第151幕
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「んじゃ、ちょっくら行ってくるわ」
『気をつけてな』
縁側で柱に寄りかかりながら銀時と外道丸へと緩く手を振る。走り出した銀時を追うように動いた外道丸がふとこちらへと振り返った。
「海さま」
『ん?』
「アレを使うでござんすか?」
『気が向いたら、な』
「アレはクリステルさまの持つ式神の中でも高位なものです。あなたが使いこなせるかは……」
『知ってる。だから言ったろ?切り札だってよ。俺だってこんな面倒くさそうなもん使いたくねぇし』
ぽん、と胸元を軽く叩く。中には先程外道丸に見せた式札がある。まだ呼ばれぬ式神がここに眠っているのだと思うと、少しばかり恐れるというもの。
「海さまは屋敷から出ないほうがよろしいかと」
『出る気は毛頭ない。あれだけ寝込んでるやつがいんだ。面倒見てやんねぇと』
未だ魘されているであろう彼らを放ってまでついて行く気はない。誰かしらが残らなければならないのであれば、万事屋ではない俺が残ると呟く。その言葉に安堵の表情を見せる外道丸に苦笑いを浮かべた。
『それより……頼んだぞ。そっちのこと』
「分かってるでやんす。必ずや」
『ならいい。ほら、置いてかれるぞ』
既に銀時は屋敷を飛び出して敵陣へと。遅れて神楽と新八も巳厘野家へと走っていった。早く行きなさいと外道丸を急かし、猫を追い払うように手を払った。
『行ってらっしゃい』
「行って……くるでござんす」
言われ慣れず、言い慣れない言葉なのかたどたどしく返された。
走っていく外道丸の背中をただ見つめる。
本当ならば自分もついて行きたかった。きっと銀時は無理をするだろうから。神楽と新八がついているから平気だとは思うが、なんでも一人でやってしまおうとする銀時のことだ。
今回もきっと。
『……怪我しなければいいんだけどな』
こうなることを予想していた俺は事前に外道丸に言っておいた。万事屋の3人は度々無理をする。だから見てやって欲しいと。それは結野アナからも言われている事だから気にしなくていいと返された後、外道丸から言われた言葉に驚いた。
"銀時さまたちを守るのは当然でござんすが、あっしは海さまのことも守れとも命令を受けてるでござんす"
"俺のことも?何故"
"海さまのもつ式神は……"
ひらりと胸元から出した式札を見つめる。結野アナからも渋々という顔で渡された式神。出来れば使って欲しくないが、緊急事態に陥った時に使って欲しいとの事。
『そんなことにならなければいいんだがな。その時が来た時は……よろしく頼む、朱雀』
式札を胸元へと戻して結野衆の容態を確認すべく広間へと戻る。
ふと庭へと目を向けた時、多数の人がこちらへと向かってきているのが見えた。
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