第159幕
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「海!あっちに可愛いケーキ屋さんがあるアル。あっこだったら女の子っぽさの勉強になるアルヨ」
『あ"!?』
「ねぇ、銀さん。極道より極道っぽいですよ海さん。どうするんですか!」
「あ?ほら、きっとケーキ屋行ったら海も可愛くなるって。絶対なるって」
「それあんたがただ単純にケーキ食べたいだけだろう!!」
ケーキ屋があると指差す神楽にドスの効いた声で威圧する海。そんな海に冷や汗を垂らしまくる新八は必死に銀時の袖を引っ張って海が海がと言うが、銀時はそんな事気にもせずにケーキ屋を真っ直ぐ見つめていた。
「だから行こうよ、海!ね、平平平平平子」
『神楽、それはやめろ』
ケーキ屋へと歩き出す神楽に平子の呼び方を注意するが、神楽は素知らぬ風に歩いて行ってしまった。
後ろにいる銀時と新八を強く睨む海。睨まれた二人は背筋を伸ばし、さーっと血の気が引いていくのを感じた。
「姐さん、行ってみましょう?」
『……はぁ』
助け舟を出すように平子が海へと声をかける。海の手を取って歩き出す平子に銀時と新八は心の底から感謝していた。
「なんか照れちゃうなー。こんな店入ったことないから。わし浮いてませんか?」
海たちの周りは女の子ばかり。みな楽しげに談笑しているのが聞こえる。
『大丈夫だろ。そんな気にしてねぇよ』
「そうですか?」
『ん。むしろ気にしなきゃいけないのはアイツらな』
海の横でケーキをホールで食べようとしている銀時と神楽。呆れた顔で銀時を見る海が、不意に銀時の口元へと手を伸ばす。
『口元、生クリームついてる』
「え?あ、おお……ありがと、な?」
指先でクリームを取って舐める海に銀時は顔を赤く染めた。
「大丈夫ですよ、平平平平子さん。こうしてると普通と変わらない……いや、可愛い女の子ですよ。ね?海さん」
「えっ?」
困惑気味に海と新八を交互に見る平子。新八に突然話を振られた海は戸惑いながらも頷いた。
『ほら、ケーキ食っちまえよ。じゃねぇと、銀時と神楽に食われちまうぞ?』
それ。と指差すのは平子にと買ったショートケーキ。平子は自分の前に置かれたケーキを一瞥してから海の手元にあるケーキを見る。
『ん?どうした?』
「姐さんのも美味しそうですねー」
海のモンブランを見て笑う平子。海はモンブランをフォークで掬い、それを平子へと向けた。
『ほら』
「えっ!?」
『食べてみ。美味いから』
「え、あ、はい!」
海に差し出されたフォークの先をくわえる平子。それをジト目で見る銀時。
「ちょ、海!俺にも!俺にもあーんして!?」
『ガキかお前は……』
仕方なく銀時にもモンブランを一口やっている間に、新八がどうやら余計なことをしたらしく騒いでいた。
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