第148幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
まずい。この状況をどうすりゃいいんだ……。
ダラダラと汗を流しながら近藤の鼻を凝視する俺。そんな俺に気づいていない近藤はただまっすぐ攘夷浪士達が騒いでいるであろう宴会場を見つめていた。
片側の鼻からクソを垂らしながら。
先程から気になってはいるのだが、中々本人に言い出せずにいる。早くそれを何とかしなくてはいけないのは分かっている。だが、なんと声をかければいいのか。下手に声をかけようものなら周りにバレる。
それは近藤の尊厳が失われるという恐れが出てしまう。
「(くそ……なんでこんな時にアイツは居ねぇんだよ……!)」
こういう事が起きた時、一番穏便にトラブルを解決させられるやつが近くにいない。アイツの配置を決めたのは誰だったか。そいつの頭の毛根死滅させてやろうか……!
「あ、俺だわ」
「土方さん?どうしたんですか?」
名前を呼ばれてびくりと肩が揺れる。バッと勢いよく後ろへと顔を向けると、朔夜が不思議そうな顔をして立っていた。
「な、なんでもねぇ……お前は総悟の近くにいろ。さっき海にも言われてただろうが。勝手にちょこまか動くんじゃねぇってよ」
「そうなんですけど……」
どこか歯切れの悪い返事をする朔夜。早くここから居なくなってくれという念を込めて朔夜をじっと睨むように見るが朔夜は違うところを見ているようで、視線が絡むことは無かった。
「お前さっきからどこ見て……」
「近藤さんのあれ、どうにかなりませんか?」
「なっ……てめ!まさか!」
申し訳なさそうな声色で近藤の顔を指さす朔夜。咄嗟にその手を掴んで下げる。そのタイミングで近藤がこちらを向いて首を傾げたのを見て、引き攣った笑みを朔夜と共にした。
「お前、いつから知ってやがった!」
「え、えっと……兄さんに注意された時に見っちゃって」
「海も知ってんのか!?」
「多分、兄さんは知らないと思います。なんも言ってなかったから……」
まさかこんな所に近藤の鼻くその存在を知るやつがいたとは。今まで黙っていた事を褒めたいくらいだった。
「あれをどうにかしねぇと攘夷浪士どころの話じゃねぇ」
「それはそうですけど……土方さんなんで言ってあげないんですか?」
「おま、そんな簡単に言えるかよッ!あんなに集中してる近藤さんに、鼻くそ付いてるって言えねぇだろ!!」
「兄さんなら言うと思いますけど」
「お前の兄貴はフォローが上手いからいいんだよ!!!むしろ、連れてこい!!!」
「そんなの無理ですよ!!!てか、まさかさっきのあの無理矢理のトイレタイムって……!」
「そうだよ!!!ああするしかなかったんだよ!!」
結局、近藤の鼻くそはターザンからリヴァイアサン。そして片側の鼻からはバハムートが出てきて、朔夜と共に動揺して何も言えなくなってしまった。
.