第156幕
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「結婚を前提にお付き合い!?!?」
左手の薬指に指をはめたキャサリンが顔を赤くしながら頷いた。
「は、はぁ!?お前みたいなヤツが!?」
『銀、言い方を考えろ』
「いや、だってよ……」
キャサリンを小馬鹿にするような言い方をする銀時に海は目を細め、言い過ぎだと窘める。
「私、幸せになります。今まで色々あったから」
一瞬暗い顔を浮かべるが、すぐに幸せそうな表情を浮かべるキャサリンに銀時は微妙な顔をした。
「いや、幸せになんのは構わねぇけどよ……つか、相手どんなやつなんだよ」
「優しくて素敵な人です。私なんかにはもったいないくらい」
『なんか、じゃないだろ。キャサリンだからこそ好きになったんだろ。そいつは』
すかさずフォローを入れる海にキャサリンはブワッと顔を赤くさせた。
「海、あんたくさいこと言うじゃないか」
『え。そんな?』
「海さまらしくて私は良いと思います」
お登勢には鼻で笑われ、たまには真顔で褒められた海は小首傾げた。
「ちょっとウチの海くんいじめんのやめてくんない?」
「海さまは純情すぎて、聞いているこちらが恥ずかしくなりますね」
「いーの、海はそれで。ぴゅあっぴゅあの海くんでいーの」
グラスに残っている酒を一気に飲み干す。椅子から降りてふらつく足で海の元へと歩み寄り、帰るぞと一言呟いて海を立たせた。
「泊まってくのかい?」
『明日は非番だからたまには、と思ってな』
「そうかい。あんま騒がしくするんじゃないよ」
『気をつけます』
「……あんたホントに大丈夫なのかい、この子」
「だから言ってんだろうが!ぴゅあっぴゅあなの!この子はぴゅあっぴゅあなの!!」
お登勢の言葉に素直に返す海に、お登勢は口元を引き攣らせる。海はきっと子供たちと騒いで暴れるなと注意されたと思っているのだろう。
まさか、銀時との夜中に行われるであろう行為の事をからかわれたとは思わずに。
「海さま、ご無理をなさらないでくださいね」
『?お、う?』
「たま!お前までからかうのかよ!!」
「からかってなどいません。銀時さまは色々と元気そうなので。海さまの負担が……」
「そこまで言わなくていいわ!!ったく……海、帰るぞ」
海の腕をとって半ば引ずるようにして店から出ていく。店内へと海が振り向けば、たまに手を振られ、キャサリンには頭を下げられた。
『銀、何の話してたんだ?』
「海は知らなくていい。しょうもねぇ話だから」
銀時の言葉に益々意味がわからないという顔をする海。そんな海に吹き出すように笑った銀時。
家の玄関先で戸を開ける前に海と銀時の影はゆっくりと重なっていた。
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