第157幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「落ち着いたら手紙でもください。キャサリンさんと末次郎さんのお店が出来たら呼んでくださいよ。みんなで押しかけますから」
新八とたま、今はベンチに寝っ転がってしまって隠れている神楽、そして隊服姿の海がかぶき町を離れるキャサリンの見送りの為に駅へと来ていた。
「何か困った事があったら呼んでください。すぐに駆けつけますから」
「ありがとうございます」
「すいません。見送り、こんなんなっちゃって。銀さんどこ行ったんだろう、こんな時に。海さんは銀さんどこに行ったか知りませんか?」
新八達から少し離れたところに立っている海へと新八は投げかけるが、海は無言で首を横に振るだけ。
「そうですか……。ほら、神楽ちゃん!最後くらいちゃんと挨拶しなよ」
「二度と戻って来んじゃねぇぞ」
「もう、神楽ちゃん!」
寝っ転がったまま顔も上げずに手だけ振る神楽。海はそんな神楽を一瞥して苦笑いを零す。
『(寂しい、のか)』
でも、と続けた神楽の言葉にキャサリン達は虚をつかれた後に笑った。
「皆さん、今までホントにありがとうございました。どうか、お元気で」
「キャサリンさん、あの……お登勢さんの……」
新八の言葉を遮るように電車の発車アナウンスが駅構内に流れる。
それと共に三人の元へと歩を進める海。その姿を神楽が不思議そうに見つめていた。
末次郎が先に向こうで待っている、と言ってキャサリンは電車へと乗り込んだ。キャサリンを引き留めようとした新八にキャサリンがお登勢の事を頼むと寂しげな顔で振り返った時。
電車の扉が閉まる寸前に海が電車の中へと身を滑り込ませていた。
「え、ちょ、海さん!?何してるんですかアンタ!!!」
「海!?どこ行くアルか!?」
「海さま、迷子にも程がありますよ!」
『ちょっと近くまで散歩してくるわ』
「はァ!?!?!?!?」
あんぐりと口を開けて驚く新八に海は笑顔で緩やかに手を振った。
「桜樹さん……どうして!」
『向こうに着く頃には夜だろ?女性がそんな時間に出歩くのは危ねぇから。お相手さんと合流するまでは一緒にいてやる』
閉じた扉に寄りかかって微笑む海にキャサリンはくすりと笑った。
.