15.
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夜の空気がひんやりと肌を撫でる。
祭りの熱気が嘘のように引いて、木ノ葉の里は静かな闇に包まれていた。
灯籠流しが終わり、最後の警護巡回を終えたナマエは、提灯の明かりを頼りに帰り道を歩いていた。
疲れが足元にまとわりついて重たかった。でも、それ以上に、心が沈んでいた。
角を曲がって自宅の通りに出ると、ふと、前方に人影が立っているのが目に入った。
一瞬、敵かと思い目を凝らす。が、
イタチだった。
ナマエの心臓が跳ね上がり、思わず足が止まる。
驚きが胸を突き抜け、声も出せずにしばらく前方を見つめた。
「……終わったか」
イタチが先に口を開いた。
その声は低く、でもどこかあたたかくて。
ナマエは目を見開いたまま、そっと言葉を返す。
「待っててくれたの……?」
イタチは、かすかに微笑んだ。
「祭りのあと、一緒に回る約束をしただろう」
ナマエの胸が、きゅっと締めつけられる。
(……覚えててくれたんだ)
さっきまでの気持ちが嘘のように、胸が高鳴る。覚えててくれたんだ。
二人の間にしばらくの沈黙が落ちたが、先に口を開いたのはイタチだった。
「お前は―――俺が誰かの横にいて平気だったか」
その言葉にハッとする。
――もう、逃げないって決めたんだ。
胸の奥にずっと沈んでいた怖さが、今、震える小さな炎になって灯った。
何度も何度も自分に言い聞かせてきた。
もし、もう一度だけ気持ちを伝える機会があったなら――「これ以上、逃げない」って。
彼女はゆっくりと歩み寄り、イタチの隣で足を止めた。そして、小さく震える声で言葉を紡いだ。
「……恋なんて、もうしないって思ってた。
誰かを好きになっても、いつか終わるくらいなら、そうならないほうがいいって。」
「……」
イタチは黙ってナマエを見つめる。
「でも、それって……大事な人の一番近くにいるの事を諦めるのと、同じことだったんだよね……」
ナマエは目を伏せたまま、唇を噛んだ。
「……わたし、イタチのことが、好き」
ずっと胸の奥にしまい込んできた言葉が、ようやく外に出た。
言ってしまえば、それは甘く消えてしまいそうなほど脆くて、穏やかな一言だった。
沈黙の夜の中で、イタチは少しだけ目を細めて、そして静かに笑った。
「……その言葉をずっと待っていた」
その声は、まるで遠くからずっと待っていてくれたような、そんな安心感に満ちていた。
「俺もだ」
その言葉にナマエは、肩の力を抜くようにふっと息を吐いた。
イタチは優しくナマエの手をとり、ふたりはそのまま、言葉少なに並んで歩き始めた。
静かな夜。
でも、二人の間に流れる静寂は、たしかに何かが変わったことを告げていた。
焦らず、急がず、でもたしかに、一歩を踏み出したふたりだけの空気。
この恋が今、初めて動き出したことを示すかのように、空には月が浮かび、瞬いていた。
祭りの熱気が嘘のように引いて、木ノ葉の里は静かな闇に包まれていた。
灯籠流しが終わり、最後の警護巡回を終えたナマエは、提灯の明かりを頼りに帰り道を歩いていた。
疲れが足元にまとわりついて重たかった。でも、それ以上に、心が沈んでいた。
角を曲がって自宅の通りに出ると、ふと、前方に人影が立っているのが目に入った。
一瞬、敵かと思い目を凝らす。が、
イタチだった。
ナマエの心臓が跳ね上がり、思わず足が止まる。
驚きが胸を突き抜け、声も出せずにしばらく前方を見つめた。
「……終わったか」
イタチが先に口を開いた。
その声は低く、でもどこかあたたかくて。
ナマエは目を見開いたまま、そっと言葉を返す。
「待っててくれたの……?」
イタチは、かすかに微笑んだ。
「祭りのあと、一緒に回る約束をしただろう」
ナマエの胸が、きゅっと締めつけられる。
(……覚えててくれたんだ)
さっきまでの気持ちが嘘のように、胸が高鳴る。覚えててくれたんだ。
二人の間にしばらくの沈黙が落ちたが、先に口を開いたのはイタチだった。
「お前は―――俺が誰かの横にいて平気だったか」
その言葉にハッとする。
――もう、逃げないって決めたんだ。
胸の奥にずっと沈んでいた怖さが、今、震える小さな炎になって灯った。
何度も何度も自分に言い聞かせてきた。
もし、もう一度だけ気持ちを伝える機会があったなら――「これ以上、逃げない」って。
彼女はゆっくりと歩み寄り、イタチの隣で足を止めた。そして、小さく震える声で言葉を紡いだ。
「……恋なんて、もうしないって思ってた。
誰かを好きになっても、いつか終わるくらいなら、そうならないほうがいいって。」
「……」
イタチは黙ってナマエを見つめる。
「でも、それって……大事な人の一番近くにいるの事を諦めるのと、同じことだったんだよね……」
ナマエは目を伏せたまま、唇を噛んだ。
「……わたし、イタチのことが、好き」
ずっと胸の奥にしまい込んできた言葉が、ようやく外に出た。
言ってしまえば、それは甘く消えてしまいそうなほど脆くて、穏やかな一言だった。
沈黙の夜の中で、イタチは少しだけ目を細めて、そして静かに笑った。
「……その言葉をずっと待っていた」
その声は、まるで遠くからずっと待っていてくれたような、そんな安心感に満ちていた。
「俺もだ」
その言葉にナマエは、肩の力を抜くようにふっと息を吐いた。
イタチは優しくナマエの手をとり、ふたりはそのまま、言葉少なに並んで歩き始めた。
静かな夜。
でも、二人の間に流れる静寂は、たしかに何かが変わったことを告げていた。
焦らず、急がず、でもたしかに、一歩を踏み出したふたりだけの空気。
この恋が今、初めて動き出したことを示すかのように、空には月が浮かび、瞬いていた。