第159幕
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「あれ、兄さん?もう見回りに行くの?」
早朝、静かに屯所を出ようとした海の元へと朔夜が顔を出した。
『ちょっとな。見回りの前に寄るとこあって』
「……坂田さんのところでしょ」
自分で聞いてきた癖に不機嫌そうな顔をする朔夜。なんだその顔はと海が聞こうとしたが、朔夜が待った、と手を突き出して首を横に振った。
「いい。聞かないでおく。どーせ、坂田さんがわがまま言ったんでしょ?ほんとあの人はどうしようもない人だよね。会いたいなら自分で会いに来いっての」
『いや、別に銀時に会いに行くわけじゃねぇけどな?』
「え?違うの?」
違う。と返す海に朔夜はきょとんとした顔。じゃあ、何故万事屋に?という問いに海は答えず、ただ行ってきますと残して屯所を出ていった。
『嫁はねぇだろ』
昨日の記憶はハッキリしている。朝から銀時と出掛け、久しぶりのデートをした。夜になって飲み屋をハシゴしたのも覚えている。
その後に絡んできたあの女子のことも。
土下座したあの女子は海と銀時に子分にしてくれと頼み込んできたのだ。
"兄貴の強さに惚れたんです!その兄貴を護る嫁さんに……姐さんに!"
"姐さん!?いや、こいつは男……!"
"姐さん!!どうぞよろしくお願いいたします!"
"ちょ、おいいいい!!!"
酒で上手く頭が回らない中、トントンと話が進んでいくのを海はぼうっと眺めていた。彼女に両手を力強く握られた時、あぁこれは断らなければならないことだと思った時、海は銀時に一言。
"お前、周りに俺の事嫁って言ってんのか"
全く違う事柄を聞いていた。銀時は青ざめた顔で頭を横に振っていたが、問答無用で殴り倒した。
そんな海の姿を見て益々彼女は海に釘付けになってしまった。
それが昨日の話。
『あの野郎……』
初対面の人間に嫁と言われるほど言いふらしているのか。それを再度問い詰めるために海は万事屋へと出向いていた。
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