第152幕
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「……おいおい、こりゃ一体なんだ……?」
晴明を守るために木刀を手にして闇天丸の腕へと飛び乗り、攻撃を受け止めようと身構えた。金色に輝く木刀へと力を込め衝撃に備えようとする銀時の前へとふわりと現れたもの。
青く輝いた鳥が闇天丸と銀時の間に入る。あれでは鳥に闇天丸の衝撃波が当たってしまう。急いで鳥へと手を伸ばした銀時に見えたのは、鳥の前に浮かび上がる五芒星マーク。
衝撃波は五芒星のマークへとぶつかるが、そこに見えない壁があるのか衝撃波は銀時と晴明の元まで届かなかった。
「それは……」
「おい、あれは一体なんだ!」
闇天丸に掴まれて動けない晴明が鳥を見て目を見開く。あの鳥の事を知っているような顔をしていた。
「あれはクリステルの式神だ……何故ここにいる!それになんじゃ、その色は!」
「結野アナの式神……?」
それは外道丸のことでは無いのか。衝撃波を受け止め続ける鳥は傷一つ負うことなくその場に浮遊していた。
「外道丸!これは一体どういうことじゃ!」
「晴明さま、クリステルさまは海さまに朱雀の式札を渡したでござんす」
「朱雀?」
どこかで聞いたような名前に首を傾げる。確か四神の一つだったはずだ。それを結野アナが海に渡した?いつ?
そんなこと海から一切聞いていない。結野家の屋敷に残った海は一体何をしているのか。
「だが、朱雀を呼び起こせるほどの者ではないだろう!こんな高位の式神を呼ぼうものなら式神に取り殺されるぞ!?」
「は?取り殺されるだ?」
「朱雀は神獣じゃ。そこいらの式神とは訳が違う。何十年、修行を積んでも呼び起こすのに苦労する式神だ。そんな式神を呼び起こすなど……」
尋常ではない。そう呟いた晴明は眉間に皺を寄せて朱雀を凝視していた。晴明も結野アナも呼ぶのを躊躇うほどの式神をいとも簡単に呼び出してしまった海。
「さすが……ってか?」
なんでも簡単にやり遂げてしまう海に渋い顔を浮かべる。きっとこの式神は己を守るために飛ばしてきたのだろう。こんな大層なものを呼び出してまで。
「(無理してんのはどっちよ)」
きっと今頃、彼はこの式神を呼び出した反動で辛い思いをしているだろう。たった一人で。
「すぐ帰るから待ってろ。それまで……持ち堪えてくれ」
朱雀がちらりとこちらへと振り返ると、銀時の言葉に返事をするかのように、聞いたことの無い綺麗な声で鳴いた。
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