第152幕
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衝撃波が途切れたタイミングで飛び上がり、闇天丸の右腕を切り落として晴明を解放する。
地面へと着地する前に襟を朱雀に掴まれた。ゆっくりと下へと降下していく身体。
「うおっ?……ありがとな」
地に足が着くと朱雀は襟を離して銀時の左肩へと止まる。銀時は朱雀へと手を伸ばして顎下を撫でようとするも、ぷいっと顔を背けられてしまった。
「おいおい、どっかの誰かさんに似て冷てぇじゃねぇか」
そんなところまで似るのかと苦笑いを零した。
呑気に笑っているのも今のうち。目の前の闇天丸が切り落とした腕を再生する前に次の攻撃をしなくては。
それにはまだ力が足りない。
「まだまだ足りねぇ!もっとビンビンに硬くなるまでよこせー!」
外道丸と晴明の式神から送られてくる金色の気。それを木刀に乗せて闇天丸へと振り翳すが、そう易々と殴れる訳もなく、逆に闇天丸に殴られそうになって身構えた。
「朱雀……!」
闇天丸の拳がぶつかる寸前に銀時の前へと出る朱雀。銀時の代わりに殴られた朱雀は地面へと叩きつけられた。
「おい!大丈夫かよ!」
慌てて駆け寄れば弱々しく鳴いて返事をする。片腕で抱き起こせば、身震いして立ち上がった。
「無理すんじゃねぇよ。ほら、あっち行ってろ」
神楽たちのいる方へと朱雀の身体を押すも、銀時の手から逃げるようにして飛び回る朱雀に仕方ねぇなと嘆息をし、朱雀へと腕を上げた。
「あんまご主人様に負担かけんじゃねぇぞ?いいな?」
今度は返事もせずに闇天丸を見つめる朱雀。暴れ回る闇天丸へと木刀を構えて走り出す銀時。
先程よりも闇天丸の動きは鈍く反応も遅い。木刀で身体を叩きつけるも避ける事もしなくなった闇天丸に違和感を感じつつ、闇天丸の頭頂部へと木刀を突き刺した。
「ど……道満……まさかお前……お前が……闇天丸の動きを封じて……」
闇天丸の動きに気づいた晴明がボロボロの身体を引きずるように立ち上がる。闇天丸の中に残る道満の意思が闇天丸を抑えようとしていた。
「せ……晴明……だ、誰が貴様の言うことなど聞くものか。己の命ひとつで全てを終わりにする?これ以上……貴様にいいカッコさせてなるものか。最後くらい……俺にカッコつけさせろ」
闇天丸を抑えている間にトドメをさせと言う道満に晴明は複雑な顔をして闇天丸を見上げる。闇天丸に取り込まれたとはいえ、道満の意識がある事に躊躇しているのだろう。
それは晴明だけでなく銀時も同じで、突然の道満の声に木刀を動かす手を止めてしまっていた。
「くっ……」
道満の意識が途絶えたのか闇天丸が唸る。銀時の両腕に巻きついた髪の毛が、銀時を持ち上げて地面へと叩きつける。
「お、い……」
苦しげに呻きながらも朱雀へと声をかければ、銀時の背中から小さく鳴き声が漏れる。地面と銀時の間へと入り込んでクッション代わりになった朱雀がのろのろと這い出てきて銀時の胸の上へと飛び乗った。
「悪いな……」
じとりと銀時を見下ろす朱雀に銀時は申し訳なさそうにぽつりと謝った。
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