第157幕
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かつり、とブーツの底を鳴らしながら歩く。建物の正面入口から入って話しかけてきた男へと木刀を振り上げた。
騒ぎを聞きつけてきた野郎共を一人一人倒していきながら、あの男が居るであろう部屋へと進む銀時。
「そんなに金が必要かねぇ」
誰かを騙し取ってまで懐に収めたいものなのか。
襲いかかってくる男共をなぎ倒しながら歩く銀時。あの日、キャサリンと末次郎が質屋へ消えていった日。銀時は末次郎について調べていた。
その結果がこのザマである。
末次郎は外道ローンとかいう会社から金を借りていた。その借金返済のためにキャサリンに結婚詐欺を行った。
それに見事に騙されてしまったキャサリンは、お登勢の元を離れて一人寒空の下を彷徨っている。
マダオの話によると、海がキャサリンの傍についているらしい。
「まったく……あの子は何をしてるのやら」
なんでキャサリンと一緒にいるのかまでは分からない。もしかしてこうなる事を予感していたとでもいうのか。
それは本人に聞かなければわからないことだが。
やっと、建物奥の部屋へと辿り着いた銀時は扉を開けようとドアノブへと手を伸ばす。もう少しで触れるといったところで、部屋の中から話し声が聞こえて耳をすました。
「よく集めてきたじゃねぇか。俺の見込んだとおりだ。借金なんざ女だまくらかせば一瞬で完済よ。元ホストにしちゃどうだった?今回の標的は」
「正直、チョロすぎて退屈の一言っすよ。夢だのなんだのぬかしてた飲み屋チラつかせてたらコロッと落ちまして。ホント、バカな女だ。俺があんな年増相手にするかよ。一緒に歩くのも正直キツかったっすよ」
「しかし付き合いだしてから無一文になるって設定にゃ、たまげたぜ」
「大方の女は金に目がないんですがね?中には奇特なことに貧乏に目がくらむ女ってのもいるんですよ」
「ハハッ。てめぇも外道のツラになってきたじゃねぇか。この調子で残りの金も……」
何かが切れる音がした。これ以上話を聞いている理由がない。ドアノブを回そうとした手をひっこめ、話を聞いていた銀時へと殴りかかろうとして来た男の頭を掴んで壁へと叩きつける。
破壊した壁の瓦礫を踏みつけながら部屋へと入り、こちらを見て驚く男たちを鋭い目付きで睨んだ。
「安心しな。てめぇら外道なんかじゃねぇよ。夢のためにコツコツ貯めてた女の金巻き上げようが、金取り立てるため結婚詐欺斡旋しようが、そんなんもん外道とは呼ばねぇ。本物の外道ってやつを見せてやるよ」
木刀を肩に乗せながら凄む銀時に恐怖でその場から動けない男たち。
男たちは銀時によって全員、地へと伏せた。
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