第156幕
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「でも、キャサリンさん最近綺麗になったと思いませんか?」
夕飯を食べ終えた海の元へグラスを用意し、並々と酒を注ぐたまが呟く。
たまに礼を言って海はグラスへと口をつける。久しぶりの酒の摂取に喉がカッと熱くなるのを感じて吐息を漏らした。
「海、あんま飲みすぎんなよ?」
『ん、』
ちびちびと酒を舐めるように飲む海を横目に銀時はカウンターに頬杖をつきながら、たまの言葉に鼻で笑った。
「何が?猫と団地妻の接合部分?バリ取ってパテちゃんと固めてるからね神様が」
「私のデータでは恋する乙女は美しくなるとあります」
「なにそれ?んなもん言う方はお世辞に決まってんだろ」
「ため息まじりの頬に手を伸ばしたくなるんじゃありませんか?」
「いい加減にしとけよ。ホント女ってババアになってもロボになってもそういう話好きな」
はぁ、と深いため息をつき、隣に座る海へと顔を向けた。夕飯を食べて満足気な様子の海。グラスの酒はほとんど無くなっていて、海は手持ち無沙汰にグラスを見つめていた。
酒が入ったからかほんのりと赤くなった海の頬へと手を伸ばして指先で擽るように触れる。その手へと擦り寄るように身を寄せる海に銀時は仄かに微笑んだ。
「銀時、アンタたまのこと馬鹿にできないんじゃないかい?」
「あ?なんだよババア」
呆れた顔で銀時を見るお登勢に訝しげな顔をする銀時。
『ぎん』
「ん?どうした?」
名前を呼ばれ、お登勢から海へと目を向けると眠そうな顔でこちらを見ている海。
『やばい……眠い』
「疲れてるんだろ。ほら、こっちおいで」
必死に目を開けようとしている姿に苦笑し、海の方へと腕を広げて待ち構える。
酒が入ってふわふわした思考でも、人が見ているところで側に寄るのは躊躇うのだろう。嫌々と頭を横に振る海に銀時は海の腕を引いて無理矢理引き寄せては自分の膝の上に乗せて抱きしめた。
『ん……』
「ったく、仕事のし過ぎだっつの」
背中をゆっくりと撫で続けていると段々と力の抜けていく身体。落とさないようにしっかりと海を抱き寄せてから、再度たまの話に耳を傾けた。
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