます…」
「たまみさんの嬉しそうな顔を見ていると私も楽しいんです。」
またそんなことを言うものだから、私はますます顔が上げられなくなった。
なんと返したらいいのか言葉が見つからなかった。
「…あの、利吉さん。噂の調査って…」
着いたのは、若者がたくさん並んでいる甘味屋さんだった。
「はい、ここがすごく美味しくて人気だという噂です。」
利吉さんはにっこりと言いきった。
「…!」
また何だかんだで連れ出されてしまった!?
利吉さんはにこにこしながら、「今日は他に仕事もありませんしノンビリいきましょう。」と爽やかに笑った。
「ちょ、ちょっと待ってください。厄介な調査って…!?」
「実は学園長先生が、彼女さんを怒らせてしまったらしいんです。」
「…?」
「それで、お詫びにここの人気のあんみつをご馳走したいから実際どんなものか調べてきてほしいと頼まれまして。しかしそのあんみつ、特別メニューなんです。」
「特別メニュー?」
「はい。世話好きの店主が、男女ペアの客にだけ特別に出すメニューなんです。これは一人では注文できないので誰かを連れてこなくてはいけなくて。たまみさんもお疲れのようでしたので一緒にどうかなと。」
利吉さんは楽しげに他のお客さんを見渡して観察している。
一見するとただ甘味を食べに来ただけに見えるのが、調査を自然にできるプロ忍の技なのか本当に楽しんでいるのか分からないのがすごい。
利吉さんは感心する私を不思議そうに見たあと言葉を続けた。
「あと学園長先生が、お詫びの完全なデートプランを立ててほしいと仰っていて…。」
「完全なデートプラン?」
「女性が喜びそうなおすすめの場所が知りたいそうです。…もしたまみさんなら、どんなところに行きたいですか。」
「えぇー…。でもそれはその彼女さんの好みにもよるのでは…。個人的には小物やさんとか景色の綺麗なところとかが好きですけど…。」
「なるほど。」
「何が見たいか直接本人に聞くのが一番なのでは…。」
「そうですね、とりあえず参考意見だけ報告しておきます。…ちなみに普通メニューだと、みたらし団子が一番人気なんですよ。」
「…みたらし団子。」
つい想像してしまって、ごくりと唾を飲み込む。
「他にも、草団子とか三色団子とかあんこの乗ったお団子とかもありますよ。」
利吉さんがちらりと私を見た。
私の気持ちはもうどのお団子にしようかなという方向に向いていて、こどものようにワクワクとした顔になっていた。
「なんなら全部食べてもいいですよ。余ったら食べてあげますから。」
利吉さんがクスクス笑いながらからかうように言う。
「いえ、全部頼んでも完食できる自信はありますが太ってしまうので…!」
私はどれにしようか真剣に迷いだした。
結局、あんみつとお団子全種類を頼んで利吉さんと半分こにしてしまった。
私は普段食べられない甘いものにお腹も心も満たされてほくほくとした気分で店を出た。
「たまみさんってほんとに嬉しそうに食べますね。」
利吉さんも嬉しそうに笑っていた。
食いしん坊な子どもみたいだったかと少し恥ずかしくなって、私は下を向いた。
「すみません、私に付き合って半分ずつ食べてもらって…。」
「たまみさんと半分こにできるなんて嬉しい限りですよ。それに、噂は本当だったと分かりました。」
「…利吉さんって、甘いもの好きなんですか?詳しいですよね。」
利吉さんは食堂でお昼が一緒になったときもよくその手の話題をふってくるし、お土産を持ってきてくれるときも甘いものが多かった。
私が不思議に思って聞いてみると、
「たまみさんが甘いものが好きだから、調べるようになったんですよ。」
利吉さんはそう言うと微笑んだ。
「仕事柄あちこち行くことが多いですが、機会があれば美味しい甘味屋さんがないか聞くようにしてるんです。…またたまみさんと一緒に行けたらいいなと思いまして。お店の場所が遠いときはお土産にしたりとか。」
真っ直ぐに見つめてくる利吉さんを直視できなくて、私は俯いた。
「あ、ありがとうございます…」
「たまみさんの嬉しそうな顔を見ていると私も楽しいんです。」
またそんなことを言うものだから、私はますます顔が上げられなくなった。
なんと返したらいいのか言葉が見つからなかった。