第155幕
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弁当箱を持って土方と共に山崎が張り込みとして使っている貸家へと行く道中、買い物袋を手にした山崎が女性にぶつかっているのが見えた。
「あんのバカ」
『どうした?』
「普通、張り込み対象との接触は避けるだろうが」
眉間に皺を寄せ渋い顔でため息を着く土方。山崎はぶつかってしまった女性ににこやかに謝ると、借りている部屋へと入っていった。
「……行くぞ」
呆れた顔で歩き出す土方の後を大人しくついて行く。山崎が入っていった部屋の前へと行くと、土方が扉を開けて中へと入っていく。
部屋の中からふわりと香る甘い匂い。またアレを食べているのかとため息をつきながら海もお邪魔しますと一言呟いて入った。
「張り込み対象との接触は避けるのが定法だろ。山崎、てめぇそれでも監察か?」
「張り込みを張り込むなんていい趣味してますね。そんな暇があるなら最初っから副長がここに座ればいいのに」
たまたま見かけただけであって、土方は山崎のことを見張っていたわけではない。数日の張り込みのせいでスレてしまった山崎を心配しつつ、海は彼の元へと静かに近寄った。
『山崎、あんパンだけだと身体に良くない。飯持ってきたから食えよ』
「副長補佐……。でも、見張りをしている人間が口にしていいのはあんパンと牛乳だけなんです」
『なんだそのどっかの刑事ドラマみてぇな設定は。もうそのセットは古いんだよ。ちゃんと栄養のあるもの取らねぇと倒れるぞ?』
海が差し出す弁当を見てゴクリと喉を鳴らす山崎。受け取ろうと手を伸ばしたのだが、その手を瞬時に引っ込めて首を横に振った。
そんな山崎に海は押し付けるようにして弁当を持たせ、部屋に転がっていたあんパンのゴミを片付けるべくゴミ袋を手に取った。
「副長補佐!自分が片付けるのでやらなくていいですよ!」
『ずっと見張りしてるんだから疲れてるだろ?掃除ぐらいはしてやるよ』
あんパンのゴミを片付ける海を見て慌てて駆け寄る山崎。
既にあんパンの袋は海の持つゴミ袋へと集められていた。
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