第160幕
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「海!!」
「姐さん!」
すらりと海の首元へかざされる小刀が首に当たってチクリとした痛みが走る。小さく舌打ちを漏らす海に不敵な笑みを浮かべる男。
「動くなよ?少しでも変なことしようもんなら……分かってるよな?」
たらりと首から垂れる赤い滴。そして銀時達に向けられる刀の切っ先。自分が動けば銀時たちの命はないと悟った海は刀を掴もうとしていた右手をゆっくりと下ろした。
「こいつを縛れ」
「へい」
「おい!てめぇ、海に触んじゃねぇ!!」
「そんな状態で何ができるってんだよ」
男を力強く睨む銀時。今すぐにでもこの顔を殴りつけたいのは山々だが、コンクリートが固まってしまって身動きが取れない。その間にも海は男たちによって紐で縛られてしまう。
「そいつは関係ねぇ!」
「あんたらとつるんでるならそれは聞けないな」
「兄貴!縛りやした!」
「ご苦労さん」
海を縛った男から紐を受け取ると、グイッと引き寄せて海を自分の元へと寄せる。引っ張られた方へと無理矢理身体を向けられた海の腹部へと入る膝蹴り。
『かはっ……!』
「海!!!」
「連れてけ」
地面に膝をついて咳き込む海を無理矢理立たせようと引っ張る男たち。尚も抵抗しようとする海に苛立ちを見せた男が、鞘で海の頭を殴りつけて黙らせた。
「おい……海……!!しっかりしろ!」
『あー……ヘマしたわ』
地面に転がる海がボソリと呟く。銀時をちらりと見て緩く微笑んだかと思ったら、ゆっくりと瞼が閉じられた。
「海……!海!!!」
「あ?おい、勝手なことしてんじゃねぇよ」
「す、すいやせん!でもこいつが……!」
倒れている海に気づいた勝男が面倒くさそうな表情で海を見下げる。
「仕方ねぇ。お前らこいつを運べ」
ぐったりとしている海を肩に担いで運ばれていくのを悔しそうに歯噛みしながら、銀時と平子もバケツごと運ばれていった。
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