硝子の誓い
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水面は静かだった。
鏡のように滑らかな海が、空の鈍い灰色をそのまま映し返している。
ボートの底が、チャポ、チャポ、と水を揺らすたび、さざ波が広がり、岸辺の影を歪ませた。
その上に浮かぶ、小さな木製の舟。
湿気と海塩で染みた板が、重さにきしむ。
風はほとんどなく、空は低く、どこか重たい。まるでこの先に待つものを予感しているかのようだった。
そんな中、依頼人・タズナの声が、不意に空気を切る。
「先生さんよ……ちょっと話したいことがある」
その声には、今までの飄々とした態度とは違う、切迫した色がにじんでいた。
――海運会社の大富豪、“ガトー”。
表では商人として名を馳せ、裏では武装集団や抜け忍を使い、波の国を支配しているという。
タズナの橋建設は、その独裁体制を揺るがし、里の繁栄をもたらすまさに架け橋になるもの。
ゆえに、タズナの命を狙う刺客が差し向けられている、と。
話を聞き終えたカカシは、しばし沈思したのち、ふと横目でナマエを見る。
二人の視線がカチリと合う。
「まぁ…お前らがこの任務をやめればワシは確実に殺されるじゃろう…が…なーーーに!お前らが気にすることはない。ワシが死んでも10歳になるかわいい孫が一日中泣くだけじゃ!!
あっ!それにワシの娘も木ノ葉の忍者を一生恨んで寂しく生きていくだけじゃ!いやなに、お前たちのせいじゃない!」
「……」
狡い言い方だ、と思った。
そしてそれは現に有効な手だった。“情に流されるな”と訓練で教えられても、実際に目の前の誰かが殺されるかもしれないとなれば話は違う。
だが、ナマエには関係なかった。
関係のない話、のはずだった。多少、任務の条件が変わっただけだと、そう思い込んでいた。この2週間で起きることも知らずに。
「ま、仕方ないですね。国へ帰る間だけでも護衛を続けましょう」
それは、誰にとっても異論のない結論だった。
やがて舟は岸辺に着き、水面が小さく砕けて白く泡立つ。
木を軋ませる最後の揺れと共に、4人が浜へ降り立った。
すぐにカカシが、ナマエにだけ声をかける。
「ナマエ、ちょっと話がある」
「はい」
二人は、茂みの奥へと歩を進める。
人目の届かない、静かな場所。カカシは残した4人に危険がないことを確認してから、口を開いた。
「ナマエ。次に出てくるやつは、中忍以上、もしかしたら上忍かもしれない」
「はい」
「俺の手に負えない可能性もある。だが、その時も…」
「わかっています。素顔の時に、術式は出しません。」
「……それを徹底してくれ」
それは、ナマエがずっと心に重く抱えていた命令だった。
苗字一族の能力――チャクラによる術を吸収し、無効化する結界は、あまりにも強力すぎた。
戦争の火種にもなり得るそれを、木ノ葉は恐れていた。
だからこそ、ナマエは素顔では使えない。
暗部の仮面をつけた時、そして選ばれた任務でのみ、それは許される。
戻ってきた二人に、ナルトがからかうようにひそひそ言った。
「なんかエロいことされなかったか?」
「そんなんじゃないよ」
少しだけ困ったように表情をゆるめて、首を横に振る。
ナルトはその言葉を聞くと、ほっとしたように胸を撫でた。
その後、ニカっとナマエに笑顔を向ける。
「なんかあったら言えってばよ!オレがなんとかしてやる!」
その言葉に面食らったようにナマエは目を見開いた。わずかに戸惑ったようにただ、その言葉がナルト生来の持つ純粋な気持ちであることに気づいて、わずかに表情が緩む。
「……うん。ありがとう、ナルト」
ナルトの明るさが、わずかにナマエに伝染する。
***
「そこか〜〜〜〜〜!!」
ナルトが、茂みの奥に手裏剣を投げ込むまでは、道中は順調だった。
けれど次の瞬間。
ぴたりと空気が止まったような――そんな“ぞわり”とした寒気が背筋を這った。
(いる………!さっきの男たちとは比べものにならない…!)
「全員伏せろ!」
カカシの声が飛ぶと同時に、何かが頭上を高速で掠めていった。
視界の隅で、木に激突した何かがはじけ飛び、木の皮がバリバリと剥がれ落ちる。
そこに立っていたのは、一人の大男だった。
長身に、尋常ではないほど長く重そうな大剣。
腕力だけで振り回すその姿には、凄まじい圧があった。
「へーこりゃこりゃ。霧隠れの抜け忍、桃地再不斬君じゃないですか」
「写輪眼のカカシと見受ける…悪いが、じじいを渡してもらおうか」
その立ち姿、筋肉のつき方からナマエは瞬時に判断する。
(…この男、おそらく近距離タイプ…)
術での攻撃に対する防御には自信があった。
だが吸収結界は、物理攻撃には一切無力。さきほどの男たちほど実力差があれば別だが、唯一、近接タイプと戦闘が苗字一族の弱点だった。だからこそ、徹底的に敵を避ける訓練を積まされている。
だが、この男に、それが通用するかどうか。
ナマエの内心を察したかのように、カカシが声を飛ばす。
「卍の陣だ。タズナさんを守れ! お前たちは戦いに加わるな。それがここでのチームワークだ」
写輪眼――その赤い瞳が開かれた瞬間。
ナマエの胸が、わずかに締め付けられた。
(あの人と同じ目…)
懐かしさと痛みが一瞬交差する。
任務で何度も共に過ごした、あの瞳。
うちはは見切る瞳。苗字は跳ね返す術。
共に在ってこそ、完全だった、その目。
「忍法・霧隠れの術」
辺りに、もやが立ち込めはじめる。
はじめは薄く、足元を流れるような白い霧。
だがすぐに、空気全体が白く染まり、視界が奪われる。
冷たい霧が肌にまとわりつき、風のない空気が、まるで水の中に沈んでいくかのように重くなる。
(……気配が、消えた…!)
先ほどまで感じていた気配は、霧が濃くなるにつれて完全に遮断された。
ナマエが肌で感じ取れるのは、敵の術の発動と、強い殺気だけ。
今は、どちらも霧の中に沈んでしまった。
「桃地再不斬。こいつは霧隠れの暗部で、無音殺人術の達人として知られた男だ。気づいたらあの世だったなんてことになりかねない」
カカシの声すら、湿った空気の中ではぼやけて聞こえる。
(…死ぬかもしれない)
強い。
その感覚に、ぞくりと背筋が凍る。
いつも前線で守りの要として、仲間から保護されていたナマエが初めて感じた死への恐れだった。
唐突にあの人の言葉が脳裏をよぎる。
『五年後、お前を迎えに行く。それまでに――何を信じるか、己で決めろ』
……その言葉が、ふいに浮かぶ。
まるで走馬灯のようだと自虐的に思った――その時。
ゾクリ、と肌を刺すような殺気。
不意に再不斬の声が響き渡る。
8ヶ所…
「え?なっ…何なの!?」
喉頭、脊柱、肺、肝臓、頸静脈、鎖骨下動脈、腎臓――
「………さて…どの急所がいい?クク…」
“殺すための殺気”が、霧の中に潜んでいる。
視界のない中、ただ気配と気配がぶつかる。
血の匂いすらしそうな、死の気配――。
ふと横で、サスケが震え出したのがわかった。肩がわずかに揺れている。
「……サスケ」
呼びかけるが、反応がない。その瞳は、いつもの冷静さを失い、わずかに見開かれていた。
「っ…………!」
怖い。――動けない。
その気持ちが手にとるようにわかった。
ナルトも、これまでの余裕が消え、顔面をこわばらせていた。拳を握りしめているが、力が入りすぎて指が白くなっている。サクラは両手で口を押さえ、今にも泣き出しそうだ。
触れなくても、わかる。
――こわい
――たすけて
押し寄せてくる。
――誰か、助けて。
(……っ――!)
その時だった。
「サスケ…安心しろ。」
カカシの声が確信を持って、広がる。
「お前達はオレが死んでも守ってやる」
「…!」
「オレの仲間は絶対、殺させやしなーいよ!」
その言葉に、息が詰まった。
カカシに言われた言葉。
「一心同体、“チーム”だからな」
(私は、何をすればいい)
(……どうする? このまま、何もせず?)
(それで、助かる?)
「それはどうかな……?」
不意に背筋が凍りつくような殺気が走った。
(そんなわけ、ない――)
再不斬が近くで、わざと殺気を放ったのだ。この距離、この精度……殺す気だ。
けれど、この近距離で殺気を出せば、大体の方向がわかる。
私だけなら、逃げられる。
でも――
「終わりだ」
ザブザの低く響く声が聞こえた、その瞬間。
(……来る!)
(言う? でも――)
三代目から、ナルトを"守れ"とは、言われていない。
上官の命令は「戦いに加わるな」。
(……っ、でも)
――ナマエ! よろしくな!一緒にがんばろうってばよ!
――なんかあったら言えってばよ!オレがなんとかしてやる!
浮かんだのは――ナルトの声だった。
「……カカシさんっ、丑寅の方向!!」
「きゃっ!」
「なっ……!」
ナマエの手がナルトたちを乱暴に突き飛ばしたのと、カカシがナマエの声に反応したのはほぼ同じタイミングだった。
4人が転がるように倒れたその直後、カカシの体が再不斬の方へと一瞬で動き、再不斬にクナイを突き立てた。
直後、再不斬の水分身がバシャ、と音を立てて崩れ落ちる。しかしながらそれを見越したかのようにカカシも全く同じ技を繰り出した。再び本体同士がぶつかり合い、瞬く間に攻防を繰り広げる。しかしながら。
「動くな…終わりだ」
最後に背後をとったのはカカシだった。
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20260414 加筆修正</a>
鏡のように滑らかな海が、空の鈍い灰色をそのまま映し返している。
ボートの底が、チャポ、チャポ、と水を揺らすたび、さざ波が広がり、岸辺の影を歪ませた。
その上に浮かぶ、小さな木製の舟。
湿気と海塩で染みた板が、重さにきしむ。
風はほとんどなく、空は低く、どこか重たい。まるでこの先に待つものを予感しているかのようだった。
そんな中、依頼人・タズナの声が、不意に空気を切る。
「先生さんよ……ちょっと話したいことがある」
その声には、今までの飄々とした態度とは違う、切迫した色がにじんでいた。
――海運会社の大富豪、“ガトー”。
表では商人として名を馳せ、裏では武装集団や抜け忍を使い、波の国を支配しているという。
タズナの橋建設は、その独裁体制を揺るがし、里の繁栄をもたらすまさに架け橋になるもの。
ゆえに、タズナの命を狙う刺客が差し向けられている、と。
話を聞き終えたカカシは、しばし沈思したのち、ふと横目でナマエを見る。
二人の視線がカチリと合う。
「まぁ…お前らがこの任務をやめればワシは確実に殺されるじゃろう…が…なーーーに!お前らが気にすることはない。ワシが死んでも10歳になるかわいい孫が一日中泣くだけじゃ!!
あっ!それにワシの娘も木ノ葉の忍者を一生恨んで寂しく生きていくだけじゃ!いやなに、お前たちのせいじゃない!」
「……」
狡い言い方だ、と思った。
そしてそれは現に有効な手だった。“情に流されるな”と訓練で教えられても、実際に目の前の誰かが殺されるかもしれないとなれば話は違う。
だが、ナマエには関係なかった。
関係のない話、のはずだった。多少、任務の条件が変わっただけだと、そう思い込んでいた。この2週間で起きることも知らずに。
「ま、仕方ないですね。国へ帰る間だけでも護衛を続けましょう」
それは、誰にとっても異論のない結論だった。
やがて舟は岸辺に着き、水面が小さく砕けて白く泡立つ。
木を軋ませる最後の揺れと共に、4人が浜へ降り立った。
すぐにカカシが、ナマエにだけ声をかける。
「ナマエ、ちょっと話がある」
「はい」
二人は、茂みの奥へと歩を進める。
人目の届かない、静かな場所。カカシは残した4人に危険がないことを確認してから、口を開いた。
「ナマエ。次に出てくるやつは、中忍以上、もしかしたら上忍かもしれない」
「はい」
「俺の手に負えない可能性もある。だが、その時も…」
「わかっています。素顔の時に、術式は出しません。」
「……それを徹底してくれ」
それは、ナマエがずっと心に重く抱えていた命令だった。
苗字一族の能力――チャクラによる術を吸収し、無効化する結界は、あまりにも強力すぎた。
戦争の火種にもなり得るそれを、木ノ葉は恐れていた。
だからこそ、ナマエは素顔では使えない。
暗部の仮面をつけた時、そして選ばれた任務でのみ、それは許される。
戻ってきた二人に、ナルトがからかうようにひそひそ言った。
「なんかエロいことされなかったか?」
「そんなんじゃないよ」
少しだけ困ったように表情をゆるめて、首を横に振る。
ナルトはその言葉を聞くと、ほっとしたように胸を撫でた。
その後、ニカっとナマエに笑顔を向ける。
「なんかあったら言えってばよ!オレがなんとかしてやる!」
その言葉に面食らったようにナマエは目を見開いた。わずかに戸惑ったようにただ、その言葉がナルト生来の持つ純粋な気持ちであることに気づいて、わずかに表情が緩む。
「……うん。ありがとう、ナルト」
ナルトの明るさが、わずかにナマエに伝染する。
***
「そこか〜〜〜〜〜!!」
ナルトが、茂みの奥に手裏剣を投げ込むまでは、道中は順調だった。
けれど次の瞬間。
ぴたりと空気が止まったような――そんな“ぞわり”とした寒気が背筋を這った。
(いる………!さっきの男たちとは比べものにならない…!)
「全員伏せろ!」
カカシの声が飛ぶと同時に、何かが頭上を高速で掠めていった。
視界の隅で、木に激突した何かがはじけ飛び、木の皮がバリバリと剥がれ落ちる。
そこに立っていたのは、一人の大男だった。
長身に、尋常ではないほど長く重そうな大剣。
腕力だけで振り回すその姿には、凄まじい圧があった。
「へーこりゃこりゃ。霧隠れの抜け忍、桃地再不斬君じゃないですか」
「写輪眼のカカシと見受ける…悪いが、じじいを渡してもらおうか」
その立ち姿、筋肉のつき方からナマエは瞬時に判断する。
(…この男、おそらく近距離タイプ…)
術での攻撃に対する防御には自信があった。
だが吸収結界は、物理攻撃には一切無力。さきほどの男たちほど実力差があれば別だが、唯一、近接タイプと戦闘が苗字一族の弱点だった。だからこそ、徹底的に敵を避ける訓練を積まされている。
だが、この男に、それが通用するかどうか。
ナマエの内心を察したかのように、カカシが声を飛ばす。
「卍の陣だ。タズナさんを守れ! お前たちは戦いに加わるな。それがここでのチームワークだ」
写輪眼――その赤い瞳が開かれた瞬間。
ナマエの胸が、わずかに締め付けられた。
(あの人と同じ目…)
懐かしさと痛みが一瞬交差する。
任務で何度も共に過ごした、あの瞳。
うちはは見切る瞳。苗字は跳ね返す術。
共に在ってこそ、完全だった、その目。
「忍法・霧隠れの術」
辺りに、もやが立ち込めはじめる。
はじめは薄く、足元を流れるような白い霧。
だがすぐに、空気全体が白く染まり、視界が奪われる。
冷たい霧が肌にまとわりつき、風のない空気が、まるで水の中に沈んでいくかのように重くなる。
(……気配が、消えた…!)
先ほどまで感じていた気配は、霧が濃くなるにつれて完全に遮断された。
ナマエが肌で感じ取れるのは、敵の術の発動と、強い殺気だけ。
今は、どちらも霧の中に沈んでしまった。
「桃地再不斬。こいつは霧隠れの暗部で、無音殺人術の達人として知られた男だ。気づいたらあの世だったなんてことになりかねない」
カカシの声すら、湿った空気の中ではぼやけて聞こえる。
(…死ぬかもしれない)
強い。
その感覚に、ぞくりと背筋が凍る。
いつも前線で守りの要として、仲間から保護されていたナマエが初めて感じた死への恐れだった。
唐突にあの人の言葉が脳裏をよぎる。
『五年後、お前を迎えに行く。それまでに――何を信じるか、己で決めろ』
……その言葉が、ふいに浮かぶ。
まるで走馬灯のようだと自虐的に思った――その時。
ゾクリ、と肌を刺すような殺気。
不意に再不斬の声が響き渡る。
8ヶ所…
「え?なっ…何なの!?」
喉頭、脊柱、肺、肝臓、頸静脈、鎖骨下動脈、腎臓――
「………さて…どの急所がいい?クク…」
“殺すための殺気”が、霧の中に潜んでいる。
視界のない中、ただ気配と気配がぶつかる。
血の匂いすらしそうな、死の気配――。
ふと横で、サスケが震え出したのがわかった。肩がわずかに揺れている。
「……サスケ」
呼びかけるが、反応がない。その瞳は、いつもの冷静さを失い、わずかに見開かれていた。
「っ…………!」
怖い。――動けない。
その気持ちが手にとるようにわかった。
ナルトも、これまでの余裕が消え、顔面をこわばらせていた。拳を握りしめているが、力が入りすぎて指が白くなっている。サクラは両手で口を押さえ、今にも泣き出しそうだ。
触れなくても、わかる。
――こわい
――たすけて
押し寄せてくる。
――誰か、助けて。
(……っ――!)
その時だった。
「サスケ…安心しろ。」
カカシの声が確信を持って、広がる。
「お前達はオレが死んでも守ってやる」
「…!」
「オレの仲間は絶対、殺させやしなーいよ!」
その言葉に、息が詰まった。
カカシに言われた言葉。
「一心同体、“チーム”だからな」
(私は、何をすればいい)
(……どうする? このまま、何もせず?)
(それで、助かる?)
「それはどうかな……?」
不意に背筋が凍りつくような殺気が走った。
(そんなわけ、ない――)
再不斬が近くで、わざと殺気を放ったのだ。この距離、この精度……殺す気だ。
けれど、この近距離で殺気を出せば、大体の方向がわかる。
私だけなら、逃げられる。
でも――
「終わりだ」
ザブザの低く響く声が聞こえた、その瞬間。
(……来る!)
(言う? でも――)
三代目から、ナルトを"守れ"とは、言われていない。
上官の命令は「戦いに加わるな」。
(……っ、でも)
――ナマエ! よろしくな!一緒にがんばろうってばよ!
――なんかあったら言えってばよ!オレがなんとかしてやる!
浮かんだのは――ナルトの声だった。
「……カカシさんっ、丑寅の方向!!」
「きゃっ!」
「なっ……!」
ナマエの手がナルトたちを乱暴に突き飛ばしたのと、カカシがナマエの声に反応したのはほぼ同じタイミングだった。
4人が転がるように倒れたその直後、カカシの体が再不斬の方へと一瞬で動き、再不斬にクナイを突き立てた。
直後、再不斬の水分身がバシャ、と音を立てて崩れ落ちる。しかしながらそれを見越したかのようにカカシも全く同じ技を繰り出した。再び本体同士がぶつかり合い、瞬く間に攻防を繰り広げる。しかしながら。
「動くな…終わりだ」
最後に背後をとったのはカカシだった。
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20260414 加筆修正</a>