第170幕
name change
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『で?結局名前はどうなったんだ?』
小猿から糞を投げつけられている銀時を眺めているうちに空はオレンジ色へと変わっていた。
小猿から逃げ通していた銀時も疲れ果て、糞まみれになりながらうつ伏せに倒れている。お疲れ様と声をかけてその頭をわしゃわしゃと撫で回すと、銀時はその手に擦り寄ってもっと撫でろと言うように海を見つめた。
「うむ。良い名前が決まったぞ」
庭に紙を広げて筆をとった九兵衛。つらつらと書いていくのを見ていた海は段々と顔をひきつらせていった。
『……やっぱウッキーの方が良かったんじゃ』
"寿限無寿限無ウンコ投げ機一昨日の新ちゃんのパンツ新八の人生ウッキーバルムンク=フェザリオンアイザック=シュナイダー三分の一の純情な感情の残った三分の二はさかむけが気になる感情裏切りは僕の名前をしっているようでしらないのを僕はしっている留守スルメめだかかずのここえだめめだか……このめだかはさっきと違う奴だから池乃めだかの方だからラー油ゆうていみやおうきむこうぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺビチグソ丸"
『長すぎないか……もはや名前じゃねぇだろ』
「そうか?僕は良いと思うが」
『何を思って良いと思ったんだよ。逆に九兵衛、お前がこんな名前にされたらどうすんだよ』
「そんなの決まっているだろう」
キリッとした顔で海の方を振り向いた九兵衛。
「改名する」
『おい』
その名前を小猿につけたんだろうが。と九兵衛にツッコもうかと思ったが、海が言うよりも早く新八が長すぎる名前に文句をつけた。
「海さんも言ってやってくださいよ!!」
『さっきから言ってる。これは長すぎるって』
呪文のような名前を呼ぶ九兵衛たちに新八が頭を抱えて叫ぶ。どうにかしてくれと海に縋ってきたが、海は首を横に振って無理だと答えた。
「これならまだ海さんのウッキーの方がダサ可愛いですよ!!」
『お前本当に銀時に似てきたな。そんなに俺がつけた名前はダサいか』
「え、いや、なんつうか。その」
『はっきり言え』
「ダサい……です。あのいつぞやのドライバー事件の時の"ホッサー"っていうハンネの時も思いましたけど……」
『……そう』
「ああぁああぁぁあ!!そんな落ち込まないでください!!!ごめんなさい!僕が悪かったです!!!」
ダサい、と言われて俯いた海に新八が土下座をする勢いで頭を何度も下げる。そんなにも自分のネーミングセンスはおかしいのだろうか。
「おい、新八ィ。海泣かせてんじゃねーよ!」
「泣かしてないわ!!!」
『泣いてねぇわ』
起き上がった銀時が海を横からキュッと抱きしめ、謝り倒している新八を睨むように見る。すかさず銀時の腹部へと入る右ストレート。綺麗に鳩尾に入った拳に銀時は「見事な腕前で……」と呟いてまた床へと沈んだ。
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