Repeat after me
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カラン、と涼しい音を立てて、ナマエはグラスをテーブルに置いた。
安酒とはいえ、夜風に吹かれながら飲むにはちょうどいい。焚き火の火が、ぱちぱちと心地よいリズムで弾ける。
「……結構、飲んだな」
隣に腰掛けたデイダラが、そう言って空になった酒瓶を振る。
月明かりに照らされた彼の横顔は、どこか子供っぽくて、でも時折、大人びた影を落とす。
「ねぇ、デイダラ」
ナマエは何気ない風を装いながら、ふっと笑った。
彼がこちらをちらりと見る。
「好きだよ」
その一言に、空気が一瞬で止まった。
デイダラの動きが固まり、沈黙が焚き火の音に溶けていく。
ナマエはすぐに笑って、肩をすくめる。
「な〜んてね、びっくりした?」
沈黙を破るように茶目っ気たっぷりに続けた。
「元カレと別れてから、好きって言葉、使ってなかったからさ。リハビリってやつ」
「驚かせるなよ、全く……」
そう呟くデイダラの声音には、少しだけ戸惑いと照れが滲んでいた。
それを面白がるように、ナマエは彼の顔を覗き込む。
一度、二度、三度。
そして真剣な眼差しで、また言う。
「好きだよ」
……間。
そのあと、にこっと笑って言葉を繋げる。
「ふふ、今のは本気っぽく聞こえた?」
「……」
デイダラは何も言わない。けれどその表情が、少しずつ赤くなっていくのをナマエ見逃さなかった。
「デイダラも、言ってみたら?」
「言わねぇ」
「なんで? 言ってみなよ」
「やだね」
「言ってよ〜。好きって」
「言わねぇっつってんだろ、うん」
駄目か。
何度もそんなやり取りを繰り返すうちに、ナマエのほうが根がつき、欠伸をしてごろんと横になった。
まぶたが重い。心地よい酔いが、身体の奥に広がっていく。
「……ナマエって、ほんと……」
静かに言うデイダラの声が、どこか遠くで聞こえた。
「好きだ」
空耳かと思った。でも、すぐ耳元でその声が続いた。
「本気だ。付き合ってくれ」
ナマエは目を半開きにして、にやりと笑う。
「うまい、うまい……演技、上手だね……」
「本気だって、言ってる」
その言葉に、ナマエの目が一瞬で覚める。
彼をじっと見ると、同じようにこちらをみるデイダラと目があって、ナマエのほうが先に視線をそらした。
「……本当に言ってる?」
「何回もそう言ってるだろ、うん」
しばらくの沈黙のあと、ナマエははにかんで、頷いた。
「……うん、いいよ」
デイダラはそれに満足げな顔をするでもなく、ただ静かに頷く。
月明かりの下で、ふたりだけの時間が静かに流れる。
ナマエは目を閉じながら、心の中でそっと呟く。
(……たぶんそうじゃないかな、と思ってたんだよね)
夜風が頬を撫でて、ふたりの距離を優しく包み込む中、ふわりと微笑むナマエがいた。
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