第34話 あい言葉
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おつかいから戻るとは組のみんなから変な質問を受けた。
答えないと忍術学園に入れてもらえないようで、困ったことになってしまった。
まさかこんなところで、土井先生が好きですなんて言えるわけがない。
一年は組のみんなが好きもいう答えでは納得してもらえず、どうしようかと迷っていると…
「真面目に答えようとしなくていいですよ。」
「土井先生!?」
今まさに考えていた人が、どこからともなく背後に現れた。
土井先生はおもむろに私を横抱きに抱えて、門の横の塀に跳び乗った。
「あー!土井先生!ちゃんと合言葉を言って門から入ってもらわなくちゃ困ります!」
「やかましい!そんなものは合言葉でもなんでもない!変な質問でたまみさんを困らせるんじゃない!」
口々に文句を言うは組の生徒を無視して、土井先生は私を抱えて学園の中に降り立った。
「土井先生ありがとうございます、門のなかに入れてもらえなくて困っていたので助かりました…。」
そう言うと、土井先生は私を降ろして苦笑した。
「学園長先生の突然の思いつきで、一年は組の生徒が忍術学園の警備を任されたんです。それで合言葉を言わせようとしてあんなことに…。」
そうだったのか、てっきり遊びかなにかかと思ってしまった。
でもよく考えるとここは忍術学園で忍たまといえど忍者だもんね…。
「…ところでたまみさん、おつかいですか?」
土井先生が眉間にしわを寄せて難しい顔で聞いてきた。
しまった、1人で出たことを怒られる…!と勘づいた私は身構えておずおず答えた。
「あ、えっと、急にお塩が足りなくなっちゃって、ちょっとおつかいに…。」
「どうして声をかけてくれなかったんですか。まだ外は不慣れでしょう。」
「…すみません、土井先生忙しそうだったから…」
「他の誰かに付き添いを頼むこともできますし、せめて一言でも言ってくれたら…!」
「……すみません…。」
土井先生に怒られてしまった。
しゅんとして俯くと、一年は組のみんながこちらを見て何やらこそこそと話している。
「土井先生、あんなに怒らなくても…。」
「いや、あれは心配だから言ってるんだよ。」
「土井先生、心配性だよねぇ。」
「でもそれだけ大事におもってるってこと…」
「つまりそれって…」
「お前たち、聞こえているぞ。」
私には聞き取れなかったが、土井先生には分かったらしい。
「ほら、持ち場に戻りなさい。六年生が門をくぐって帰ってきてるぞ。」
「「「「「あーっ!!」」」」」」
土井先生の一声で一年は組のみんなは慌てて門に走っていった。
すると、土井先生は私の荷物を持ち食堂へ一緒に歩きだした。
私は俯いたまま、彼の足元を見つめて歩を合わせる。
「土井先生、すみません…次から気をつけます。」
「いや……私こそ、つい言い過ぎて……」
「いえ、私が甘かったです。何かあればご迷惑をかけるのに、もっと気をつけます。」
「…………」
土井先生がピタリと歩みを止めた。
サッと周りを見渡し、少し建物の陰に入るよう私を促す。
どうしたのかと思った瞬間…
「!」
土井先生の大きな手が、そっと優しく私の頭を抱き寄せた。
「……迷惑とか、そういうのではなくて…」
優しく触れる胸から感じる鼓動。
力強く温かい感触。
「たまみさんのことが……心配なんです…。」
「……!」
驚いて見上げると、土井先生は優しい眼差しで真っ直ぐに私を見つめていた。
傾きかけた夕陽が彼の優しい顔を柔らかく照らしていて…私は息をするのも忘れて見つめ返した。
土井先生の大きな手が…そっと優しく私を抱きしめる。
心臓が止まりそうになった。
私は咄嗟に言葉も出せなくて固まってしまい、それでも気持ちを返さなくてはと抱きしめかえそうとした瞬間。
土井先生がパッと身を離すと同時に遠くから食堂のおばちゃんの声が聞こえた。
「たまみちゃーん、戻ったのかい!?」
「はっ!はぃっ!た、ただいま戻りましたぁー!」
私は精一杯の普通を装って返事をしたけれど、道端の石に盛大に転びかけて危ういところを土井先生に助けてもらったり…恥ずかしいやら何やら落ち着くのに大分時間がかかってしまった。
答えないと忍術学園に入れてもらえないようで、困ったことになってしまった。
まさかこんなところで、土井先生が好きですなんて言えるわけがない。
一年は組のみんなが好きもいう答えでは納得してもらえず、どうしようかと迷っていると…
「真面目に答えようとしなくていいですよ。」
「土井先生!?」
今まさに考えていた人が、どこからともなく背後に現れた。
土井先生はおもむろに私を横抱きに抱えて、門の横の塀に跳び乗った。
「あー!土井先生!ちゃんと合言葉を言って門から入ってもらわなくちゃ困ります!」
「やかましい!そんなものは合言葉でもなんでもない!変な質問でたまみさんを困らせるんじゃない!」
口々に文句を言うは組の生徒を無視して、土井先生は私を抱えて学園の中に降り立った。
「土井先生ありがとうございます、門のなかに入れてもらえなくて困っていたので助かりました…。」
そう言うと、土井先生は私を降ろして苦笑した。
「学園長先生の突然の思いつきで、一年は組の生徒が忍術学園の警備を任されたんです。それで合言葉を言わせようとしてあんなことに…。」
そうだったのか、てっきり遊びかなにかかと思ってしまった。
でもよく考えるとここは忍術学園で忍たまといえど忍者だもんね…。
「…ところでたまみさん、おつかいですか?」
土井先生が眉間にしわを寄せて難しい顔で聞いてきた。
しまった、1人で出たことを怒られる…!と勘づいた私は身構えておずおず答えた。
「あ、えっと、急にお塩が足りなくなっちゃって、ちょっとおつかいに…。」
「どうして声をかけてくれなかったんですか。まだ外は不慣れでしょう。」
「…すみません、土井先生忙しそうだったから…」
「他の誰かに付き添いを頼むこともできますし、せめて一言でも言ってくれたら…!」
「……すみません…。」
土井先生に怒られてしまった。
しゅんとして俯くと、一年は組のみんながこちらを見て何やらこそこそと話している。
「土井先生、あんなに怒らなくても…。」
「いや、あれは心配だから言ってるんだよ。」
「土井先生、心配性だよねぇ。」
「でもそれだけ大事におもってるってこと…」
「つまりそれって…」
「お前たち、聞こえているぞ。」
私には聞き取れなかったが、土井先生には分かったらしい。
「ほら、持ち場に戻りなさい。六年生が門をくぐって帰ってきてるぞ。」
「「「「「あーっ!!」」」」」」
土井先生の一声で一年は組のみんなは慌てて門に走っていった。
すると、土井先生は私の荷物を持ち食堂へ一緒に歩きだした。
私は俯いたまま、彼の足元を見つめて歩を合わせる。
「土井先生、すみません…次から気をつけます。」
「いや……私こそ、つい言い過ぎて……」
「いえ、私が甘かったです。何かあればご迷惑をかけるのに、もっと気をつけます。」
「…………」
土井先生がピタリと歩みを止めた。
サッと周りを見渡し、少し建物の陰に入るよう私を促す。
どうしたのかと思った瞬間…
「!」
土井先生の大きな手が、そっと優しく私の頭を抱き寄せた。
「……迷惑とか、そういうのではなくて…」
優しく触れる胸から感じる鼓動。
力強く温かい感触。
「たまみさんのことが……心配なんです…。」
「……!」
驚いて見上げると、土井先生は優しい眼差しで真っ直ぐに私を見つめていた。
傾きかけた夕陽が彼の優しい顔を柔らかく照らしていて…私は息をするのも忘れて見つめ返した。
土井先生の大きな手が…そっと優しく私を抱きしめる。
心臓が止まりそうになった。
私は咄嗟に言葉も出せなくて固まってしまい、それでも気持ちを返さなくてはと抱きしめかえそうとした瞬間。
土井先生がパッと身を離すと同時に遠くから食堂のおばちゃんの声が聞こえた。
「たまみちゃーん、戻ったのかい!?」
「はっ!はぃっ!た、ただいま戻りましたぁー!」
私は精一杯の普通を装って返事をしたけれど、道端の石に盛大に転びかけて危ういところを土井先生に助けてもらったり…恥ずかしいやら何やら落ち着くのに大分時間がかかってしまった。