第160幕
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先程の男のように倒れて転げ回る銀時。平子は銀時へと駆け寄って心配気な声をかける。
「い、今、肩叩いたあれで全身の骨が粉々にー!」
「肩を叩いたあれでってなんだよ!おめぇが自分で叩いたんだろうが!」
口の端から血……らしきものを垂らす銀時を助け起こす平子。冷たい目で男にどうやって落とし前をつけるのだと聞く姿はもう極道。
『なんのためにここまでうろうろしてきたんだよ……』
女の子らしさを平子に教えるためにとか言ってケーキ屋と乾物屋に来たというのに。これでは振り出しに戻ってしまうでは無いか。
見回りの仕事をそっちのけでこんな事に付き合っているのに。胸ポケットから携帯を取り出せば、画面には土方からの着信が何件か来ていた。
朝早くから屯所を出てきたせいだろう。後で電話しなければ。携帯をポケットへと戻し、銀時の方へと目を向けようとした時、横から手首をガシッと掴まれて引っ張られた。
『なっ、おい!』
「今日のところは見逃しといてやるよ」
『おい、見逃すのであればこの手を離せよ』
「はっ、こいつらに用はねぇが、てめぇとあの女にはたっぷりと落とし前つけてもらわねぇとなぁ」
引きずるように連れていかれそうになっている平子と海。
これは蹴りの一つでもお見舞いしないと引き下がらないだろう。自分の手を引っ張る男目掛けて足を振りあげようとする海の腰へと回る腕。そして中々動かない平子を殴ろうとした男を止める手。
『銀……?』
「大丈夫か?海」
抱き寄せるように背中に回った腕に胸が鳴る。銀時に守られたのだと理解した途端、羞恥に顔を染めた。
「えっ?全身粉砕骨折はどうした?」
「腕は?どうしたのこれ。大変な事に……なってんじゃーん!!」
海を抱いたまま男の腕を引っ張り近くの店へと吹っ飛ばす。男は店の物をバラバラにしながら転がっていった。
「海、怪我は?」
『ない……つか、俺の仕事を増やすなよ……もっと穏便に済ませろよ』
「いや、海があんなむさ苦しい男に手を掴まれてるの見たらついカッとね」
『ついじゃねぇ、ついじゃ』
ごめんごめんと軽く謝る銀時。それでも怒る海を宥めるように抱きしめて背中を撫でる。
「わぁー!愛の力ですねー」
「ちょ、銀さん!どうするんですか!?」
慌てる新八に平子がにんまりと笑いながら次郎長と大喧嘩するしかないと嬉しそうに呟く。
平子にハメられたと気づいた銀時は平子の髪を鷲づかんで振り回しまくった。
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