第154幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『で?万事屋に顔出したら銀時と神楽が変わってたって?』
「はい。銀さんは髪長くなってたし、神楽ちゃんも神楽さんだし。あ、えっと、僕より身長高くて、む、胸が……」
かぶき町の大通りから近くの公園のベンチへと場所を移し、海が買った飲み物を口にしながらここまでのことを語る新八。
ふーん、と軽く相槌をうつ海に新八がなんでこの人はこんな冷静なんだと不満に思いつつ、お妙と近藤のことも話に出した。
『だからああなってんのか』
「え?」
『朝起きたら真選組屯所が屯所じゃなかった。いつもの俺の部屋がやたらと豪勢になっててな。隊士たちも様子がおかしいしよ。特に総悟と山崎と土方が』
「ど、どういう事ですかそれ!」
『どういうことだろうな』
「てか、海さんなんでそんな余裕なんですか!?これだけみんな変わってるのに!」
何処か他人事のように喋る海に新八は声を荒らげる。そんな新八に海は不思議そうな顔を浮かべた。
『寝たら戻るかと思って』
「夢じゃねぇんだよ!!!これは現実なんです!!!!確かに寝たら戻るかなとか思いましたけど!!!」
あっけらかんと答える海にヒートアップしていく新八。
ダメだ。この人は皆の状態を理解していない。一番の常識人がこんなではどうしようもないじゃないか。
信頼している人ですら危機感を感じていないこの現状に新八はまたもや頭を抱えて俯いた。
唸る新八をちらりと見る海。
『なんも変わらない方が怖いと思うけどな』
「え……?」
『変わりすぎてんのは確かに受け入れ難いと思うけどよ、変わらなさすぎるのも怖いと思わないか?』
ゆっくりと顔を上げて海の方を見る。海はただ青い空を眺めていた。
『突然変われば確かに驚くし、順応するのも大変かもしんねぇ。でも、変わったってことはソイツが前より成長したってことだろ。それは喜ばしいことだ。成長しないやつよりも、成長して強くなったり賢くなったのならそれはそれでいいと思うけどな。俺は』
「海さん……」
新八の視線に気づいた海は青空から新八へと目を向ける。いつもの温かい笑みを向けてくれる海に新八はささくれ立っていた心が徐々に落ち着いていった。
.