第154幕
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「どうして……どうしてみんな僕を置いていっちゃうんだ!!」
一人、かぶき町をふらりと力なく歩く新八。かぶき町の街並みは何一つ変わっていないのに、銀時と神楽は何故か変わっていた。
久しぶりに万事屋へと顔を出したら、銀時は髪が伸びて顔に覚えのない切り傷の痕。神楽も身長が随分と高くなり、女性らしい体つきへと変貌していた。
一年間しか間が空いていないはずなのに。みんな二年経ったと言うではないか。もしそれが本当ならば自分だけ彼らに置いていかれたのか。
彼らだけ成長したというのか。
「どうすればいいんだよ……こんなのおかしいよ……」
変わったのは銀時と神楽だけではない。万事屋の下に住まうお登勢たちも様変わりしていた。
家に帰ったら帰ったで、お妙と籍を入れたのだと笑う近藤。しかもお妙の腹には子供がいるという話。
そんなの信じられるわけが無い。お妙はあれだけ近藤のことを拒否していたじゃないか。それが何故。
「もう何も考えたくない……」
頭を抱えて道の真ん中で蹲る。通行人が新八のことをウザったそうな目で見ていたが、新八はそんな目など気にせずに俯き続けていた。
『そんな所で座り込んでたら邪魔になるぞ』
「え……?」
『え、じゃない。ほら、こっち来い』
俯いていた新八に投げかけられる言葉。その声は新八がよく知る人物の声。咄嗟に顔を上げて声の方へと振り返ろうとしたが、それよりも早く新八は襟を掴まれて後ろへと引き摺られた。
「海さん……!!」
『ん?どうした?そんなお化けでも見るような顔して』
引きずられながらも必死に後ろへと顔を向ければ、そこには何一つ変わらない海の姿。新八は何も変わらない海を見てボロボロと泣き始めた。
「あああ!!貴方は……貴方は変わってないんですね!!!!」
『は?変わるって何がだよ』
「みんな、二年後だのなんだのって言うから!もしかして海さんも変わっちゃってるんじゃないかって!」
『新八』
泣き崩れる新八の方へとぽんっと手を乗せる海。
「海さん……」
『たった一幕で何が変わると思ってるんだ?』
「わかってたけど!!!分かってたけど、アンタからその言葉は聞きたくなかったわ!!!!!」
小説じゃ年数表記されてもあんま変わらない。
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