第146幕
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翌日、眠そうに欠伸を噛み殺しながらラジオ体操をする僕と神楽。
昨晩やっていた魔女宅を最後まで観てしまったせいで寝不足気味な僕たちの目の下にはうっすらとクマが出来ていた。
今日の朝は中々起きれず、ぐずっていたところを兄に見つかって起こされた。
いつものラジオ体操には行かないのか、と声をかけられて慌てて起きて準備する僕に苦笑いを浮かべていた兄。そんな兄の目の下にも自分と同じクマが出来ていたのを見て、声をかけようとしたがスルーされてしまった。
時間だろうから早く行ってこい。ちゃんと朝飯の時間までには戻るようにと声をかけられて屯所を出された。
「うう……眠い……」
「朔夜も観たアルか……」
「観たよ……観ちゃったんだよ……だって、山崎さんが一緒に観ようってあんぱん渡してくるから……!」
「ふんっ……そんなのに流されるなんてまだまだガキアル」
「神楽ちゃんだって観たんじゃないか」
「私はたまたまネ。全部は観てないアル」
「その割にはクマが酷いけど。美容のためには睡眠を取らなければいけないんじゃないの??」
昨日神楽が言っていた言葉を思い出して口にすれば、そんなこと知らないと顔を背けられる。あぁ、ほんと神楽は矛盾している。
頑張ってラジオ体操を終わらせれば、また1つ増えるハンコ。ハンコを貰うのに初日は列を作って並んでいたのに、今日はそんなに並ばずにあっさりと押してもらうことが出来た。
「うーん……大分少なくなってきたね。やっぱりみんなお盆休みにどっか行っちゃったのかな?神楽ちゃんと朔夜はお盆はどっか行くの?」
「僕は真選組のお仕事があるから行かないです」
「朔夜くんも毎日大変だね。お兄さんは元気してるかい?」
「はい!あ、でも最近夜更かし多いみたいで……今日も目の下にクマ作ってて……」
「そりゃ大変そうだね……。そういう朔夜くんもクマ出来てるけどね。ダメだよ?夜遅くまで仕事なんかしちゃ」
お兄さんにもそう伝えてね。と言われて苦笑いを返すことしか出来なかった。兄は確かに仕事をしていたせいでクマが出来ているのだが、自分は夜遅くまで魔女宅を観ていたせいでクマができたのだ。
不純な動機に心が痛むが、このタイミングで言うべきことでは無いと隠した。
「神楽ちゃんはどこか行くのかい?」
「うん?」
一瞬だけおじさんを見ただけで神楽はすぐに顔を背ける。視線の先には昨日の男の子。
「神楽ちゃん、目の下にクマが出来てるけど……」
「なんでもないネ。パン屋の旦那が最高だけだっただけアル」
「パン屋の旦那ってなに?えっ、ひょっとして観た?魔女宅観た??夜更かししちゃった???」
今日もハンコをもらった本郷は嬉しそうにカードを見つめる。それをなんとも言えない顔で見つめる神楽。
「気になるなら声かければいいのに」
そんな神楽をそっと後ろから見つつ、そろそろ帰る時間だと僕はそっと公園から出ていった。
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