第148幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
池酢屋の前で車を止めて降りる。池酢屋の前には既に総悟と朔夜が隊を率いて待機していた。
「兄さん!」
『朔夜、遊びに来たんじゃない。隊列を乱すな』
「いつにも増して気合い入ってやすね」
『総悟、お前も隊長なら気をつけろ。たった1人の勝手な行動で作戦がおじゃんになるかもしれないだろ』
俺の姿を見て駆け寄ってきた朔夜に注意をし、朔夜の直属の上司である総悟にも一声かける。
総悟は朔夜の首根っこを掴んで元の位置へと戻すと、俺にぺこりと軽く頭を下げた。
「すんません」
『気をつけてくれればいいよ。お前らが危ない目に合わなければそれでいい』
「ごめんなさい、兄さん」
『ここには遠足で来たんじゃない。忘れんな』
作戦前に意気消沈する朔夜の頭を軽く撫でてから自分も土方の隣へと戻る。近藤は俺が戻ってきたのを見計らってから、待機している隊へと口を開いた。
「一番隊は俺と共に正面から攻める。二番隊、三番隊は海の指示に従い裏から攻めろ。ネズミ1匹逃がすんじゃねぇぞ。いいか、俺たちの剣に江戸の命運が懸かっている。俺たちの戦は一度一度が決戦。負ければあとはねぇ。後ろを振り向くな。眼前の敵だけ見据えろ。未来をてめぇの剣で切り開け。行くぞ!!」
『土方』
「あ?」
『近藤さんのこと頼んだ』
「はっ。んなの当たりめぇだろうが」
『言われるまでもねぇってか。そりゃ心強いことで』
各自の持ち場へと散っていく隊士達を眺めつつ土方へと目配せをする。こくりと頷き合えば、互いに指示された配置の元へと歩き出した。
『俺たちは一番隊が取りこぼした奴らを処理する。逃げてきた奴は全員、斬り伏せるか捕まえろ。今日ここにいるのは攘夷浪士だけだ』
山崎の調べでは今日一日、池酢屋は攘夷浪士達によって貸切になっている。一般市民が紛れ込んでいるということは無い。
心置き無く向かってくるやつを斬ることができるのは不幸中の幸いといったところだろう。
『手加減はすんなよ?すれば自分の首が飛ぶと思え』
力強く頷く隊士たちに俺も頷き返す。指定の配置場所へと隊士たちを散らせた後、土方へと配置完了のメールを送る。向こうも待機場所へ着いたというメールが返ってきた。
『……あ?』
それとは別に送られてきたメールに眉を顰める。こんな時に何言ってんだこいつは。
"鼻くそがターザンしてる。どうすりゃいい。ありゃリヴァイアサンだ"
.