第150幕
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「ご無事ですか?副長補佐殿」
『俺の事知ってるのか?』
「ええ。貴方のことはよく存じております」
にこりと微笑む男に俺は全く見覚えがない。だが彼は俺の事をよく知っているようで、隊服を着ていないにも関わらず、俺の事を真選組の役職名で呼んだ。
「クリステルがよく貴方の話をしておりましたので。わしも気になって貴方のことを調べさせてもらった」
『は、はぁ……』
兄妹そろって人の事をなんだと思ってるんだ。ただの副長補佐になんの興味が湧いたんだ。
「ちょ、ちょっとぉ!?なんなのアンタ!」
グイッと後ろから腕を引っ張られて銀時の方へと引き寄せられる。銀時の背後へと隠されるように引き離された。
「大丈夫アルか!?海!」
「大丈夫ですか!?何かされましたか!?」
『いや、何もされてねぇ……むしろ守ってもらったというか』
「あの男何者アルか!!海に触んじゃねーヨ!!」
「銀さん!その人敵ですよ!絶対敵ですよ!!」
俺を挟むようにして立つ神楽と新八。銀時の前に立つ男を指差して睨む2人の頭へと拳骨を落として黙らせ、男の方へと向き直った。
『悪い、子供のイタズラが過ぎた。許してくれ』
「いや、気にしないでくれ。わしも突然すぎたな」
『それであんたは一体……』
誰なんだ、と聞くよりも先に銀時のそばに居たおかっぱ頭の女の子が俺の前へと出る。じっと俺の事を観察するように見てからぺこりと頭を下げた。
「あっしは外道丸。クリステルさまより命じられここにいるでやんす。貴方様が海さまでやんすか?」
『ああ……そうだけど……』
「承知。あの方は晴明さまでござんす。結野衆頭目、一族歴代最強をうたわれる天才陰陽師、結野晴明。クリステルさまの兄上でごさんす」
『結野アナの兄貴?』
ちらりと晴明の方を見遣れば、外道丸の紹介にふふんと鼻を高くしているのが見えた。
『そんな人がなんで俺の事を?』
「貴方の話はクリステルと将軍殿からよく聞き及んでいます。とても聡明で腕のたつ人間だと」
『そんな人間じゃねぇんだが?』
「いえ、聞いていた話の通りの方じゃ。とても麗しく……」
一歩俺の方へと踏み出した晴明。俺の前へと壁のように立つ銀時。暫し両者の睨み合いが続いた。
「海さまはご苦労されてるでござんすね」
『その意味が全く分かんねぇんだが?』
「鈍感も過ぎればただの馬鹿かと」
『それは俺の事を貶してんのか?』
「いえ、そんな事はございませんよ。ふふ」
顔を逸らして笑う外道丸にバカにされた気分になった。
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