『で、だ。これからどうするか』


｢いや、その前に朔夜くんに座るのやめてあげてください。確かに朔夜くんおかしな挙動ばかりしてますけど、そんな座布団みたいにするのはやめてあげてください｣


海にぶん殴られて気絶して倒れている朔夜の上に腰を下ろした海。新八はそんな朔夜を哀れみな目で見つめた。


『俺に刀を向けてきたんだぞ？しかも返り討ちにあってる。これはお仕置だ。こんなもんで済ませてもらってんだ、感謝しろこのバカ弟』


ゴツンッと気絶している朔夜の頭へと尚もゲンコツを落とす海を慌てて止める。この人ってこんなに容赦なかったか？と思い出してみるが、どれも銀時に向かって蹴りを入れてるか殴っているかのどっちかだった。


『屯所も今ちょっとおかしいんだわ。朔夜はこんなだし、総悟はなんか独自の王国作ってるしよ。山崎に至っては髪色金髪にしてるんだよ。だから逃げ出してきたってのもあるんだが……』


｢おかしくなってたのはウチだけじゃないんですね｣


『そのようだな。かといって屯所に戻って原因究明するってのもめんどくせぇし』


｢なら僕が調べてみますよ｣


『新八が？』


｢はい。みんながこうなってしまった原因が必ずあるはずです。もし、原因がなかったら……｣


諦めてこの世界に順応します。
そう言って寂しそうに笑う新八に海は目を細めるだけで何も言わなかった。


新八は海と朔夜をそのままにし、一人かぶき町へと戻った。


｢うう……｣


『目が覚めたか？』


｢あれ……兄さん？なんで……って、なんで僕の上に座ってるの！？｣


『……朔夜、お前さっき俺に何をしようとしたか覚えてるか？』


目が覚めた朔夜が己の上に座る兄に驚きの声をあげて暴れる。海は先程と違う朔夜の雰囲気と声色に眉をピクリと上げた。


｢さっき？？えっと……何をしようとしたの？｣


『覚えてないならいい』


｢え！？なに！？何しようとしたの僕！｣


朔夜の腕を取って立ち上がらせ、隊服に付いた砂埃を払ってやっている時、公園にいた老人の持つラジオから流れてきたニュースに海はため息をついた。


『イボってなんだよ……つか、また天人関連かよ』


はぁ、と深いため息をついた海は首を傾げてよく分かっていない朔夜を連れて屯所へと戻った。


隊士たちのイボをぶん殴るべく。




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