第161幕
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平子は次郎長の娘。しかも、このタイミングでかぶき町にとある約束事が決められた。
かぶき町で暴れた人間は四天王によって勢力を根絶やしにされる。
『まずい……まずい……!』
「海……?」
「姐さんが考えてる通りですよー」
嫌な汗がじわりと滲む。まだ理解してない銀時は焦燥に染る海を見て首を傾げるだけ。
「まず最初に崩れる一角は、か弱い女の子のために次郎長一家にケンカを売った兄貴の親分、お登勢」
「うっ……」
「になるかは兄貴と姐さん次第です。わしらの傘下に入ってください。さもなくば兄貴と姐さんは一緒ににここで海に沈み、お登勢はかぶき町中から狙われることになりまーす」
「おい……脅してるつもりかもしれねぇが、この状況で俺と海を殺れば口火を切ったのはてめぇらにしか見えねぇぞ。俺だけならまだしも、海に至っては真選組っての忘れてねぇか。こいつが殺られればかぶき町どころの騒ぎじゃねぇだろう」
なんせ海は真選組の連中に大切にされている。あの将軍も海のことを友としてみているのだ。そんな奴がこんな騒動で死ぬような事があればどうなるかなんて火を見るより明らか。
「そうなんですよねー。姐さんは別のところに巣があるから厄介なんですよねー。でも、兄貴と次郎長の抗争を止めるために巻き込まれた……ってどうですかね」
怪しく笑う平子に銀時は冷や汗を垂らす。こんな事で海を殺されるわけにはいかない。俯いている海に逃げろと声をかけようとしたが、銀時の声は平子が勝男を刺したことで言葉にならなかった。
「説得力が足りないならこれでどうかなー。兄貴は若頭を殺ってその報復で殺された。姐さんはその兄貴を守ろうと庇って倒れた」
「え……ウッソ……」
ずるりと引き抜かれる刀。勝男はよろめきながら海へと落ちていった。
「兄貴ー!!」
「あなたたちのオヤジはその七三?それとも次郎長ー?」
落ちていった勝男を助けようと駆け出す手下に刀を向ける平子。
「海……頼めるか」
『わかった』
平子が手下共と話している間に海に耳打ちし、勝男を引き上げて欲しいと声をかける。海を見て固く拳を握る海の頭へと手を置く銀時。
「大丈夫。海くんなら大丈夫だから」
『……やって、はみるけど』
「ダメそうなら俺が助けてあげるから」
ね?と声をかければ弱々しくも頷く海。一人でやっと泳げるようになった海に人一人担いでくれというのは酷な頼み。
ごめんな、と一言謝る銀時に海は首を横に振って静かに海へと落ちた。
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