第15話 犯人は誰
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図書室で火薬について調べものをしていると学園長先生に呼び出された。
またいつもの迷惑な思いつきではないかと嫌な予感にかられながら庵に向かう。
「土井先生、悪いが部屋に運んでくれないかね。」
「たまみさん!?」
学園長先生の庵には、たまみさんが横たわっていた。
赤い顔をしてスヤスヤと眠っている。
「何があったんですか!?」
「いやぁ、それが…ちょっと珍しいお酒を手にいれてな。少し飲んでみようと思ったところにちょうどたまみちゃんが通りかかったから、話し相手にとお酌を頼んだんじゃが…。」
「飲ませたんですか。」
「ほんのひとくちだけじゃよ!しかしすぐに赤くなって眠ってしまったんじゃ。」
ほんのひとくちって、一体何をしているんだ学園長は…!
私はため息をついてたまみさんを抱えた。
「わかりました。部屋に運んでおきます。」
「すまんの。食堂のおばちゃんにはわしから言っておく。」
抱き抱えて運ぶ腕のなか、たまみさんは気持ち良さそうにスヤスヤと眠っている。
彼女の部屋に入り、一度畳に寝かせると、押し入れから布団を出して敷く。
たまみさんを布団の上に寝かせようと再び抱き上げたとき、その長い睫毛が揺れて目が薄く開いた。
「土井せんせ…?」
「!…えー、と、これはですね、たまみさんがお酒を飲んで眠ってしまったので、学園長先生から、部屋に運ぶよう言われまして…」
何も悪いことはしていないのに何故か言い分けがましく聞こえた。
たまみさんはぼーっとこちらを見ている。
まだ酔いがさめないのだろうか。
「…気分はどうですか?」
「…ぎゅってして。」
!?
いま、なんと。
聞き間違いかと黙って見ていたら、たまみさんが私の首に腕を回してきた。
「ぎゅってして…」
耳元で可愛く囁く声がして、体が固まった。
たまみさんは私の首に抱きついてじっとしている。
落ち着け。
彼女は酔っているんだ。
「たまみさん、少し、横になりましょう。」
「………」
イヤだというように、さらに強く抱きついてくる。
「土井先生のにおい…」
たまみさんは猫がじゃれるように頬を擦り寄せてきた。
彼女の方こそ甘いようないい香りがする。
滑らかな頬の肌が柔らかくて…
「………ッ!」
首筋にかかる彼女の浅い呼吸。
小柄で柔らかい身体の感触。
甘えてくる可愛い声。
…は、離れなければ…!
そう心では思いながらも、私の手は知らぬうちに彼女の背をゆるゆると撫でていた。
「ん……気持ちい…」
ほとんど吐息になった声が耳をくすぐる。
心地良さそうに身を預けてきた。
…こ、これ、は……ッ!
もしや誘われているのか。
いやいや、たまみさんは酔っているだけだ。
そうだ。
そうに違いない。
早くなる鼓動が伝わってしまうのではないかと思ったとき。
ちゅっ
首筋に、柔らかい感触。
彼女が私の首に吸い付いてきた。
「!!」
たまみさんは吸い付いたまま離れず、暫くしてゆっくり唇を離した。
「…私の。」
「!!」
それは……私が彼女のもの、という意味か。
いやいやいやいや、待て、落ち着け私。
まさかそんな…!
固まっていると、たまみさんが少し上体を起こして、私の首筋を見つめた。
「…つかない。」
可愛らしく不満そうな顔をする彼女。
…つかない、とは、跡がつかないという意味か。
たまみさんが、再び、ちゅっと吸い付いてきた。
…吸う力が弱くて跡がつかないのだ。
「っ、たまみさんっ…!」
もどかしい感触に堪えられなくなり、私は彼女の肩をゆっくり後ろに倒した。
そっと顔を近づける。
「……こうするんですよ…」
私は彼女の襟元をはだけさせ、細い首筋に強く吸い付いた。
「んっ…」
彼女の唇から蠱惑的な声が漏れる。
私は暫くしてゆっくり唇を離し、白い肌に残した赤い痣を指でなぞった。
「…私のもの。」
静かにそう言うと、たまみさんは嬉しそうに目を細め、そのまま目を閉じた。
そして、その呼吸はすぐに規則正しいものとなり、眠ってしまったことが分かった。
私は彼女に布団を被せ、
「…はぁぁ~……。」
大きなため息をついた。
しまった。
酔った相手の甘えた悪戯に本気になってしまった。
「あとで、謝らなくては…。」
しかし何と説明したらよいのだろう…。
それにしても、可愛かったな…。
私は複雑な気持ちで彼女の寝顔を暫し眺めていた。
またいつもの迷惑な思いつきではないかと嫌な予感にかられながら庵に向かう。
「土井先生、悪いが部屋に運んでくれないかね。」
「たまみさん!?」
学園長先生の庵には、たまみさんが横たわっていた。
赤い顔をしてスヤスヤと眠っている。
「何があったんですか!?」
「いやぁ、それが…ちょっと珍しいお酒を手にいれてな。少し飲んでみようと思ったところにちょうどたまみちゃんが通りかかったから、話し相手にとお酌を頼んだんじゃが…。」
「飲ませたんですか。」
「ほんのひとくちだけじゃよ!しかしすぐに赤くなって眠ってしまったんじゃ。」
ほんのひとくちって、一体何をしているんだ学園長は…!
私はため息をついてたまみさんを抱えた。
「わかりました。部屋に運んでおきます。」
「すまんの。食堂のおばちゃんにはわしから言っておく。」
抱き抱えて運ぶ腕のなか、たまみさんは気持ち良さそうにスヤスヤと眠っている。
彼女の部屋に入り、一度畳に寝かせると、押し入れから布団を出して敷く。
たまみさんを布団の上に寝かせようと再び抱き上げたとき、その長い睫毛が揺れて目が薄く開いた。
「土井せんせ…?」
「!…えー、と、これはですね、たまみさんがお酒を飲んで眠ってしまったので、学園長先生から、部屋に運ぶよう言われまして…」
何も悪いことはしていないのに何故か言い分けがましく聞こえた。
たまみさんはぼーっとこちらを見ている。
まだ酔いがさめないのだろうか。
「…気分はどうですか?」
「…ぎゅってして。」
!?
いま、なんと。
聞き間違いかと黙って見ていたら、たまみさんが私の首に腕を回してきた。
「ぎゅってして…」
耳元で可愛く囁く声がして、体が固まった。
たまみさんは私の首に抱きついてじっとしている。
落ち着け。
彼女は酔っているんだ。
「たまみさん、少し、横になりましょう。」
「………」
イヤだというように、さらに強く抱きついてくる。
「土井先生のにおい…」
たまみさんは猫がじゃれるように頬を擦り寄せてきた。
彼女の方こそ甘いようないい香りがする。
滑らかな頬の肌が柔らかくて…
「………ッ!」
首筋にかかる彼女の浅い呼吸。
小柄で柔らかい身体の感触。
甘えてくる可愛い声。
…は、離れなければ…!
そう心では思いながらも、私の手は知らぬうちに彼女の背をゆるゆると撫でていた。
「ん……気持ちい…」
ほとんど吐息になった声が耳をくすぐる。
心地良さそうに身を預けてきた。
…こ、これ、は……ッ!
もしや誘われているのか。
いやいや、たまみさんは酔っているだけだ。
そうだ。
そうに違いない。
早くなる鼓動が伝わってしまうのではないかと思ったとき。
ちゅっ
首筋に、柔らかい感触。
彼女が私の首に吸い付いてきた。
「!!」
たまみさんは吸い付いたまま離れず、暫くしてゆっくり唇を離した。
「…私の。」
「!!」
それは……私が彼女のもの、という意味か。
いやいやいやいや、待て、落ち着け私。
まさかそんな…!
固まっていると、たまみさんが少し上体を起こして、私の首筋を見つめた。
「…つかない。」
可愛らしく不満そうな顔をする彼女。
…つかない、とは、跡がつかないという意味か。
たまみさんが、再び、ちゅっと吸い付いてきた。
…吸う力が弱くて跡がつかないのだ。
「っ、たまみさんっ…!」
もどかしい感触に堪えられなくなり、私は彼女の肩をゆっくり後ろに倒した。
そっと顔を近づける。
「……こうするんですよ…」
私は彼女の襟元をはだけさせ、細い首筋に強く吸い付いた。
「んっ…」
彼女の唇から蠱惑的な声が漏れる。
私は暫くしてゆっくり唇を離し、白い肌に残した赤い痣を指でなぞった。
「…私のもの。」
静かにそう言うと、たまみさんは嬉しそうに目を細め、そのまま目を閉じた。
そして、その呼吸はすぐに規則正しいものとなり、眠ってしまったことが分かった。
私は彼女に布団を被せ、
「…はぁぁ~……。」
大きなため息をついた。
しまった。
酔った相手の甘えた悪戯に本気になってしまった。
「あとで、謝らなくては…。」
しかし何と説明したらよいのだろう…。
それにしても、可愛かったな…。
私は複雑な気持ちで彼女の寝顔を暫し眺めていた。