第159幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なぁんで俺はこいつに酒飲ましちゃったかなぁ」
ガシガシと頭を掻きながら数時間前の己に後悔する銀時。下げていた目を上げて前を見れば、嬉しそうにひょこひょこ動き回る海。
『ぎーんとーきー!』
「はいはい。なんですか」
『次どこ行く??』
「もー、家帰って休むぞ。お前飲みすぎ」
『えーー』
「えーーじゃありません。ほら、そんなフラフラしないの」
はぁ、と嘆息漏らす銀時に小首傾げる海。へらりと笑って銀時の方を向いたまま歩く海へと銀時は呆れた顔で手を差し伸ばす。
「危ないからちゃんと前見て歩きなさい」
『なんだよ、銀はいつからお母さんになったんだよ』
「おか……誰が誰のお母さんだバカ。こんな息子に育てた覚えはありません!」
『わー!お母さんが怒ったー!』
きゃー、わー、と叫びながら走り回る海に頭を抱え始めた。
久しぶりの非番だという海に少しでも羽を伸ばして欲しいと思って飲み屋へと連れていったのがダメだった。自分が見ているのだからそんなに飲みすぎないだろうと思っていたのだが、自分も調子に乗って飲みすぎた。
結果、海は普段より多量のアルコールを摂取してしまいこんな状態。ウキウキな海にたまには良いかと思う半分、やらかした。次は絶対に抑えさせる半分。
忙しなく動き回る海を追うべく少し早歩きで進む。道行く人にぶつからぬ様に身をかわしている銀時に対し、海はふらふらしながらも人との間隔を一定に保っている。
「酔ってるんだか酔ってないんだか……無意識ってのは怖ぇなおい」
酔ってはいるのだろうが、ちゃんと人に当たらぬように配慮しているのはすごいと思う。あそこまで酔ってしまえば自分は吐き散らかすというのに。
「……海?」
足取り軽く歩いていた海が電池の切れた玩具のように止まる。ここまで動いていたのだ。疲れた、とでも言うのかと海の顔を覗き込もうと肩へ手を置いた時。
『誰だお前』
キィン、という金物音が辺りに響く。たった一瞬の出来事だった。折れた刃が地面へと落ちるのを見た銀時。
前にいたはずの海は銀時の背後へと回り刀を鞘へと戻していた。
海の前には笠を被った女の子。
「ウッフフ……残念。その真っ白な頭に真っ赤なお花を飾ってあげようと思ったのに。噂通りだねー、かぶき町最強の男の嫁って……桜樹 海さん」
『あ?誰が嫁だこら』
海のこめかみに青筋が浮かび、キツく睨む。笠の結びを外した彼女は海へと笠を投げつけるが、銀時によって斬り落とされた。
「てめぇ、何者……だ……」
笠が視界から無くなった瞬間見えたもの。海たちを襲おうとしていた女の子が地面に手をつけて土下座している姿だった。
.