第37話 対決
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朝、目が覚めて。
昨夜のことを思い出した。
『きみを……私のものにしていいのだろうか…。』
土井先生の声が記憶のなかで甘く響く。
私は叫び出したいほど悶絶しながら再び布団にもぐった。
あああああ!
夢!?じゃない!!
どんな顔して今日会えばいいんだろう…!
昨夜は結局、山田先生がすぐ戻るだろうからと、土井先生とあれ以上話すことはできなかった。
…仕事中は今まで通りにしなければ。
私は平常心平常心…と心のなかで唱えた。
土井先生は全くいつも通りだった。
まるで、昨日のことなど何もなかったかのように。
もしかして夢か幻だったのかなとすら思ってしまった。
そして、さすが忍者の先生だと思いながらも、ほんの少し寂しい気持ちもした。
午後は裏山での実技訓練を手伝うとのことで、二人きりで話すタイミングもなかった。
「……どいせんせ…」
そう呟いたとき、斎藤タカ丸くんが廊下を歩いてきた。
き、聞かれた…!?
焦ってタカ丸くんの顔を伺ってみたけれど、その様子から私の呟きは聞こえていなかったようだった。
「?…たまみさん、どうかしましたか?」
「あ、ううん、何でもない…!」
「?…あれ、前髪が目にかかってますねぇ…ちょっと切ってさしあげます。」
「えっ!?」
返事をする間もなく、タカ丸くんはあっという間に前髪を整えて切ってくれた。
「はい、できましたよ~!後ろもついでに…そうだ、いま流行りの髪型がありまして…」
タカ丸くんが私の後ろ髪を品定めするようにサラリと手に取った。
つい最近、ゆきちゃん達が斬新というかファンシーな髪型になっていたことを思い出し、私は慌てて笑顔で手を振った。
「ありがとう!でも今ちょっと急いでて…また今度ゆっくりお願いするね〜!」
「そうですか?ではまたいつでも仰ってくださいねぇ。」
互いに笑顔で手を振り、ごく自然な流れでそそくさとその場から逃げることに成功した。
しかし私は気づかなかった。
私が立ち去ったあと、タカ丸くんが腕を組んで考えこんでいたことを。
「…ん?あれっ…、さっきのはもしかして……。」
タカ丸くんは記憶を手繰るように顎に手を当てながら歩き出していた。
昨夜のことを思い出した。
『きみを……私のものにしていいのだろうか…。』
土井先生の声が記憶のなかで甘く響く。
私は叫び出したいほど悶絶しながら再び布団にもぐった。
あああああ!
夢!?じゃない!!
どんな顔して今日会えばいいんだろう…!
昨夜は結局、山田先生がすぐ戻るだろうからと、土井先生とあれ以上話すことはできなかった。
…仕事中は今まで通りにしなければ。
私は平常心平常心…と心のなかで唱えた。
土井先生は全くいつも通りだった。
まるで、昨日のことなど何もなかったかのように。
もしかして夢か幻だったのかなとすら思ってしまった。
そして、さすが忍者の先生だと思いながらも、ほんの少し寂しい気持ちもした。
午後は裏山での実技訓練を手伝うとのことで、二人きりで話すタイミングもなかった。
「……どいせんせ…」
そう呟いたとき、斎藤タカ丸くんが廊下を歩いてきた。
き、聞かれた…!?
焦ってタカ丸くんの顔を伺ってみたけれど、その様子から私の呟きは聞こえていなかったようだった。
「?…たまみさん、どうかしましたか?」
「あ、ううん、何でもない…!」
「?…あれ、前髪が目にかかってますねぇ…ちょっと切ってさしあげます。」
「えっ!?」
返事をする間もなく、タカ丸くんはあっという間に前髪を整えて切ってくれた。
「はい、できましたよ~!後ろもついでに…そうだ、いま流行りの髪型がありまして…」
タカ丸くんが私の後ろ髪を品定めするようにサラリと手に取った。
つい最近、ゆきちゃん達が斬新というかファンシーな髪型になっていたことを思い出し、私は慌てて笑顔で手を振った。
「ありがとう!でも今ちょっと急いでて…また今度ゆっくりお願いするね〜!」
「そうですか?ではまたいつでも仰ってくださいねぇ。」
互いに笑顔で手を振り、ごく自然な流れでそそくさとその場から逃げることに成功した。
しかし私は気づかなかった。
私が立ち去ったあと、タカ丸くんが腕を組んで考えこんでいたことを。
「…ん?あれっ…、さっきのはもしかして……。」
タカ丸くんは記憶を手繰るように顎に手を当てながら歩き出していた。