第32話 端午の節句
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その夜。
そろそろ寝ようかという頃にたまみさんが職員室にやって来た。
「失礼します。山田先生、土井先生、菖蒲酒飲みませんか?」
お盆の上には、お酒とお猪口とちまきが乗っていた。
「ちまきも食べ損ねたんじゃないかなと思って持ってきました。」
「おぉ、すまんな。では少しだけいただこうか。」
「じゃあ私も…ありがとうございます。」
たまみさんは山田先生と私にお猪口を渡して菖蒲酒をついでくれた。
爽やかな風味がついていて美味しい。
「いい酒だな。昼間の疲れが取れていくようだ。」
山田先生がふぅっとため息をもらす。
確かに、疲れていた気分が酒に癒されていく気がする。
彼女もいるからだろうか。
「お二人とも毎日遅くまで頑張ってらっしゃいますもんね。」
「それはたまみくんもだろう。…どうだたまには一口飲んでみるかね?」
「山田先生、彼女は本当にお酒に弱くて…!」
「そうか?無理には勧めんがこの時期に菖蒲を摂るのは健康にもよくて…」
「いえ、そうだとしても…」
ちらりとたまみさんの顔を見てみる。
すると彼女は菖蒲酒をじっと見つめて興味のありそうな表情をしていた。
「えっと…じゃあちょびっと味見だけ…いいですか?」
たまみさんが私に是非を問うかような目線を向けた。
そんな顔をされると駄目だと言いにくいというか…まぁ今は私もついているし部屋も隣ではあるが…。
少し躊躇ったのち仕方なく頷くと、彼女はお猪口にほんの少しだけ入れられた菖蒲酒を口にした。
「んー…」
「どうだ?」
「…お酒の味はよく分からないです…。」
「ははは、そうかそうか。」
正直に子どものような感想を述べて微妙な顔をしたので、山田先生と私は笑って頷いた。
それからちまきを食べたり暫く3人で一年は組の話をしていると、たまみさんが眠そうにうとうとしだした。
「一口でこれか…まぁ疲れもあるだろうが本当に酒に弱いのだな。」
「たまみさん、そろそろ寝ましょうか。」
「…………」
たまみさんは眠そうな目を擦りながらぼんやりと頷いた。
寝ぼけた子どものように可愛らしい動きに、私と山田先生は苦笑いして顔を見合わせた。
「半助、部屋まで送ってやんなさい。」
「はい。…たまみさん、立てますか?」
「………」
返事がないので顔を覗き込むと、彼女は目を閉じて寝かけていた。
私は仕方なく彼女を横抱きに抱えて立ち上がり職員室を出た。
そのままたまみさんの部屋に入り、布団を敷いてその上に彼女を寝かせた。
なんだか前と同じだなぁと思いつつ、彼女の寝顔を眺めてみる。
昼間の笑顔も可愛いけど、この無邪気な寝顔も可愛いんだよな…。
私は眠る彼女の額にそっと口づけた。
ほんのり、菖蒲湯の香りがする。
…自分も少し酔っているのだろうか。
それだけでは満足できなくて、私は彼女の右頬に手を当てると、左頬にゆっくり口づけた。
彼女はまだ眠っている。
……もっと…。
私はそのまま首筋に唇をおとした。
「んっ…」
彼女の声に、ハッと我にかえった。
危ない。
いま自分は何をしようとしていた…?
私は頭を振って彼女の寝顔をもう一度眺めた。
すやすやと眠る彼女の髪を一撫でして、名残惜しくも立ち上がる。
「…おやすみ。」
そして私は静かに障子を閉めた。
そろそろ寝ようかという頃にたまみさんが職員室にやって来た。
「失礼します。山田先生、土井先生、菖蒲酒飲みませんか?」
お盆の上には、お酒とお猪口とちまきが乗っていた。
「ちまきも食べ損ねたんじゃないかなと思って持ってきました。」
「おぉ、すまんな。では少しだけいただこうか。」
「じゃあ私も…ありがとうございます。」
たまみさんは山田先生と私にお猪口を渡して菖蒲酒をついでくれた。
爽やかな風味がついていて美味しい。
「いい酒だな。昼間の疲れが取れていくようだ。」
山田先生がふぅっとため息をもらす。
確かに、疲れていた気分が酒に癒されていく気がする。
彼女もいるからだろうか。
「お二人とも毎日遅くまで頑張ってらっしゃいますもんね。」
「それはたまみくんもだろう。…どうだたまには一口飲んでみるかね?」
「山田先生、彼女は本当にお酒に弱くて…!」
「そうか?無理には勧めんがこの時期に菖蒲を摂るのは健康にもよくて…」
「いえ、そうだとしても…」
ちらりとたまみさんの顔を見てみる。
すると彼女は菖蒲酒をじっと見つめて興味のありそうな表情をしていた。
「えっと…じゃあちょびっと味見だけ…いいですか?」
たまみさんが私に是非を問うかような目線を向けた。
そんな顔をされると駄目だと言いにくいというか…まぁ今は私もついているし部屋も隣ではあるが…。
少し躊躇ったのち仕方なく頷くと、彼女はお猪口にほんの少しだけ入れられた菖蒲酒を口にした。
「んー…」
「どうだ?」
「…お酒の味はよく分からないです…。」
「ははは、そうかそうか。」
正直に子どものような感想を述べて微妙な顔をしたので、山田先生と私は笑って頷いた。
それからちまきを食べたり暫く3人で一年は組の話をしていると、たまみさんが眠そうにうとうとしだした。
「一口でこれか…まぁ疲れもあるだろうが本当に酒に弱いのだな。」
「たまみさん、そろそろ寝ましょうか。」
「…………」
たまみさんは眠そうな目を擦りながらぼんやりと頷いた。
寝ぼけた子どものように可愛らしい動きに、私と山田先生は苦笑いして顔を見合わせた。
「半助、部屋まで送ってやんなさい。」
「はい。…たまみさん、立てますか?」
「………」
返事がないので顔を覗き込むと、彼女は目を閉じて寝かけていた。
私は仕方なく彼女を横抱きに抱えて立ち上がり職員室を出た。
そのままたまみさんの部屋に入り、布団を敷いてその上に彼女を寝かせた。
なんだか前と同じだなぁと思いつつ、彼女の寝顔を眺めてみる。
昼間の笑顔も可愛いけど、この無邪気な寝顔も可愛いんだよな…。
私は眠る彼女の額にそっと口づけた。
ほんのり、菖蒲湯の香りがする。
…自分も少し酔っているのだろうか。
それだけでは満足できなくて、私は彼女の右頬に手を当てると、左頬にゆっくり口づけた。
彼女はまだ眠っている。
……もっと…。
私はそのまま首筋に唇をおとした。
「んっ…」
彼女の声に、ハッと我にかえった。
危ない。
いま自分は何をしようとしていた…?
私は頭を振って彼女の寝顔をもう一度眺めた。
すやすやと眠る彼女の髪を一撫でして、名残惜しくも立ち上がる。
「…おやすみ。」
そして私は静かに障子を閉めた。