第148幕
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『お前ら!1人も残すな!!』
「はい!!」
『やっと始まったか』
バタバタと階段の方へと走ってくる攘夷浪士。1人、また1人と隊士たちが片付けていくのを横目に俺は宴会場の方へと向かう。
作戦と少し違うのは、裏口の方から逃げようとする攘夷浪士の少なさである。
もっと来るかと思って待機していたのだが、どれだけ待っても攘夷浪士が現れることはなく、ただ時間だけが過ぎた。
これなら隊士たちだけでも大丈夫そうだと判断して、俺は1人近藤たちと合流すべく隊から離れた。
『宴会場ってここか』
開け放たれている広間へと顔を出せば、そこには死体の山。これは派手にやったな。
『土方と総悟がここで減らしてたおかげか。さんきゅ』
下のことを思ってなるべく数を減らしてくれたのか、それとも暴れることに夢中になったのかはさておいて。
広間から広間へと移った時に聞こえてきた土方の怒号。声のした方へと走り出した。
『土方!!何があっ……は??』
「海!!!」
広間の襖を開け放って中へと入ると、そこには土方と何やらうねうねと動き回る触手。
『な、んだそれ……』
「これは近藤さんの鼻くそだ!!」
『はぁ!?』
触手にまとわりつかれている土方が逃げようと藻掻く。その後ろに近藤のような顔をした本体らしきものが土方を見ていた。
『気持ち悪……』
"海ィ……?"
「はっ……に、逃げろ!!」
『へ、は、あぁ!?』
ずるりと自分の方へと向かってくる触手。土方の声にびくりと体を揺らしてその場から離れようと後ずさったが、触手に足を掴まれてしまって逃げられなかった。
「海!!!」
『なんだこれ……!!』
ズルズルと体にまとわりつく触手。触手が徐々に服の中へと侵入していく。
"わぁ、海の肌スベスベだなぁ"
「てめぇ!いい加減にしやがれ!!!」
『ひじ、かた……』
触手に体中をまさぐられる感覚に鳥肌が立つ。逃げようともがけばもがくほど絡みついて離さない。
「海!海!!!」
土方が必死に自分を呼んでいるのが聞こえる。どうにかこの触手を斬りたいのだが、腕にまとわりついた触手のせいで刀が取れない。もう為す術なくただ触手のまさぐりに耐えるしかなかった。
「はっ!?」
『大丈夫か?』
「あ?!」
気づけばそこは海が運転する車の中。バックミラー越しに海が俺の事を見ていた。
隣には近藤が真剣な眼差し。あぁ、あれは夢だったのか。
話しかけてきた近藤に鼻くそがついていると教えてやる。近藤がティッシュで鼻を拭いているのをじっと見つめている俺に近藤が、
「トシ、お前も鼻血が出てるぞ?」
と呟いた。
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