第170幕
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「ウキャ?」
「なにそれ。笑わなきゃダメなの?笑えば許してくれるの?」
「要するにどういう事なんですか?九兵衛さん?」
九兵衛の頭に乗っているのは首に鈴をつけた小猿。小首を傾げて銀時たち一同の顔を順々に見つめていく小さな目。
『……可愛いな』
久しぶりの非番の日に万事屋へと向かった海は銀時に連れられて新八の家へと来ていた。お妙と九兵衛、神楽に新八、銀時と海で机を囲うように座っている図。
「海、ダメだからね?今は小動物かもしれないけど、アレはでかくなったら厄介な生き物に様変わりするからね?人の食いもん盗んだり、畑を荒らしたりするようなヤツになるからね?」
九兵衛の頭に大人しく座っている小猿を見てぽつりと呟いた海に銀時が首を横に振る。「動物ならウチの定春で我慢しなさい」と言われ、海はムッと拗ねてそっぽを向いた。
「ちょ、海?え、マジで?え??」
『うるせぇ……で?その猿は一体どこから連れてきたんだ?』
話を遮って悪いと一言九兵衛に謝って、脱線してしまった話を戻した。
「将軍様の妹君が愛玩用にと飼われていたのがこのサルお方の母。子を成したはいいが、その子が悪さばかりして全く言うことを聞かない。困り果てた家中の者が教育係として選んだのが、柳生家ということだ」
「要するに厄介者押し付けられたってワケね。かつての将軍様の御指南役がエテ公御指南役たァ、盛者必衰の理だねぇ」
『銀時、お前言い方を──』
考えろ。と言おうとした海の視界の隅を飛んでいく黒いもの。それはだらしなく煎餅を食べていた銀時の頭へとぶち当たった。
『……臭』
「あぁ!?なんだこれ!?」
ベチャッとした黒いものは悪臭を放つ。その臭いに顔を顰めた海は銀時からそっと離れた。
「気をつけろ。無礼な振る舞いは勘で察知し、イーストウッド並の早撃ちで糞を投げつけてくるぞ。素行は悪いがプライドだけはセレブなんだ」
『プライドだけは上等なのかよ。ほんとに厄介者じゃねぇか』
めんどくせぇ、と一言呟いた海の顔面へと飛んでくる黒いもの。それは銀時が咄嗟に手を出したことによって、海に当たることは無かった。
「ねぇ、コイツの話聞いてた?このサルバカにするとウンコ飛ばしてくるんだよ?海、今確実に狙われてたよ?顔に当たりそうだったよ!?」
『あれくらい避けれる。なんだよ、そんな悔しそうな顔して。俺に当てたかったのか?コレ』
「ちょ、何言ってんのお前ェ!?」
悔しそうに海を睨むサルを煽るように海は嘲笑う。ウンコ塗れの銀時の手を指差して「残念だったな?」と言ってやれば、サルはムキになって海にウンコを投げつけ始めた。
「ほんと何してんのォォォォォ!?」
ウンコを投げつけるサルとそれを避ける海。中々当たらない相手にサルの方は怒りを露わにしているのに対し、海は少し楽しげ。
「あらあら、遊んでるのね。海くん」
『ちょっと暇だったからな』
的確に顔面を狙ってくるサルに海は余裕の笑みを見せた。
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