第146幕
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"お願い!1日だけでいいからラジオ体操の指導員になって!"
『朝から俺は何してるんだ……』
腕を組んでだるそうに銅像に寄りかかりながらラジオ体操の曲を聞き流している朝。あぁ、今日もいい天気になりそうだな。と思い耽りながら青い空を眺めていた。
目の前ではラジオに合わせて体操をしている神楽と朔夜。そして最近仲良くなったと朔夜に聞かされた本郷という男の子。
昨日の夕餉の時に朔夜に指導員の代わりをして欲しいと頼み込まれてここに立っている。盆に入ってから参加者はめっきり減り、指導員ですら顔を出さなくなったラジオ体操。
それでも続けたいという3人の為に顔見知りのヤツらが指導員の代わりを担っていたらしい。
昨日の見回りの時にばったり出くわした銀時に二日酔いで辛いのにアイツら指導員やらせたんだぞ!と半泣きで訴えてきた時はつい笑ってしまった。
そんな役回りが自分に回ってくることは無いとそう思っていたからだ。それがこんな事になるなんて。
『(俺も徹夜明けで辛いんだが……)』
四徹目の朝は流石にキツい。すぐにでも布団の中へと潜りたいのだが、朝から頑張って体操をしている子供らの顔を見てしまえば、少しくらい付き合ってやってもいいかと思えてしまう。
「兄さん、ありがとう!」
「えっと、ありがとうございました」
『どういたしましてな』
体操が終わると、ハンコをもらうために各々カードを渡してくる。今日の日付のところに俺の名前のハンコを押して返す。
『これ夏休みが終わるまでやるのか?』
「そうネ。1度やると決めたからには最後までやり遂げるアル!」
「僕も頑張るよ!」
「一緒に頑張ろう、本郷くん!」
「うん!」
3人で和気あいあいと話しているのを見て、仕事でささくれた精神が少し癒される。
大人だらけの真選組に居る朔夜が同年代の友人を作れたというのも喜ばしいこと。出来れば、ラジオ体操の日課が終わったあとも仲良くしてもらえたらと思う。
『飯食いに行くか』
「え?屯所に戻らなくてもいいの?」
『土方には言ってある。ラジオ体操終わったらついでに朝の見回りもしてくるって』
だから少しくらい外でのんびりしてもいいだろ?っと笑って言えば、朔夜も嬉しそうに笑った。
「じゃ、じゃあ僕はそろそろ……」
「何言ってるアル。お前も来るよろし」
「そうだよ!本郷くんも一緒に行こうよ!」
「で、でも……」
『家の方がうるさそうか?』
「いえ、そんなことは無いんですけど……」
『なら行くぞ。朝から動いて腹減ったろ?好きなもん食えよ』
ぽんっと本郷の頭を軽く撫でてから1人公園の出口へと歩く。後ろで朔夜と神楽が本郷を誘っているのを聞きながら、土方に少し遅くなるとメールを打って送った。
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