第158幕
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「突撃じゃー!」
「鬼兵隊、俺に続け!!」
坂本辰馬が率いる部隊と、高杉晋助が率いる鬼兵隊。各自、事前に決めていた作戦通りに隊を率いて天人らへと奇襲をかける。
その様子を少し離れた所から見つめる海。
『さて、俺達も出るとするか』
あちこちで起きる爆発に苦笑いを浮かべ、自身も隊を率いて戦場へと駆け出す。
海たちの部隊が担っているのは、天人たちの撹乱。敵の分散を主に請け負っていた。
『銀時と桂が前線で戦ってくれてんのか。これは楽に事が運びそうだな』
刀を構えて目の前の天人へと突き刺す。海の出現に気づいた別の天人が大物の武器を海の頭へと振り下ろそうとするも、もう既にそこには海はいない。
『遅い』
海へと当たったと思っていた天人が、驚愕の色を浮かべて声のした背後へと振り向くのだが、一瞬にして首をはねられて事切れた。
『俺の隊は上手くやってるかな』
もみくちゃになっていた戦場は海たちの出陣によりある程度は辺りを把握することが出来るようになった。
それでもまだ誰がどこにいるかまでは特定出来ない。こんな平地での戦闘では仕方ないかと海は次の作戦へと移行した。
「うるせぇっ!誰がてめぇの手なんか借りるかよ!!」
『うん?』
部下に指示を出している時に聞こえた声に反応して咄嗟に振り返る。戦場には似つかわしくない色の頭を持つ男が晋助に怒鳴っているのが見えた。
『銀時?』
「海!!」
首を傾げて声をかければ、こちらを見て嬉しそうに笑う銀時。その隣に立っている晋助も海の姿を見て安心した顔を浮かべていた。
『そっちは大丈夫そうか?』
「あぁ、作戦通りに動いてる」
「海は?怪我してねぇか?」
『ならよかった。怪我はしてない。まだこっちに来たばかりだから』
ちらりと銀時を見た海はスっと目を細める。
「な、なんだよ……」
『怪我しすぎだろ……もう少しなんとかならないのかよ』
「あー……ほら、かすり傷程度だから。な?」
『なぁ、晋助。これがかすり傷ならこいつの重症ってどんなもんだと思う?』
「痛い痛い!!」
ぱっくりと切れた刀の部分をがしりと掴む海。途端に忘れかけていた痛みが銀時を襲い、悲鳴に近い声で銀時は叫んだ。
「さぁな。頭が飛んだら重症なんじゃねぇか?」
至極つまらなさそうにしていた晋助が海の腰へと腕を回して引き寄せる。晋助の腕の中へと大人しく収まった海は呆気に取られながら晋助を見た。
『晋助?』
「おい!高杉!てめぇ……」
「うるせぇ。そいつらどうにかしろ」
晋助の目線の先には武器を振り上げて銀時へと襲いかかろうとしている天人。めんどくさそうにため息を漏らす銀時が刀を持つ手に力を込める。
「お前後で覚えとけよ」
「はっ、何をだ?さっさとてめぇはここを片付けろよ」
『銀、また後でな』
「はいはい」
海と晋助に背を向けて歩き出す銀時。緩く手を振って返事をする姿に海は優しげに微笑んだ。
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