第159幕
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「おうおうおう!姐さんのシノギの邪魔すんじゃねぇぞー!」
「こっち見てんじゃねぇよ!シャバ僧どもが!あん!?」
「なんじゃわりゃ、こりゃー!」
『銀時、俺別ルートで見回りに行っていいか』
「俺は構わねぇけど……アイツ絶対大声で探すと思うぜ?」
そっと銀時の背後へと身を隠しながらボソボソと話す海。
見回りの時間だからもう店を出ると言った海。新八と神楽、お登勢に見送られて店を出ようとした所を平子に捕まった。
"姐さんのシノギ見てみたいです!"
真選組ではないのだから同行は許可出来ないとやんわりと断ったのだが、平子は引かずに海の腕へと自分の腕を絡ませて引っ付いた。
それを見た神楽が反対側の腕へと引っ付いて自分も一緒に行きたいと言い出し、このザマである。
「……大丈夫か?」
『無理。帰りてぇ。今日は大人しく書類整理しておけばよかったって後悔してる』
「まぁ……なんだ、俺としては海と一緒にいられる方がいいけどよ?」
『俺のメンタルがやられてもいいと?』
住人から苦笑いを向けられる気持ちを考えろ。と銀時の脇を小突く。それは同じ気持ちだと海に返す銀時も周囲から向けられる目に冷や汗を垂らしていた。
「だ、大丈夫だって。変なことしないって。ただの女の子だって!」
自分に言い聞かせるように呟く銀時。その声は震えていて怯えているのが丸わかりだった。
『どうすんだよあの子……復讐なんかしても虚しいだけだろ』
平子がいた一家は潰された。その復讐のためにかぶき町へ来たのではないかと推測する新八。そんな事をしたって何も残りはしない。あるとしたら虚しさだけだ。
そう返した海を平子が呼びつけ、海はビクリと身体を揺らす。
「姐さんー!見てくださいよー、綺麗なお花ですー」
「ほら見ろ。ああしてるとただの女の子だろ?お花が好きなだけの……」
花屋に並ぶ植木鉢を指差す平子。花屋のおばあさんが海に気づいてにこやかに手を振る中、平子がおばあさんに近づいて笑顔で問いかける。
「おばあちゃん、ショバ代って知ってる?」
『何言ってんだこのクソガキが!!』
「あ、海キレた」
「なんか久しぶりに見ますね……」
銀時の背後から身を乗り出し、平子へと飛び蹴りをする海。ガミガミと平子に怒鳴る海の後ろ姿をそっと二人は見守った。
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