第148幕
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「敵の潜伏場所は旅籠、池酢屋。ヤツらは明日未明、ターミナル武装占拠を決行せんと画策。池酢屋に結集し談合を行っています。あ、海さんそこから20メートル先を右に曲がってください」
『右?ん、了解』
山崎に言われてすかさず右の方へとウィンカーを出して曲がる用意をする。
外はちらほらと雪が降っていた。
これから向かうのは攘夷浪士達が居る池酢屋。山崎が事前に集めていた情報を隣で話していた。
「計画を阻止できるのも、連中を一網打尽にできるのも今をおいて他にはありません。海さん次左で」
『ん、』
「おい、海。山崎はナビじゃねぇんだよ」
『そんなの知ってる。山崎が勝手に教えてくれんだからいいだろ』
曲がるところで逐一声をかけてくれる山崎に土方が青筋を浮かべる。助手席にいる山崎がそんな土方に苦笑いを浮かべて何かボソボソと呟いていた。
「(副長、あんた海さんの方向音痴知ってるでしょうが!さっきから曲がる方とは逆のウィンカー出してるんですよ、この人!)」
「(だからてめぇが運転しろって言っただろうが!)」
「(しょうがないじゃないですか!海さんが運転するって言ってくれたんですから!)」
ちらりとバックミラーを見ると、土方と山崎が言い合っているのが見える。隣にいるのに声が全く聞こえない。
突撃の相談でもしているのだろうか。視線を土方から近藤さんへと移すと、今まで無言で目を閉じていた近藤さんが鋭い目付きで開眼した。
「決戦だ」
『こんなの久しぶりだもんな』
「そうだな。海、気を引き締めていけよ?怪我しないように」
『わかりましたよ、局長』
たとえ相手の気が緩んでいたとしても、乱戦になることは間違いない。あちらさんだって反抗して斬りかかってくるだろう。
多少の怪我は仕方ないとしても、命に関わるような怪我だけはするな。と近藤に注意され、俺は静かに頷いた。
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