第147幕
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「姉貴送ってくるネ!」
『気をつけてな』
「うん!」
「またね、海くん」
『おう。またな』
包みを持ったお妙と新八が手を振って万事屋を出ていく。その後から神楽が2人を送ってくるとバタバタ走りながらついていった。
今夜の夕飯はチンジャオロース。作りすぎてしまった分をお妙に持たせた。その代わりにと真っ黒のよく分からん卵焼きが残されて、その処理をどうしたものかと悩んでいる。
『神楽と新八は上手く巻けるようになったのに、なんでお妙さんはダークマター作るんだよ。もはや才能だろ』
食材から未知の物質を作り出すお妙はある意味才能なのではないかと思ってしまう。
台所から香る異様な臭いに冷や汗を垂らし、お妙には申し訳ないが、あれは捨てさせてもらおうとひっそり玄関先で謝った。
『っと、俺もそろそろ屯所に帰らねぇと』
時計を見ればもう屯所の食堂が賑わい始める時間。見回りにしては帰るのが遅くなってしまった。
これではまた土方と総悟に何があったと聞かれてしまう。別に毎回毎回帰るのが遅くなる度に心配しなくてもいいと思うのだが、いつだったか晋助に拉致された一件がある為何も言えない。
あの時は大分近藤さん達に迷惑と心配をかけたのだ。注意くらいは甘んじて受けねば。
『銀時、俺もう帰……って、寝てるのかよ』
ソファで横になっている銀時に声をかけるも反応がない。傍によって顔を覗くように見下ろせば、すやすやと寝息を立てていた。
『飯、作っておいたからちゃと食えよ?酒ばっか飲んでないで』
床に膝をつけて座り、銀時の顔にかかっている前髪を優しく払う。気持ちよさそうに眠っている顔。
『いつもお疲れさん』
そっと額に自分の顔を寄せてキスをし、サッとその場から離れた。こんなこと起きている銀時にしようものならからかわれる。
『んじゃ、またな』
机の上に置いてあった携帯と衣紋掛けに掛けられていた上着を手に取って静かに万事屋を出た。外は既に真っ暗で、ひんやりとした風が首元を掠めていった。
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「何あの子」
海がの気配が消えた後にぱちりと目を開ける。本当は海がいる間に起きてしまいたかったが、そうしたらきっと彼は恥ずかしさで怒るだろう。
そう思って起きなかったのだが、それが今になって後悔。
「可愛すぎるでしょ……」
帰り際に額にキスされるとは予想もしていなかった。そんな可愛い行動をしていくなど、普段の海なら有り得ない。
「バレてたか?もしかして」
拗ねているのがバレたのか。それともほんとに気まぐれでやったのか。
本人が居ない今、それを確認することも出来ない。ただ出来るとしたら……。
「…………シコろ……」
元気になってしまった己の自己処理のみ。
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