第160幕
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『……行った、みたいだな』
新八と神楽には申し訳ないが、二人には囮になってもらった。きっと上手く逃げ切れるだろう。
そろりと路地から表通りへと顔を出す海。安全になったのを確認して、ゴミ箱の蓋を開けた。
「姐さん!」
『……もう大丈夫だろ』
「悪いな、海」
『悪いと思うならもうやらないことだな』
「でも、海もノリノリだったじゃねぇか。沈めんの」
『もうそうするしかねぇと思ったんだよ。証拠が残らなければ、悪事の立証出来ねぇから』
「流石警察官。言うことが違うねぇ。でも、海からそんな言葉は聞きたくなかったかな。なに?誰?海にそんな悪知恵教えたヤツ。多串くん?」
『自然と身についた。あと、土方な』
ガタガタと音を立てながらバケツから出ようとする銀時。中々身体を出すことが出来ずに首を傾げていると、平子が楽しげな声をあげた。
「兄貴、姐さん!面白いことになってきましたねー」
「何が面白いんだよ。月並みなこと言わせてもらうよ。復讐なんてしても誰も面白くなんかありませんよ。死んでいった仲間も、君が憎しみに染まるなんてことより、普通の女の子として生きていくことを望んでいると思うな、僕は……うん。あ、海ちょっと手貸して?」
銀時へと手を貸そうとする海。銀時の手に触れる間際、何かに気づいて後ろを振り返る。
「海?」
『銀、早くそこから出ろ』
「え?」
『(10人……はいないか?)』
こちらへと近づいてくる気配。ダダ漏れの殺気に海は意識を集中させて何処から現れるかを探った。
「ちょ、海!こいつ俺らのこと騙しやがった!復讐なんざ考えてねぇよ!」
『アホか。平子は元々そんなこと言ってないんだよ』
「え!?」
確かに潰されたとは言った。だが、組の人間を殺されたとは言っていない。そう銀時に言えば、そんなの知らねぇよ!と返された。
『つか、早くそこから出ろよ!じゃねぇと……!』
「じゃねぇとなんだ?お兄さん」
スっと海の首に当てられたのは小刀。ヒヤリとした物を背中に感じた海は身動きが取れずに固まった。
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