第159幕
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ひやりとした風が首を撫でる。寒さに身を震わせながら万事屋の階段を上がろうと足を上げた海に声がかかった。
「あれ?海さん?」
『新八?おはよう、今日は早いんだな』
「おはようございます。今日は神楽ちゃんたちの布団干さなきゃいけなくて」
『なんか通い妻みたいだな』
「それは海さんの方じゃ……」
はははっと笑う新八の言葉に海は固まる。まさか新八からもそんな言葉が出てくるとは思わなかった。もしかして銀時が言いふらしているのではなく、自分の行動のせいなのか。と考え込んでいると、新八が玄関先で騒いでいるのが聞こえた。
『新八!?』
「な、なんなんですかこの子!!」
刀を振り上げて新八を斬ろうとする昨夜の女子。咄嗟に自分の刀を手に取って振り下ろされる刃を受け止めた。
「あれ?姐さん??」
『誰彼構わず斬ろうとするな!』
「はーい!」
「なんなんですかこの子!誰なんですかこの子!!」
『この子は昨日……』
腰が抜けて立てない新八に手を差し出した所で、戸が誰かによって吹き飛ばされた。それは新八と女の子の上へと落ちた。
「うーん……朝からうるさい」
『おはよう、神楽』
「うん?海?おはよう」
眠そうに眼を擦る神楽。海は刀を鞘に戻して万事屋の中へと入っていく。
『神楽、銀時は?』
「まだ寝てるアル」
『そ、』
靴を脱いで銀時の寝室へと真っ直ぐ歩いていく。そっと襖を開ければ寝相の悪い銀時がまだ夢の中にいた。
『銀、おい!』
「んぁ……?」
『ちょっとなんかめんどくせぇ事になってるから起きろ』
布団の中へと潜り込もうとしている銀時を無理矢理引っ張り出そうと手を突っ込むが、逆に布団の中へと引き込まれてしまった。
『ちょ、銀!』
「布団の中にこれは要らねぇな?」
腰にある刀と隊服の上着を脱がされて布団の外へと投げ出される。這い出ようともがいたのだが、銀時に抱き込まれて海は動けなくなった。
「こんな朝から何よ。冷えてるじゃねぇか」
『これから見回りあんだよ。その前に、お前あの子どうする気だ』
「あ?あの子?」
『昨日の女の子。玄関先で寝てたぞ。まさか外にほっぽり出してたのか?』
「んな事してねぇ……つか、まだついてきてたのかよ」
面倒事はごめんだと言って昨日は彼女に背を向けたはず。それが今日の朝には玄関先で寝ているなど驚きだろう。
『……んっ!?』
「そんなことより……寒いからちょっと温まらねぇ?」
ズボンからワイシャツを出され、服の中へと潜り込んでくる銀時の手。腹から胸へと探るように這い回る手に思わず海が甘い吐息を漏らした。
「わぁ!これが愛し合う夫婦の営みなんですね!!」
「銀さん……あんた朝から何してるんですか」
目を輝かせて銀時たちを見つめる女子と冷めた目で銀時を見る新八。
「子供が見ていいもんじゃありません!!!!!」
恥ずかしそうに顔を赤くする海を胸に抱きながら、銀時は二人に向かって叫んだ。
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