第158幕
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『っていう番外編が出るらしいんだがなんか聞いてるか?』
「いや、聞いてねぇよ!!つか、これって俺の降誕じゃなかったっけ!?なんで蒼き閃光の降誕になってるわけ!?」
「海、カッコよかったネ!」
「流石海さんですね!」
万事屋のソファに座り、新八からもらったお茶を飲みながら銀時に問うとクワッと目を見開いて叫ばれる。
騒いでいる銀時を放って神楽と新八は目を輝かせて海を見る。尊敬と羨望の眼差しで見られた海は恥ずかしさに顔を逸らし明後日の方へと目線を泳がせた。
「で?なんであんなにカッコ良くなってるんですか?てか、なんで高杉に抱かれてるんですか?え?」
『知らねぇよ。お前のを元に作られたやつだし。晋助が抱いてくんのはいつもの事だろ』
「なら俺のを出せばいいじゃねぇか!なんで海なわけ!?なんであんなカッコいいわけ!?海の可愛さは!?だから、そのいつも抱かれてるってのがムカつくの!!」
『うるせぇ。そんな騒がなくても聞こえてる』
喚き散らす銀時に海は嫌そうな顔を浮かべ、顔どころか身体全体で銀時にそっぽ向いた。
「海は可愛いの!!わかる!?急にそんな路線変更したら俺もみんなもビックリすんのよ!昔から海は可愛いの!あんな俺が銀時守るとかって……え?」
何かに気づいた銀時はピタリと騒ぐのやめて海をまじまじと見つめる。海はため息をついてソファから立ち上がり、壁に立て掛けてあった刀を手に取って腰にそえる。
『見回り行ってくる』
「え、海さん行っちゃうんですか?」
「もう行くアルか??」
『時間だからな』
時計を指差せば、17時頃。いつもの海の見回りの時刻だった。
「行ってらっしゃい!海!」
『ん、晩飯は冷蔵庫の中にあっから。適当に食べてな』
「いつもすみません……」
『いいよ、どうせアイツ作らないだろ?』
申し訳なさそうに頭を下げる新八に苦笑いで返し、新八の頭を優しく撫でた。
からからと戸を開けて万事屋を出ていく海。部屋では未だに固まっていた銀時が慌てて玄関の方へと走り寄るも、既に海は外。
「え、アイツって……俺のために強くなったの??」
「銀さん?」
「……やっぱ……可愛いわ」
海が強くなろうと決意した理由が自分だったなんて知らなかった銀時は嬉しさと恥ずかしさで顔を赤くしていた。
急いでブーツへと足を入れ、荒い手つきで戸を開け放つと大きく息を吸って叫んだ。
「海ー!!気をつけてな!!!!」
『だからうるせぇって言ってんだろうが!!!騒音で捕まえんぞ、お前!!』
二階から手を振って見送る銀時に叫び返す海。
そんな二人を微笑ましく見つめる住人と呆れてものも言えないお登勢。
銀時に背を向けて歩き出した海は口元を手で押さえ、ほんのりと頬を赤く染めていた。
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