第157幕
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「そ。じゃあ、俺もそっち行くわ」
"俺は逆にそっちに戻らねぇと"
「え"、こっち来るの?」
海が居るならとそっちへ行くと言ったのに、入れ違いになるとは思ってもみなかった。銀時は不満気にため息を漏らす。
"そっちの処理をしねぇと。そこのやつらに騙された人達は結構な人数なんだわ。どうやら借金抱えた奴に悪どいことやらせてたみたいでな"
「ああ、こいつみたいにか」
未だに床で伸びている末次郎へと冷たい目を向ける。こいつ以外にもここの奴らは手酷い事をしていたらしい。今回のことは氷山の一角。ここにある書類を押収すれば全部わかることだろう。
"また暫くは書類と睨めっこだな"
「無理すんじゃねぇよ。ちゃんと夜は寝ろ」
"そうしてぇのは山々なんだけどな"
「徹夜はあれ程やめろって言ったよな?」
"善処はしてる"
「会う度にクマ抱えてるやつがどの口ほざいてやがる」
"あれは……その……"
「落ち着いたらウチおいで」
"銀の家?"
「おう。お前の家でもあっけど……沢山寝かしてやるから」
"……ん"
小さく返事をした海。銀時はその返事に笑みをこぼした。
"あぁ、そうだ。銀時、お前さ"
「うん?なに?」
"ストリップショー見に行ったんだって?"
怒気を含んだ声色で聞いてくる海に銀時はビクッと身体を震わせる。誰にも言わずに見に行ったのに何故海が知っているのか。
なんでだ?と疑問符を浮かべまくる銀時に海が呆れた声で長谷川から聞いたと教えてくれた。
「あの、その、えっと」
"別に怒ってない。いいんじゃねぇの?"
怒っている。声色から物凄く不機嫌ですというのがビシバシ感じる。どう謝ればいいかと悩む銀時に海はもういいと一言呟いた。
「海……さん???」
"いい。気にして……ない"
「(めっちゃ気にしてんじゃねぇか!!やべぇ、これもしかして別れるとかって……!)」
"じゃあ、切るから"
冷たい声で言われた後、小さく囁くように聞こえたバカという言葉。それを最後に電話は途切れた。
「…………え?」
最後のあの一言は怒っていると言うよりもしょげている感じ。携帯をゆっくりと耳から離して呆然としている銀時。
携帯を朔夜へと返し、銀時は慌てて海がまだ居るであろう公園へと走った。
「俺は海の事しか見てないっつーの」
ストリップショーを見に行ってしまったのは事実。だが、浮気をするつもりはない。海の事しか見ていない。と本人に伝えるために、銀時はひたすら走った。
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